【とある社労士法人】固定残業代を採用している場合の欠勤控除はどう行うのか?

固定残業代についてはメリットもデメリットもあります。採用するにはデメリットを知ったうえでもなおメリットの方が大きいと考える場合に採用しましょう。個人的にはデメリットが大きすぎるので、固定残業代はできることなら避けた方が良いというスタンスです。とはいえ、採用せざるを得ない事情もあるかと思いますので、ここではデメリットの中でも個人的に最も大きいと考えていることについてお話します。

固定残業代を採用したときのデメリット

ずばり、遅刻早退欠勤などがあった場合の計算がとても面倒、です。(そもそも、固定残業代を欠勤控除できるか否かですが、就業規則にその旨の記載があればできますのでご安心ください。)

皆さんが全く遅刻早退欠勤をしないなら問題ないですが、電車遅延、外せない私用、病気やケガ、などにより少なくともいつか発生してしまいますよね。

個人的には、この計算を行うくらいなら固定残業代の制度導入は待った方がよいのではないかと思っています。とはいえ、依頼は多いので実のところやっています。では、そのような時にはどのような計算をすることになるのかご紹介いたします。

以下にシンプルな前提条件での計算結果を載せます。是非ご自身でも前提を確認の上、固定残業代超過分の計算をしてみてください、そして結果が一致するか確認してみてください。

前提と計算結果

【前提条件】
・基本給300,000円(月25時間の固定残業代含む)
※この表現は望ましくありませんが未だに見る表現なのであえてこうします。
・欠勤3日
・残業24時間

【計算結果】
・基本給:300,000円
・欠勤控除:45,000円
・固定残業代超過分:5,392円
・総支給額:260,392円

【関連する労働契約内容及び賃金規定】
・1日8時間勤務
・月平均所定労働日数20日
・欠勤した場合は、月平均所定労働日数分の欠勤日数分を控除する
・残業の割増率は2割5分
・固定残業代で不足する部分は追加支給する
・円未満の端数は労働者不利にならないように切り上げ、又は、切り捨てを行う

補足

いかがでしたでしょうか?

この計算を遅刻早退欠勤控除等の発生した従業員分ごとに行わなければならないのです。もちろん、人数が少ないから可能、エクセル等で関数を組んでいるので手間ではない、後任の人にも間違いなく伝えられる、という状況であれば問題はありません。

具体的な計算方法は下記でご紹介させていただきます。また、同様の状況のもとで、要勤務日数21日のある月に出勤1日しかなかった場合の計算方法もご紹介させていただきます。有料記事となりますが、よろしければ是非ご覧ください。

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