あなたがプログラムを買う前に足りないこと
こんにちは、タクです。
このnoteはプログラムを有料にしろ無料にしろ導入したことがある方、もしくはこれから導入しようと思っている方に読んでもらいたい記事です。
今まで導入して失敗したことがある場合何が足りなかったのか?
そして、どうすればそれを防げるのかというお話をしていこうと思います。
プログラム失敗の原因とは
まず失敗の原因として考えられるものをざっとあげてみます。
・運動生理学的な知識不足
・解剖学的な知識不足
・技術的な未熟さ
・ケア不足
・栄養管理ミス
・強度やボリュームの設定ミス
・疲労管理ミス
・ホメオスタシス
つらつらと並べましたがここら辺でしょうか?
重複したり、他の要因もあるかもしれませんが私の中で考えられる原因を書き連ねてみました。
特に重要視しているのは運動生理学的な知識です。
例えば3原理5原則、筋断面積≒筋力、疲労管理、ホメオスタシスなどの部分です。
これ無くしてはあなたのプログラムという物語は進みません、いわば主人公です。
ちまみに、長期的な視点と短期的な視点で重視することは変わってきますのでこちらは後述しますが、今から記述することは長期的視点にたってのお話です。
3原理5原則と筋断面積
まず、3原理5原則と筋断面積のお話から始めます。
およそトレーニングは解剖学だなんだ以前にこれに始まり、これに終わると言っても過言ではありません。
トレーニングの3原則
①過負荷の原理
②可逆性の原理
③特異性の原理
トレーニングの5原則
①全面性の原則
②漸進性(ぜんしんせい)の原則
③反復性の原則
④個別性の原則
⑤意識性の原則
この辺りがありますが、ここで意識してほしいのは漸進性の原則です、どんなトレーニングをしてもだんだんと負荷を増やさなければ重量は変わりません。
たまに見かけるのですが、フォーム練習にばかり意識がいくあまり、重量がいつまでも変わらないというのを見かけます。
フォームはあくまで100ある力を効率よく使うためのものであって100を超えるものではありません。
ですので、ある程度形が出来上がっていればどんどん重量を増やしていくべきです。
が、ここでただ重量を乗せていってもまた壁に当たります。
筋肉量の壁
それは筋肉量と言う壁です(除脂肪体重とも、今後混在して書きますが同義として読み進めてください。)、そしてこれこそが長期的な視点でみたときに一番重要になります。
パワーの競技種目ばかりやっていても停滞はどこかできますし、ウェイトリフティングでもスナッチやクリーン&ジャークだけやっていても停滞します。
ですので、いわゆる筋トレが重要になってきます。
そこで重要なのが繰り返しになりますが、3原理5原則と解剖学です。
パワーリフティングのプログラムの場合アクセサリー種目と呼ばれたり補助種目と呼ばれますが、この種目の選定や実施の時にいかに最適に行えるかが重要になります。
そして、多くの場合のプログラムに含まれるようなhyperthrophy phaseなどと呼ばれる筋肥大期間と言うのは個人的な意見としては短すぎるし、管理が徹底していて長期的なスパンで組み立てていない場合その後にあまりいい影響を及ばさないと考えます。(悪影響はないが、停滞に繋がる)
いわゆる古典的なピリオダイゼーションになりますが、ある程度バリバリに筋肥大をさせる期間も入れるべきだと考えます。
弱点部位がある場合、片手間にやって改善するのは難しいので試合がない期間はマシンなどの種目数を増やしていくべきなのです。
トップ選手にガリガリで強い人がいないように階級の中でどれだけ除脂肪体重を増やせるかが鍵になります。
その中で、たいていの選手は技術もさることながら除脂肪体重でも大きく引き離されているのですが、あまりそこには着目せずに技術的なところや瑣末な問題に終始する選手が非常に多いように感じます。
ここで、ボディビルダーは筋肉量はすごいがパワーリフターの方が重いものをあげるだろ!などと幼稚な小学生の屁理屈のようなことを言う方はもうご勝手に…物理的なことと内的要因が理解できていないだけです。
かなり強い口調で筋肥大について書いてきたので少しまとめたいので、実際に筋肥大期間を行うときの方法を話して一度このチャプターを終わりにしたいと思います。
オススメの筋肥大期間の行い方としては、ガチガチに筋肥大を行っていく期間と筋力発揮する期間を数週間ごとに繰り返すことです。
これはかなり簡単な理屈で筋肥大させるには中程度の強度とボリュームが必要ですが、さらに過負荷(これも原理の一つ)をかけるには筋力(おこで言うのは神経系)の強化も必要になりますのでこの二つを分けることが特異性の原理として働きより効果的に相互作用を活発化できると言うことです。
マシン、ダンベルもどんどん使おう
