「人材流出を防ぐために知っておきたい視点とは?」
社会保険労務士の山地です。
人手が足りないのに職員が辞めてしまう。それでなくても採用には苦労しているのに、追い打ちをかけるように辞められてしまうのは、本当にツライですよね。
職員の補充も決して容易ではなく、採用できたとしても戦力になるまでには多少なりとも時間がかかります。現場の負担も増え、管理職をはじめ職員さんも気持ちに余裕がなくなり疲弊していく一方です。
退職の理由がわかれば対策できますが、退職の理由を聞いてもはっきりわからないことが多いのではないでしょうか。ただ、「人間関係に問題があるように感じられる」そんな時、いったい何が起きているのでしょうか?
♦退職時に本当の理由は伝えない
パーソルキャリア(株)が運営するd’s JOURNALの2019年調査によると、「退職した本当の理由を会社に伝えましたか?」という質問に対し、上司に「伝えた」が47.0%、「伝えなかった」が53.0%という結果でした。
♦人が辞めていく理由
退職する理由は「給与が低い」「労働環境に不満」「人間関係への不満」などいろいろあります。
フリーター・既卒者向け就職支援サービス「ハタラクティブ」(運営:レバレジーズ)が2019年5月10日に発表したパワハラ、セクハラに関する意識調査の結果によると、パワハラやセクハラで仕事を辞めた経験がある人の割合は41.8%でした。2018年の29.2%と比べて12.6ポイントも増加しています。また、自分の身の回りにセクハラやパワハラが理由で退職した人が「いる」と答えた割合は58.3%で、2018年の37.2%と比べて21.2ポイントも増加しています。
♦パワハラはわかりにくいことが特徴
セクハラだとやってはいけないことがだいたい想像できると思います。必要もないのに女性の身体に触るとか、執拗に食事やデートに誘うとか。一方でパワハラはどんな行為がパワハラなのかを聞かれて正確に答えられる人はまだ少ないです。
問題は、なんの自覚も無しにパワハラをしてしまっているケースでしょう。
例えば・・
・部下を「おまえ」と呼ぶ
・軽い気持ちで紙を丸めたもので頭を叩く
・みんなの前で部下を指導する
・部下を指導するときに、机を叩く
・「~するべき」「~するべきでない」という思考で感情的に部下を叱責する
・こうするのが当たり前、なぜできないのか?と部下に聞く
・部下の私生活について注意する
・休日に(対応が必要な)仕事のメールやチャット、電話を部下にする
・職場全体の飲み会や食事会に誘わない
さて、どのようにお感じになったでしょうか。
次回は、無自覚のパワハラを防ぐための方法についてお伝えします。
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