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わたしと「タイ料理」

タイ料理?

 お盆も過ぎて少し涼しい風吹き始める時期に「タイ料理」の懐かしい話もたくさんしたので、記憶を思い起こしながら「タイ料理」との出会いを書いてみる。
 2017年のあの頃、タイ料理は好きだけど年に数回行くか行かないか。パッタイとガバオくらいしか知識がないし、何よりも西洋的現代料理とシャンパーニュが命だった。その一方で、Asia 50 Best Resturantにはバンコクのレストランが数多くランクインしGagganが一世を風靡していた。アジアの食の中心地のひとつとしてバンコクが認知され、世界中のfoodieたちがバンコクへガストロツーリズムに出かける。そんな2017年の4月のソンクラーンの時期(タイの旧正月)に日本で「タイ料理」に出会った。

Gagganのシグネチャー
みんな知ってたあの当時

 ちなみに2017年のランキングリストは今とはかなり違うので面白い。Le Duが37位に初ランクインしていて、ここから爆進撃を始めるのか…と感慨深い。

コラボイベント

 出会いは懐かしいSalmon&Troutと80/20とのコラボイベント。
(※現在は両レストラン共シェフが交代している)。「ソンクラーン休みで日本に来るイケてるシェフ見つけたからコラボするよ」と言われて参加した気軽なイベントで、ガストロノミーとしてのタイ料理をなぜか日本で体験する。
 当時80/20は「80%タイの食材を使い、20%は外国に食材を使う」をコンセプトに北米帰りの若手タイ人シェフがオープンしたファインダインングとカジュアルレストランの間くらいのレストランで、タイの伝統的料理をローカル食材を大切にしながら北欧的な調理技術を多用し再解釈するなど、バンコクではヒップなレストランとして話題だった(らしい)。全く何も知らなかったのがよかったのか、振り返れば先入観なしに料理を通して①フレーバーの多層性:スパイスやハーブのフレーバーを重ねること、②5味+辛味: 辛味の扱い方という「タイ料理」の特徴、③食材の多様性: イサーン食材(昆虫食)やムスリム食材にも触れられたことが、知的好奇心を刺激してくれたとを今でもよく覚えている。あととにかく一皿一皿カッコよかった!
 その当時は、今よりもさらに北欧料理の全盛期で発酵やオイルを多用していたのだけれど、そのオイルのフレーバーやスパイスの使い方に遊び心を感じて、ワクワクしたのを覚えている。例えば生のホタテにココナッツカレーペーストとチリオイル。ホタルイカに発酵ソースとレモングラスオイル。グリルしたタケノコに竹虫の素揚げとスパイスパウダー。〆はヤギ肉のカレー。旬の食材とタイのフレーバーを使いながら、「タイ料理」を再構築していた。初めて食べる「タイ料理」に興奮した。「タイ料理」は「ガストロノミー」という概念に出会った日。

 多くの人が「タイ料理」といえばまずは屋台料理を思い出す中で、ガストロノミー的タイ料理から「タイ料理」を知ることになり、そして、ここから本当に語りつくせないくらいの多くの体験をする&させてもらうことになるのです…

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