サ高住の抱える "課題”
困ったらサ高住へ
1)病院→サ高住へ
病院は、「早期退院」・「入院期間の短期化」を進めています。
制度上、ここで評価されないと病院経営が
難しくなってしまうからです。
病院「治療は終わり状態が安定しているので、明後日には退院です」
家族「自分でトイレにいけないじゃ困ります。もう家じゃ無理・・・特養は空いてない・・・」
じゃあ、サ高住へ!!
サ高住は、公的な施設より民間の新規参入がしやすく「空き」があります。
2)老健→サ高住へ
老健は、本来は「在宅復帰を目指すリハビリ施設」です。
老健は、「在宅復帰」を頑張ると介護保険の報酬が上がり経営が安定します。
しかし、核家族化により家族介護力の低下、バリアフリーではない自宅に帰すのは、どんどん難しくなっていて、「第2の特養化問題」に直面しています。
サ高住は、制度上では「施設」ではなく
「住宅(在宅)」なので、老健としては、
自宅へ帰せなくてもサ高住に入居させれば
「在宅復帰を目指すリハビリ施設」としての役割を満たします
じゃあ、サ高住へ!!
こんな事情などで、サ高住には、住んでいた自宅に帰れない高齢者が集まってきます。
このこと自体は何も問題ありません。
新たな受け皿は必要ですので。
この流れを理解した上で、次に「課題」をみていきます。
課題 ミスマッチが起こっている
そもそもサ高住は、各部屋に、台所、水洗便所、収納、洗面台、浴室を設置することが
義務になっていて、やるべき支援は「安否確認」と「生活相談」のみです。
この基準から考えると、安否確認と生活相談があれば、部屋に備えつけの設備を使いながら生活できる高齢者の住まいってことになります。
車いすの方や寝たきりの方が生活をする場としては想定されてないため、この状態の方が生活する場としては、設備も人員配置もミスマッチなんです。
これらの状態の方を、企業努力により介護力&看護力を高め迎えてくれるサ高住では、
適切なケアが受けられますので問題とはなりません。
一方で、準備不足で明らかにキャパオーバーなのに、利益優先の経営上の理由や受け入れ先がないという理由で、半ば強制的に受入れてしまっている場合には、適切なケアは受けられません。
このミスマッチは、憂慮すべき状況です。
このミスマッチは、どんどん悪化していく
団塊の世代が75歳になる「2025年問題」、
高齢化のスピード、病院や老健、特養の事情等で、サ高住は、より重度な方や認知症の方の受け皿にならざるを得ない状況になっていくはずです(守備範囲拡大)。
そこに、人材不足による支援体制の不十分さが重なり、ミスマッチは年々悪化していくだろうと思われます。
”超”高齢化社会
1)ボリューム
65歳以上の人口(高齢者数)は、
2015年に3395万人となり、その後も増加。
「2042年に3,878万人でピーク」です。
その後は減少していきますが、少子化の影響で、全人口に占める高齢者の割合(高齢化率)は上昇を続けます。
2060年の高齢化率は「39.9%」になり、「2.5人に1人が65歳以上の高齢者」となる。
75歳以上の後期高齢者は「26.9%」になり、「4人に1人が75歳以上の高齢者」となる。
これが、この先の日本社会の姿で、間違いなく訪れるシナリオなんです。
2)スピード
日本は、諸外国と比べ高齢化のスピードが速いのが特徴なんです。
このためか、制度や対応策の準備期間が短く、社会変化に諸制度がうまく対応できてこなかった背景があります。
順応できなかった「ツケ」は、このあとジワジワやってきます。
超高齢化社会とサ高住
サ高住は、そんな社会の転換が迫られていた時期に登場したこともあり、その結果、当初の趣旨は形骸化し何でも屋になりつつあります。
具体的には、
⚫施設のような「供用の浴室や食堂」を設置しているサ高住が大幅に増加!
⚫入居者のうち自立者(介護不要者)の割合が大幅に減少!
⚫認知症の方の入居か増加!
⚫常勤の看護師がいないため、適切な医療
ケアが受けられない!
⚫夜間スタッフが少いため、夜間の急変時に対応が遅れてしまうケース増えてきた!
⚫施設のような常時介護はしてくれないので、サービス提供の時間以外は、ほぼ寝たきり状態(放置)になってしまっている!
などなど。
このように、住宅というより「施設化」してしまっているサ高住が増えてきている実態があるようです。
「施設化」+「ミスマッチ」は、あなたの
幸せな老後を狂わせます!!
サ高住が抱える課題を知り、施設選びの参考になれば幸いです。
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