小匙の書室125 ─トクベツキューカ、はじめました!─
一年に一度、好きな一日を休みにすることができる。
これはラーケーションとはまた違う、特別な一日の物語。
〜はじまりに〜
清水晴木 著 いつか 絵
トクベツキューカ、はじめました!
昨年、上川隆也さん主演で放送されたドラマ『さよならの向う側』。その原作者である清水晴木先生の最新作!!
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🗣️5/15に発売です〜〜‼️
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清水先生といえばここ最近、『旅立ちの日に』や『分岐駅まぼろし』、『17歳のビオトープ』といったように主に高校生以上を主人公にした寄り添いの物語を上梓されています。
さて。その対象が小学生になったとき、いったいどんな作品になって読者の手に渡るのか。
いざ、期待を胸に読み始めて行きました。
〜感想〜
早速、本作のオススメポイントをご紹介しましょう。
◯いつかさんによるイラスト。
表紙だけでなく目次や各章の挿絵など、いつかさんのキュートで温かなイラストがとても目に優しい。読後に見返しては微笑ましい気持ちにさせられますし、誰でも手に取りやすい雰囲気を醸し出してくれています。
⇧以前にこの記事でも紹介したようにいつかさんは好きなイラストレーターさんなので、好きな作家さんと組み合わさるのは私得でしかない。
◯トクベツキューカを使って見つける、特別。
ラーケーションとは似て非なる『トクベツキューカ(特別休暇)』。
本作はそんな好きな日に好きな理由で休むことができる制度を用いた、小学生たちの純粋さに根差した心を描く連作短編なのです。
制度を行使するきっかけは、些細なことかもしれない。でも、それによって思いもかけない特別が見つかることだってある。
時代は常にアップデートされているのだと知ることができました。
◯それはまるで、『心の教科書』のようで。
先述したような連作短編には、小学生の時分に感じ取って大切にしてほしい気持ちの形があるのです。
本作を通じて、無意識的に実践できていたことや、意識的に振る舞っていたことの客観視によって、自分の心に新しいゆとりが生まれる可能性があります。
これぞまさしく児童書の醍醐味!(と私は思う)
小説として触れ合うのもそうですが、心の教科書としても有意義な読書時間になることでしょう。
◯読後、胸に掻き抱きたくなった。
これに尽きます。
物語の構成が素晴らしく、そこにいつかさんのイラストが組み合わさることで、「あ〜! 何気なく描かれている二人組の姿が尊い〜!!」となるのでした。
目と心をこれでもかと満たしてくれる、至高の一冊でした。
〜おわりに〜
改めて、本作は5/15に発売です。
トクベツキューカがあることで、少しずつ変わっていく彼ら彼女らの日常を、ぜひとも楽しんでいただきたい。
なんかもうね、学級書籍に一冊として配本されてほしい。
ここまでお読みくださりありがとうございました📚
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