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13.えっ!? 献血でドーピング違反?

あなたはこれまでに献血をしたことがありますか?


説明するまでもないとは思いますが、献血とは、病気の治療や手術などで輸血を必要としている患者さんの病気やいのちを救うために、健康な人が自らの血液を無償で提供するボランティアです。

16歳以上の健康な人が献血に協力することができます。
アスリートの中には、献血カードを持っていたり、献血の回数に応じてもらえる記念品や感謝状をもらっている人も多いかもしれませんね。

とういことで今回も始まりました、「SPヤマト」の中高生にもわかりやすい「アンチ・ドーピング」。

一見、献血という崇高なボランティアと「アンチ・ドーピング」とは関わり合いがないように見えます。

献血の際に血管に針を刺すといっても、注射のように体内に薬品を注入するわけでなく、反対に血液を抜き取るのですから、体内から違反薬物が見つかるはずがありません。

では、なぜ本欄で献血を取り上げているのでしょうか?

結論から先に言いましょう。
成分献血はドーピング違反になります。

それではせっかくの善意が、「ドーピング違反」という取り返しがつかないことにならぬようにしっかりと勉強していきましょう。

献血には、①全血献血と、②成分献血という二つの方法があります。

①全血献血にも400mL献血と200mL献血という二つの種類があり、どちらも血液中のすべての成分を献血する方法です。
この全血献血は「アンチ・ドーピング」のルール違反にはなりません。

一方、②成分献血にはイ)血小板成分献血と、ロ)血漿成分献血があり、成分採血装置を使用して、血液中の血小板や血漿といった特定の成分だけを採血し、体内で回復に時間のかかる赤血球は再び体内に戻す方法です。

この成分採血は18歳以上から可能で、身体への負担も軽く、多くの血漿や血小板を提供できる特長がありますが、なんと残念なことに「ドーピング違反」となってしまいます

これは禁止表国際基準(The Prohibited List)のM1.血液および血液成分の操作に該当し、以下の事項が禁止されています。

1.自己血、他者血(同種血)、異種血又はすべての赤血球製剤をいかなる量でも循環系へ投与するあるいは再び戻すこと。
3.血液あるいは血液成分を物理的あるいは化学的手段を用いて血管内操作すること。

このように、成分献血をすると「ドーピング違反」となり制裁を受けることになりますので、アスリートが献血する際は、必ずすべての成分を献血する「全血献血」でお願いします。

なお、献血した当日は激しいトレーニングは避けてください。

日本国内では、少子高齢化等の影響により、主に輸血を必要とする高齢者層が増加し、若い世代が減少しています。
10~30代の献血協力者数はこの10年間で34%(2011年_約264万人→2020年_約174万人の約90万人)も減少しており、少子高齢化が今後ますます進んでいくと、血液の安定供給に支障をきたす恐れがあります。今後も患者さんに血液を安定的に届けるためには、今まで以上に若い世代の献血へのご理解とご協力が必要となります。

(日本赤十字社ホームページより)

上記のように、いま日本国内では、若い健全な肉体に宿る血液が必要とされています。
医療従事者のひとりとして「SPヤマト」からも、アスリートのみなさんへ「全血献血」にご協力いただきますようお願い申し上げます。

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