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放送技術のセカイ~配信番組を届ける現場に潜入~

 
スカパー!の「放送・配信を支える技術」にフォーカスしてお届けしている「放送技術のセカイ」。
 
前回は、放送を届ける現場に潜入した記事をお届けしました。

 実はテレビだけでなく、「番組配信」や「SPOOX」といった、配信サービスとしてもコンテンツを届けていて、その配信を届けるための技術を担当している社員もいます。
 
みなさんが最近利用されている色々な配信サービスがどのように手元のスマホでみられるようになっているのか、気になりませんか?
今回は「スカパー!の配信サービスの技術」について、お話を伺ってきました!



お話を聞いた人

Mさん(写真左) 入社23年目、営業・運用がメインの文系人間。過去に技術営業を9年間、OTT業務には8年間携わっている。
 
Nさん(写真右) 入社13年目。新卒からメディア技術関連の部署に配属し、6年目から配信技術に関わるように。
 
 

まずは、どうやって配信コンテンツを届けているかざっくり伺いました 



 
Mさん:まずは放送チャンネルで流れている番組を“エンコード”―つまり、ネットに上げるための映像の変換をして、変換ができたものをクラウドに送ってます。

Mさん:クラウドの中には、映像配信をつかさどるシステムと、コンテンツの情報をつかさどるシステムがあって、さっきエンコードしたコンテンツは映像配信をつかさどるシステムの中に入っていきます。
ここでは、実際にスマートフォンやPC、テレビに入れるために色々な種類の画質のものを用意したりしています。

Mさん:それとは別にコンテンツ情報をつかさどるシステムに、各チャンネルが記入したシートから「その番組がいつ放送なのか」とか「タイトルは何か」とかの情報が入ってきます。

それを実際にお客さんがみようとした時に、クラウド上にあるCMS(コンテンツ・マネージメント・システム)が「この人はこの番組をみれる契約をしているからOK」と判定したら、そのCMSを通じて「放送コンテンツ」と「その情報」がお客さんの元に届く、という仕組みになっています。
 
―なるほど。配信は放送よりもアクセス集中やユーザーの通信環境状況による障害なども起きやすいイメージがなんとなくありますが、この辺りのチェックや監視はどのように行っているのでしょうか?
 
Mさん:そこは、Nさんに聞いてみて!
 
 

スカパー!は独自で配信番組をチェック!その開発秘話

 
Nさん:僕はTMCにあるものやクラウド上のサービスも含めて、全ての配信設備の可用性、つまり健康状態を監視するためのシステムを作っています。
その監視システム上でアラートが鳴ったときに配信番組を実際に視聴確認して、障害が起きていたら復旧の為に動くようなイメージですね。
 
―この前TMCの見学に行ったときに手元でアラートが出るものを見ましたが、その機械は自分たちで作られたってことでしょうか?
 
Nさん:そうなんです。 それを作っている人です(笑)
作っているといっても、基本的に僕らの役割としてはどういうシステムを作りたいかの要件定義をする、「開発の上流行程」と言われるところです。
 
―大変だったことはありましたか?
 
Nさん:ずっと大変でしたね(笑) 
放送は長年にわたり培われた既存の技術があるので、構築する上で選べるソリューションの数ってすごい大量にあるし、その中でどういうシステムの組み方をすればいいかが確立されているのですが、配信ってまだそういう面では各社が結構いろいろ模索しながらやらなきゃいけない時代で。
 
―配信サービスがこんなに盛んになっていても、設備はまだまだ成長段階なんですね。
 
Nさん:そうですね。映像を届けるための本丸の設備については「なんとなくこう組むのが当たり前」っていうのが出来てきたんですけど、どういう監視の仕組みを取り入れるかっていうのはまだ会社ごとに差があるなって自分は見ていて思っています。
 
うちみたいにチャンネル数が多いと人の目による監視には無理があるから、機械による自動的な監視が必要になってくる。そういう、機械による自動監視の仕組みを考えることが、当時僕がいた部署の与えられたミッションとなっていたんです。
 
―大きなミッション!
 
Nさん:機械監視の仕組みがまだ世の中にあまりなかったので、自分で監視方法を独自に考えて、開発してもらいました。
 
―サービスによっては人の目でチェックをしているところもきっとありますよね。機械に頼らざるをえなかったからこその試行錯誤があったのですね。
 
Nさん:はい(笑) だから個人的には監視の仕組みづくりには割と自信がありますね。
他社さんから同じものを構築したいっていう風に言っていただけたり、実際に導入していただけた実績もあって。もし、配信で機械監視をやりたい場合はこのnoteにコメントをいただければ(笑)
 
―確かに!ぜひコメント欄をご活用ください!(笑) 
 
 

入社のきっかけはあのドラマ。 まさかのエキストラ経験も!


 ―Nさんは、ずっとメディア技術担当として東陽町にいらっしゃるんですか?
 
Nさん:はい。入社して最初は放送設備に5年間関わっていて、6年目からは配信技術をどうしてもやりたいって面談で言って異動になり、そこからもうずっと配信技術を担当していますね。
 
―入社時も放送・配信技術希望だったのですか?何かきっかけが?
 
