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組織風土改革日報№.19_自律意識のギャップに御用心

①前回のあらすじ

2021年4月から自律分散型組織の企画運営リーダーとしてアサインされた私(キタ)。
活動からはや1年経過し、これまでの活動を踏まえつつ、2022年度前期はやるべき事と、やりたい事を綯い交ぜにして計画した。

まずは、今年の部全体的な活性化を加速させるため、個人的なやりたい事は押さえつつ、組織改革という観点での活動を、さらに発展させていきたい所だ。

〜登場人物〜
浜田さん:キタの上司
山下さん:キタの同僚

②組織管理者達の挑戦

2022年4月。
期首は見渡す限り慌ただしい。
皆さん、自分や組織の6カ月前と6カ月後に思案し、反省と計画にドタバタしている。

マネジャー達は管下メンバーの分も含めており、なおさらギッタンバッタンだ。。。

そんなあくせくとした空気感を傍らに、
一方の私は、あくまで自分だけの前期振り返りと、今期計画のみを、ヌルッと遣り終え、心の余白を楽しんでいた。
その余白を使って、少し記憶を遡ってみよう。


2021年度。
私は自律分散型組織事務局として、この理想論的目論見を、組織管理者に語り、また管理者同志の対話会運営によって、浸透を目指していた。

そんな最中、突然ある管理者が始めた自律分散型組織への改革ストーリーを、1枚の絵に概念化する作業。

参考:組織風土改革日報№.11_描き出した組織管理者達

この1枚の絵は、2021年9月末頃に始まり、他の話題も挟みつつだが、2022年の2月頃に、各課管理者達との対話によって、”まとめ図”として完成を迎えた。

この作業が、大きく意味を持った。
まとめ図を創る過程で、彼らの内省が進み、新たな組織風土へのアジャストに寄与したのである。

その甲斐も多少あり、当部の全課が、今期方針への施策落とし込み完了に、成功したのだった。

(もう一つ、今期方針への施策落とし込みを促進したのは、2021年11月に開催された組織サーベイ(センサス)の結果分析が完了していた事も、含んでいた。)

「実にうまい具合に流れが出来たもんだなぁ。」
誰が言った。
そうかもしれませんなぁ。

方針への落とし込み。ここまでは組織管理者達の挑戦。
ここから先は、方針を受け取る側の挑戦にシフトしていくのだろう。


③挑戦を支えられた喜びもあったり

暫くして、各組織管理者達の方針というアイデアは、同時期一斉に、その管下メンバーへお披露目された。

私は、クリスマスプレゼントを狂喜乱舞で受け取り、指が切れる事を厭わず、包装紙を強引に毟りながら、中身に妄想を膨らませる子供の様に、ワクワクしながら、各課の方針に目を通し始めた。

内容は課によって様々。もちろん。
自律分散型組織関連の方針について、具体的なアイデアとセットで明示された課もあれば、概念化に留めた課、そして、あまり反映してない課。

反映度のバラつきこそあるが、組織管理者の想いが詰まった、そのパワーポイントを、モニタ一杯に広げながら、

「おお~」、「やるな~」、「あれー?」、「まじかー。」と独り言。

没頭すると、感情が無意識に口から出ちゃう個人特性に、自分でハッとし、少しだけ恥かしい😖

そういえば感情どころか、「おいおい、しびれちゃうぜぇ~~⁉︎」という、ちょいとした文章も、出てた気がしてきた。

フと隣の席の女性と目が合う。何か言いたげに私を捉えている。

しょうがないので、「フフッ 🥴」とお茶目に笑って胡麻化しておいた。
こんな隣人ですまない。一応心の中で謝っておこう。

再度モニターに戻り、出来るだけ黙って、全部門の方針に全て目を通した。

うおぉ~。
何だか感無量。。。
私が微力ながら、その挑戦に関われている事に、少しだけ感動した。

と、同時に、この各課で起きている方針や施策反映度のバラつき。
これ放っておいてはいけないのでは?という仮説に、このタイミングで気付いてしまうのである。


④組織間協働の阻害要因にならないの?

気付きの発端は、浜田さんだった。

『ちょっといい?』
という言葉をトリガーに、私と山下さんの3人で、Web会議を始めた。

浜田さんは、自律分散型組織事務局の係長であるが、担当部長含め2つの課の長も兼務していた。
平たく言うと、中々に偉い人なのである。

彼のポリシーなのか、元々従業員の自律を享受しており、ご自身が担当する課で、メンバーの自律活動を促す教育や、ワークショップ参加を、独自に推進していた。つまり自律分散型組織化について、どこよりも先だって実践していたのである。

悩ましそうな浜田さんは、組織サーベイ結果の一部を画面に披露する。

ん〜〜???
不思議な現象が起こっていた。

課員の自律を高める活動を、自他共に認めて推進してきた組織にも関わらず、組織サーベイの結果が、ネガティブ側に大きく振れたのである。

『ちょっと意外。』と浜田さん。

「ホンマっすね。。。」
と言いながら、私は2つの仮説をたてた。

一つは、自律意識が高まり、組織の粗に気付いた事で、ネガティブに移行した。

もう一つは、他部門との自律意識の違いが、コミュニケーションの齟齬が際立たせちゃった。この経験がネガティブへ誘った。

この仮説を浜田さんへ伝えたところ、サーベイ結果を元に開催したタウンミーティング結果から、両方正解っぽかった。

うーん。なるほどね。。。
だとすると。
前者は自分達で改善を進めて行けば良いので、自分達でやりやすい職場を創っていくという、自律分散型組織の概念が、ミートできるので、そこまで問題は感じない。

問題は後者。

実際に現場メンバーから、こんな声が挙がっていたらしい。

他部門協働の場面で、
・価値基準が一致しない事で、議論が長引く。
・コミュニケーションが嚙み合わない為、確認作業が増加する。
・課員で合意した事が、管理職の合意場面でひっくり返る。

時間は掛かるし、議論すればするほど創造性は失われる。苦心して合意した事が一瞬で水の泡。

そうなると、課員は協働に壁がある事を悟り、『もういいから、上の方で決めてくれよ。』と口にする様になる。

あれ?そう言えば、各課方針も結構自律の捉え方にバラつきあったぞ?

!!

思わずゾッとした。

自組織風土の改革および醸成は、他部門との意識ギャップを深める機会にもなっており、それが従業員の業務への不満実感に繋がる可能性も孕んでいる事にもなってんじゃないの?

ううー。
ちょっと短絡的過ぎた。。これ全然放っておいてOK!じゃないじゃん。

2秒ほど悩んで、切り替えた。
いや、むしろこの事実に今気付けた事をヨシとしようか。

打ち合わせの残り時間を今後の組織間対話のサポートなどにアイデアを膨らませつつ、一旦は解散した。

改めて今回の気付きを整理すると、サーベイって、職場メンバーとの対話とセットである事に、最大の価値をもつんだなぁ。。。と。


日報20へ続く。

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