フリーウェイトばかりやっているとマシンはあまりよくないというように凝り固まる場合があります(経験談)
ですが、マシンは的確な軌道で特にウェイトやパワーで酷使する体幹部への負担を少なくしながら対象筋へ負荷をかけてトレーニングができるので環境的に許すならば是非使うべきです。
特に、上背部のトレーニングでは必須といっても過言ではありません。
ベントオーバーロウイングなどもありますが、体幹部の固定に体力をさきますし何より上背部に負荷を与えづらいのです。
確かにベンチ台を使ったシールロウなどの種目がありますがセットアップが大変ですしいちいちダンベルを変えるのも大変なのでstriveのchest sport rowやハンマーストレングスのアイソラテラルロウなどは軌道も安定していますしかなりオススメです。
他にもマシンが必要になる部位をお話するとやはり脚です。
確かに高重量でスクワットなどをしているのですが、さらに脚をやろうとするとやはり腰への負担が増えるのでレッグプレスやハックスクワット、あと…あればスクワットマシンなどは積極的に取り入れていくと腰への負担を減らしつつ脚の筋肥大が望めると思います。
あとは、ダンベル種目も有用です。
特に肩や腕はバーベルだけではうまく刺激を与えられなかったりするのでダンベルを使用して対象筋に刺激を与えていきましょう。
なぜボディビルダーよりパワーリフターの方がBIG3は強いのか?
少し話が戻りますが…
単純な筋肉量=除脂肪体重はビルダーの方が多いのになぜパワーリフターの方が上がってしまうのか?
これは簡単に神経系の問題と物理的な要因によるものです。
確かに筋断面積=筋力と書きましたが、これだけで説明できないことも多くしかもたくさんの関節が動くような動作ではさらに複雑になります。
まあ、これを単純に技術として片付けても面白くはないのでいくつかの視点から見ていきます。
簡単に言えば物理的なことと内的、つまり神経系のお話です。
では、物理について考えていきましょう。
物理的なこととは、もちろん技術もありますが骨格的なものもあります。
ここで重要なのはトルクを発生させるには移動距離を短くすることであり、骨格的に腕が長ければ必然的に上体はたち股関節肘関節の角度は短い人より浅くなります。
では同じ腕の長さの人がいた場合を比べるとここでは体の使い方で可動域が変わってきます。
例えば胸椎を伸展させて肩甲骨も挙上してしまっている状態でファーストプルに入ってしまえばもちろん、下制させて胸椎をフラットな状態に保っている人より腕は上にきてしまうため可動域が長くなってしまいます。
つまり、同じ骨格で言えばフォームの違いが挙上重量の差として現れるのは明らかですのでボディビルダーがこのあたりの技術を習得していなければパワーリフターより重量が上がらないのは当たり前のことなのです。
また、同じフォームでも重い重量での習熟度の違いと練習の方向性が最大重量を扱うパワーリフターと中強度での比較的長い時間の出力を要求されるボディビルダーでは神経系でもまた変わってきます。
では、同じだけの習熟度を持っているパワーリフター同士(骨格も似ている)ならどちらに軍配が上がるかと言うとここで初めて筋断面積=筋力と言う図が成立し、筋肉量が多い方がより重い重量を挙げることができます。
これがボディビルダーがパワーリフターより上がらない理由なのですが納得してもらえましたかね?
ここで、悪しき日本の体育会的な考えでほら、筋肉量あっても上がんねえじゃねえか!とはもうここまで読み進めた方ならならないと思います。
なので、繰り返しになりますが筋肥大は不要なのではなくこれだけ複雑な要因が絡んでいるためにボディビルダーの方が高重量が上がらなくなり、パワーリフターは同じ技術量ならば筋肉量が多い方が強くなると言うことを理解していただけたかと思います。
プログラムが失敗する原因
ここまで筋肉量の話ばかりになってしまって、お前話全然違うnoteじゃねえか金返せよ、と思う方はご安心くださいw
先ほどまでお話したのは長期的な視点に立った時に技術練習だけだとつまづきますよ、と言うことだったのでここからお話するのはある程度短中期的なお話です。
ここで必要になる視点とは端的に言えば技術的なエラーと疲労管理、重量設定の視点です。
残念ながらこのnoteでは技術的な点は書ききれないのでまたの機会に…
疲労管理
疲労管理のお話をしていきます。
ある程度プログラムを買ったり既存のものをネットから拾ってきている場合、疲労度も計算されているはずではあるのですがこれはあくまで目安でありかなり誤差があり個人個人を長い期間コーチングしたコーチが作っているものではないので難しい部分が多々あります。
では、どのようにして疲労管理をしていくのか?