Nさん:そうですね。
大学時代は理系しかない大学で、統計学と、あと人工知能と情報科学を専攻していて。
その中で映像解析に関する研究をしていたっていうのもあるかもしれないですが、もともとはテレビがすごく好きで(スカパー!を)志望しました。
 
―そうなんですね!どんなテレビ番組がお好きなんですか?
 
Nさん:フジテレビの90年代後半〜2000年代のドラマが好きですね。
 
―へえ!例えば?
 
Nさん:『踊る大捜査線』に関しては超オタクですね。
あのドラマが、ファンがWEB上とかで盛り上がっているドラマの先駆けだったんじゃないかと思っていて。
番組公式のサイトが立ち上がって視聴者が盛り上がる場所が用意されていたり、ファン同士の交流があったりとかしましたね。『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』のエキストラに参加もしました。
 
―え、そうなんですか!
 
Nさん:好き過ぎて中に入りたくなって申し込んで…(笑)
織田裕二さん、小泉今日子さんと小栗旬さんと会いました(笑) 
お台場の旧湾岸署の撮影で一刑事役みたいな感じで。
 
―羨ましいです(笑) 見返して探してみたいです。

Mさん:知らなかった! 『東京ラブストーリー』とかは見てた?
 
Nさん:『東京ラブストーリー』も好きで、保育園の頃に入院していた時があったのですが、どうしても最終回を見たくて「見させてください!」って、看護師さんにお願いして特別に許してもらって。21時に待合室で見ていましたね(笑)
 
―ませた保育園児! 看護師さんもびっくりですね(笑)
Mさんはお好きなコンテンツってありますか?
 
Mさん:俺は、車・バイクのモータースポーツかな。あとは最近、やっと海外ドラマを見始めたの。その流れでNetflix、Amazon Prime Video、Disney+を使うから、それぞれの機能を見たりしていますね。
 
―スカパー!の配信サービスにもこの機能あったらいいのにと思ったり?
 
Mさん:イントロ・エンドクレジットのスキップ機能、次番組の自動再生、バックグラウンド再生とかは、他のサービスを使っていてやっぱりあるといいなって思いますね。
 
―そうですよね…。さっきの話でいうと、たくさんのチャンネルがあるゆえに必要な工数が他にあるという事情もあると思いますが…これからのアップデートに期待ですね!
Mさんもずっと放送技術関連の部署にいらっしゃったんですか?
 
Mさん:いや、2001年に入社してからは色々な部署を経験してきたよ。
ちなみに前職はBBCで4年間くらい営業として働いていて。
 
―BBCニュースのBBCですか。
 
Mさん:その時の上司がスカパーに移って、その縁で今ここにいます。
入社してからはメディアの部署だけでなくて、宇宙事業管轄のグループ会社にも出向したこともありましたね。
 


放送配信技術の先輩後輩として ―そして今後やりたいこと


 ―当時Nさんが新入社員だった頃、Mさんから見ていかがでしたか?
 
Mさん:基本的には今とあんまり変わってないんじゃない?…言っちゃえばつかみところがないというか、ユニークな感じ(笑)
 
Nさん:(笑) でも当時は、自分で言うのもあれですけど全然自分らしさを出してなかったなって。
今、こんな自由にやっていますけど、入社当初は技術にいる人はすごい堅いなと思うことが多かったんです。
今はもっとふざけながら仕事しよう、って後輩には言ってますけど(笑)
 
―先輩にそんな風に言ってもらえるのは嬉しいですよね。 逆に、当時のMさんが今と違うところってありますか?
 
Nさん:いや、今のまんまですね(笑) Mさんの場合、第一印象のまま変わらないでいてくれるから。
 
Mさん:俺50歳なんだけど、老害っぽくっはなりたくないと思って!(笑)
 
一同:(笑)
 
Mさん:だから、メンター的な位置付けで相談はいつでも来なさいっていうスタンスですね。それに対して俺が手伝えることは少ないけど(笑) アドバイスしたりとか、「それならこの人に聞け」とかは言うけどね。
 
―アドバイスはもらえるけど、干渉しすぎない。理想の上司すぎますね…!
最後に、これからやりたいこととか、野望などがあれば教えてください。
 
Mさん:技術と関係なくなっちゃうんだけど、サステナビリティ推進部(SDGsなどに向けた取り組みを行う部署)気になるんだよね。
プライベートでも田んぼとかに行って活動しているから、会社でもそういうこと考えたいなって。
 
Nさん:そうですね。地域起こしとか地域交流気になりますね。
 
―私も興味あります!でも本業と異なる内容で驚きました(笑)
 
Mさん:人に貢献できているっていうことを肌身に感じると、自分の仕事にも活かせられる気がするよね。
 
Nさん:普段システムと向き合っていると、人と触れ合いたくなります(笑)
 
Mさん:それなら俺がオススメするのは、ゴミ拾い。地域のクリーンアップ大作戦みたいなやつ、すごいいいよ。ゴミ拾ったら「ナイス!pick!」って。

ー(笑)
最後は配信とは違う話になっていきましたが、お2人の素敵な関係性も垣間見えました!


お2人が技術を担う配信サービスはこちら。


放送技術シリーズ、次回もお楽しみに!

(取材・文 タンタン)


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