「面接会で他社に差をつける効果的な方法」
社会保険労務士の山地です。
昨年6月のある日曜日のこと、これまで会場開催で行っていた就職フェアを初めてオンラインで開催したときのことです。
今ほどオンライン面談はまだ普及していなかったので、主催者側もZoomを使っての面談方法には慣れておらず、手探り状態でした。
出展する法人さんのほうもまだ自社でオンライン環境を整えているところが多くなかったので、法人さんには環境設定した会場までお越しいただき、求職者は自宅等から参加するというスタイルになりました。
私はタイムスケジュールに沿って、法人さんが来場されるたびにZoomの操作方法についてご存知かどうかを確認し、進行方法を簡単にご説明した後は面談の開始から終了まで一部始終をそばで見ていました。
どの法人さんも人事担当者や施設長らしき方など1〜2名が来場し、法人概要や施設の紹介、求人内容などについて説明しています。
そんななか、ある法人さんは人事担当者が現場で働いていると思われる職員を同伴して来場されました。なぜ同伴者が現場で働いている職員ではないか? と思ったかと言うと、制服を着ていたからです。
他社とはなにか違う展開になりそうだと、思いました。
人事担当者が他社同様に、法人概要、施設紹介、待遇や福利厚生を含め求人内容を手短に説明し終えると、その職員(同伴者)にその場でインタビューするようなカタチで話が始まりました。
20代前半と思われるその職員は男性で、
・現在、特養で介護職として働いていること
・入職して3年ほど経つこと
・祖母が要介護状態になりしばらくは自宅で家族が介護していたが、特養に入ったこと
・面会に行くたびに祖母が職員さんからとてもよくしてもらっていたこと
・この仕事を選んだのは祖母を大事にしてくれた施設の人たちに恩返ししたいと思ったこと
・夜勤など慣れないうちは大変だったが最近ようやく慣れてきたこと
・どんなに大変なことがあっても、利用者さんから「ありがとう」と言われることにやりがいを感じていること
などを中心に語られました。
この間、画面越しの求職者は皆食い入るように彼の話に耳を傾けていました。
私たち人間はやはり「人」に興味があるものです。興味を持てば、その人の話を聴いてみようと思います。そして語られるストーリーに引き込まれていきます。
人事担当者がどんなにその会社の魅力をアピールしても、現にそこで働いている人のナマの声には勝てません。お客様の声ならぬ、職員の声が大事なのです。
ホームページに職員の声が掲載されていることがありますが、それが本当なのか事実なのかは見ただけではわかりません。
また、今回のように本人が語っていても、いいことばかりで話し方に不自然な点があれば、きっと「言わされている」に違いないと思ってしまいます。
その日私が対応した法人は全部で5社だったと思いますが、ダントツでこの法人の面談が一番印象に残りました。
あなたは仕事の内容や自社の魅力を、どうやって伝えますか?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?