これは残念ながら経験とともに積み上げていくしかない部分がかなり大きいです。
あまりにやりすぎてもやらなすぎても怪我をしたり重量が伸び悩んだりしてしまう場合があります。
ですが、ここでこの量をやっておけば絶対と言うものもないのである程度これは個人個人データを集めながらだんだんとやっていくしかないと思います。
簡単に言うと、トンで管理すると言う方法もありますがこの方法はある程度全体のボリュームを管理するのには向いていますが種目のバリエーションもかなりあるのでこれだけに頼ってしまうと足元をすくわれることになります。
例えばの話をすると私の場合は、だいたい3週間やったら1週間ディロード(強度やボリュームを落とす週)を入れていきます。
ここまでにある程度きつくてもやりきれるくらいの量の設定が必要になります。
学生さんなどで比較的時間があるのか、それとも社会人でなおかつデスクワークなのか肉体労働なのかなどにもよって量=ボリュームの設定は大いに変わると言うのが現実だと思いますが、ある程度時間の制約なくボリュームを増やせるのであれば一つのブロック例えば3〜4週間やって次のブロックは多少増やしてみるのもありかと思います。
ここでやりすぎの話をすると、ボリュームを増やしすぎて今度は強度が疎かになるという例です。
例えば、ベンチのマックスが140kgの人が90kg×12repsと120kg×5repsのトレーニングならボリュームが高いのは前者になりますが、強度的マックスに効果的なのは後者になります。
ですので、ボリュームを考える場合、ただ軽いので漫然とやらないようある程度の強度を保ったまま組んでいくように気をつける必要があります。
少し話がそれましたが、ここでの疲労管理が肝になるのです。
この疲労の管理に関してはあまり真面目にプログラムをやりすぎないということです。
プログラムにあるからといって、ケアもたくさんしてプログラムに忠実にやる方も多いですが、あまりにも無理が祟ると怪我をしてしまうので疲れがあった場合自分の塩梅でうまく抜くということができるのが強い人たち、いいコーチです。
ある意味みんな最初はこの失敗を繰り返しながら自分のペースを掴んでいくとも言えますが、ここは優秀なコーチをつけることにより比較的初期から回避できるポイントであるとも言えます。
特に日本人は部活動で無理させられて怪我をさせられて人に教わるのを嫌がるかたもいますが、これは比較的怪我やボリュームへ対する耐性の強い生徒を指導している監督やコーチが引き起こす問題ですので個人個人のボリュームを見極められるコーチであれば問題ありません。
もうかなり強引にまとめてしまうと、疲れてるなら休む、でもできるだけ自分のキャパシティの8〜9割までトレーニングは行うということですw
重量設定でのつまづき
お次は重量設定でのつまづきです。
おそらくここが一番多いのかもしれません。
重量選択で軽すぎてもだめだし、重すぎてもだめなんですよね。
ウェイトリフティングなどでよく見かけるのですが重量が軽すぎるというパターンを見ますがパワーリフティングですと逆な気がします、面白いことをいうとウェイトリフターもスクワットなどでは少し欲張って失敗したりするケースを見かけます。
軽すぎる設定の場合単純にきついことをやりたくないもしくは、気持ちのいいフォームで止まりたいということが挙げられますがこちらはあまり重要ではないので書かないでおきます。
おそらくこのnoteを読んでいる方に多いのは重すぎる設定をしてしまうケースかと思われます。
これはRPE法ではおきないとお思いの方もいるかと思いますが今度は高いRPEにも関わらず、低いRPEでトレーニングを進めてしまう場合もあるのです。
サイクル中盤にも関わらず失敗が連発するような重量設定やRPEは明らかに設定を失敗しているのである程度自戒して%なりRPEを見直す必要があります。
そしてここで溜まった神経系の疲労はかなりあとまで引きずることになるので、下手をするとこの時点でプログラム終了のお知らせの場合もあります。
自分に正直になり、たぬきの皮算用をしないようその日その日、1セットずつを確実にこなすようにしていきましょう。
例えば、5×5などのプログラムはあまり有用ではないという声も多いのがおそらくはまず重量設定でつまづいているためかと思われます。(もちろん他にも理由はあるのですがそちらは後述します。)
通常のマックスをジェネレーターに入力してしまうと明らかに強度設定が高くなりすぎるのでほとんどの方はこなせなくなります。
ですので、4セットこなしてからこなせるような重量を設定するべきでありそこから逆算してマックスの入力をするべきなのです。
このように自分がこなせるかをしっかり逆算しながら強度設定をするべきなのに怠っているという例は事欠きませんw
これに関してはエビデンスだなんだというより確実にこなせるものを確実にこなしていくというある意味人間性のような堅実さが重要だと考えます。
栄養管理
プログラムは完璧なのになぜか伸びない、原因の一つとして考えられるのが栄養不足です。
マクロだなんだというより単純にカロリー不足、プログラムでピーキングのように体重調整があるものをのぞいて基本的には除脂肪体重の増加を狙いつつプログラムを組んだ方が重量の伸びは期待できるためカロリーはプラスになるようにしてここでも筋肥大のチャンスを逃さないようにしましょう。
他にいうと、マクロの部分で言えばPFCバランスも意識してタンパク質も重要ですが炭水化物もきちんと取るようにしましょう。
特に運動中の炭水化物は重要です。
三食の食事、そしてトレーニング中の糖質と水分摂取。
やることは非常にシンプルなのです。
赤身肉を食べて、精白されていない穀物、そして質のいい油、これだけです。
高いサプリをとるくらいならパーソナルやオンラインコーチングを受けましょう。
パーソナルは少々値が張りますが、オンラインコーチングなら多くの場合1万円前後なのでたくさんサプリメントを買うより安いですよw
とは言いつつ、私がどうしてもサプリメントでカバーが必要だと思うのはマルチビタミンとクレアチンくらいです。
普通に食事を取っていてもビタミンやミネラルは絶対的に足りなくなるので、サプリメントから摂取しましょう。
あと、多分食事から摂れないこともないですがおそらく…破産しますw
正直クレアチンは体の中で作り出せないので書きましたが私個人的にはモノハイドレートは体調が少々悪くなる(おそらく水分摂取が足りなかった)のでクレアルカリンというph調整されてローディング不要なものを試合やここ一番で摂ればいいのではという割とゆるい感じですw
ホメオスタシス
筋肥大と並んで重要になってくるのがホメオスタシス、これは恒常性と言って体がトレーニングに慣れてしまうことです。
神経系のために重量をもつトレーニング、筋肥大のためのトレーニング、両方で起きます。
ここでプログラムを行うときに年がら年中同じような内容を行ってしまうと伸びなくなります。
このnoteを読んでいるあなたの周りにもいませんか?
毎回同じような重量、セット、レップで組まれている人、別に爽快感を求めるためだけにトレーニングしているのなら別として重量を伸ばしたい、筋肥大したいのならやることは別です。
ですので、ここで大事になってくるのが種目の選定と短期的なサイクルでの期わけです。
例えば、5×5のようなメニューも素晴らしいので私も大いに恩恵を受けたのですが、強いて言えばこのプログラムは期間が長い上にレップ数もセットも種目も変化がないためあまり続けて行うとホメオスタシスを起こしやすくなるという欠点が存在します。
ではどのようにすれば良いのか?
数週間ごとに期分けを行い、レップ数やセット数、トータルのボリュームに変化をつけていく方法です。
いわゆるS&C的なやり方でもあるのですが。
二週間筋肥大期をもうけ、その後に三週間筋力期、そして最終週でマックステストを行い次の次の週はディロード…という具合に行います。
このように行うことにより体への刺激のマンネリ化を避け、また、さらに期間の目的を明確化することによってパフォーマンスアップを狙うという方法です。
おそらく現在あるプログラムはほぼ全てこのような方法で行われているかと思いますので正攻法のトレーニングを行うのが賢明です。
稀に、ブルガリアのウェイトリフティングメニューのような極端なものも存在しますがかなり極端なやり方なのであまり真に受けないようにしたいものです。
とにもかくにも変化をつけつつ、筋肥大を促し、筋力を底上げしてピークに持っていくというのがプログラムを行う上で重要になってくるのです。
最後に
長々とここまで書いてきました。
筋肥大、重量設定、栄養、ホメオスタシスetc…と。
今回データのようなものは入れずにきましたが、結局のところ経験をながく積まないうちにはデータというのはあまり使えこなせず経験していくうちにデータやエビデンスと照らし合わせて自分のものにしていくというのが必要になってきます。
ある意味、ここで重要なのが自分の中の加減というのが重要になるのでぜひ自分の中の疲労などに声を傾けつつ上で書いたようなことを意識して行ってみてください。
ともかく重要なのは筋肥大させてその筋肉を使いこなせるように高重量でのトレーニングも入れ、体を慣れさせないことなのです。
1万字近く書きましたが、要点をまとめるとこれにつきます。
長々とお付き合いありがとうございました、今後もnoteの執筆に励んで参りたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
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