1週間後に沼落ちする私 〜沼落ちの入口についての回顧録〜
毎度、沼にハマるたびに考える。
なぜ私はこの沼にハマったのだろうと。
普段から目にしているコンテンツは多いはずなのだが、その全てに堕ちているわけではない。
だからこそ、自分にとっての沼落ちパターンというのがあって、「どういう時に沼に落ちるのか」という共通項があるのではないか、と考える。
こんなことを考え始めたのは、何を隠そう直近でまた新たな沼に浸かり始めたからだ。
そして今回に関しては紛れもなく、その入り口にはスカパー!があった。
これは社員としてではなく、スカパー!note編集部員であるわたしが、ただのユーザーとしてスカパー!に推し活の後押しをされた、という記録である。
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沼落ち3年前の話
たまたま調べる機会があり、「原因は自分にある。」のYoutubeチャンネルに行き着いた。
「原因は自分にある。」、通称「げんじぶ」について、全くの無知だったわけではない。
というのも、2021年にリリースされた「半分相合傘」という曲を当時友人に勧められて聴いて「なんだこの、トリッキーでそれでいてかっこいい音楽は!」と衝撃を受けて以降、定期的に聴いていたのだ。私事だが年に一回ほどハーフマラソンの大会に出ていて、毎大会ごとに「完走のためにやる気を出すためのプレイリスト」を作成するのだが、そこで毎回「半分相合傘」を入れていた。今思えばそこからなぜ他の曲も聴いてみようとしなかったのだろうかと、1曲だけをリピートし続けた当時の自分を恨む。
だから、存在は把握していたものの人柄やメンバーについては無知だった彼らのYoutube チャンネルを見ることになったことには、少し不思議な縁を感じた。
沼落ちパターンについての考察
最初に話を戻して、「自分はいつもなぜ、沼にハマるのか」について。
振り返ると、”意外性”が鍵になっていたことが多いのではないか、と思う。
例えば、別のアイドルグループを推し始めた当時、今ほど国民的アイドルたちがYoutubeで裏側を発信していたり本音的なことを発信する機会が少なかったこともあると思うが、私は少しばかり”アイドル”に対して偏見を持っていた。
完璧な顔面にキラキラしたパブリックイメージということだけで少し敬遠してしまっていたのだが、たまたま見たそのグループのドキュメンタリー番組を見て印象がガラッと変わった。
「キラキラしていて、悩みなんかなさそうで…」そう思っていた彼らが、いたって普通のーー例えば時にプレッシャーや、悔しさや、恥ずかしさといった人間らしい泥臭い感情を持つような男の子たちであり、それでもファンのために頑張ろうとしている、変にカッコつけていない、純粋な感覚を持っている同世代の人間たちだったことに気づく。
もちろんドキュメンタリーということもあって、涙や葛藤やらをドラマチックに切り取っているというのもあるとは思う。それでも結局毎日お風呂で号泣しながら見る羽目になって、全話見終わる頃には全員に愛着を覚え応援するようになっていた。
音楽やパフォーマンスにおいても”意外性”で好きになることが多い。
それまでアイドルソングにあまり興味がなくて、バンドやシンガーソングライターの音楽ばかり聴いてきた。
でも音楽について、そしてアイドルについて詳しくなればなるほど、「あの好きな曲のブラスアレンジを手掛けている人が、あのアイドルのブラスアレンジも手掛けている」「あの大好きなアーティストがあのアイドルの新曲に携わる」と、どんどんと「アイドルソングの音楽性の高さ」に気づき始めるようになった。
2015年から放送されている「関ジャム 完全燃SHOW(現「EIGHT-JAM」)」において、”トンチキアイドルソング”といった、一見その面白さに気を取られて音楽性については語られてこなかったポピュラーソングに対して再評価するような流れがあったのも大きかったかもしれない。
そういうこともあり、このアイドルソングもあのアイドルソングも、音楽も歌詞もダンスも素敵じゃん!というギャップにやられてしまい、そこからはアイドルを好きになり、それ以降いくつかのグループのファンクラブに入り定期的にライブも行くようになっていた。
そして今回の沼、原因は自分にある。である。
沼落ち1週間前
Youtubeで調べて、たまたま最初に行き着いたのがこの動画だった。
げんじぶさんメインの公式チャンネルではなく、公式に発信いただけているオフショットなどを見られるチャンネル。そこで、新曲「P-P-P-PERO」のMV完成版をメンバーが初めてみんなで見るという動画だった。
語弊を恐れずにいうと、これまでのげんじぶさん楽曲の中ではこの「P-P-P-PERO」は“とんちきソング”(褒めてる)に入るような曲調で、MVも振り切ったシュールさを持つような世界観。映画みたいなかっこいい世界観を持つMVも数ある中での、このMVの初見の反応が気になった。
が、
終始みんなで大笑いしてほのぼのとしているし、「ここの雅哉好きすぎる!」「もう一回見よう」と褒めたり愛のあるいじりあいをしていたりする素の姿が見られて、メンバーに対する愛がある、なんだか素敵なチームワークだな〜!と好印象を抱いたのを覚えている。
あと、立て続けに見たのはこの動画。
げんじぶリーダーの吉澤要人さんと、ダンスリーダーの長野凌大さん二人だけでドライブする動画。
後半、海を見ながらお互いの初対面から、リーダーであることやファンに対する想いといったような会話をするのだが、ドキュメンタリーを見た時然りこういった”自分のグループやファンに対する熱い想い”みたいな話に、すこぶる弱い。
特に、なんとなく内に秘める熱さのようなものを感じる二人だったからこそ、その“内”を垣間見れた気がしてよりグッときてしまった。
どうしよう、げんじぶさんとてもいいぞ…!ためしにテレビの出演情報や、動画配信サービスで検索していると、検索結果に出てきたのは数日後のライブの再放送の予定だった。
まさかここで、スカパー!の社員として「スカパー!で見れるじゃん!(笑)」と叫ぶことになるとは思いもよらなかった。
観たい番組がある時にチャンネルを選んで契約するスタイルの私、急いでフジテレビNEXTをポチった。
放送当日、そして沼落ち0日目
待ちに待ったライブの放送当日、録画予約もバッチリして、でもできるだけ早く見たい気持ちから急いで帰宅し、ご飯やお風呂を済ませて、この“全員集合”みたいな感覚久しぶりだな、と思いながら正座待機をした。
そして始まるライブ。
まず、ファンである「観測者」の皆さんの黄色い歓声に、わっ!と嬉しくなった。これもひとつのギャップかもしれないが、何となくげんじぶさんの楽曲から「アーティスト然」としたイメージを抱いていたので、ファンの皆さんのそういうアイドルに対する歓声が溢れていたことに良い意味で意外性を感じた。黄色い歓声からしか得られない栄養があるな、そう思ってニヤつきながらエアペンラを握りしめる。
そして始まる、良曲に次ぐ良曲の応酬!
ライブを見ながらいいな、と思った曲は自分用のプレイリストに入れようと思ってスタンバっていたのだが、結果ほとんどの曲をプレイリストに投入することになって、ほぼセトリじゃん、というラインナップになってしまった。
アイドルに対してしか聞いたことがない日本語、「楽曲に恵まれているな〜!」という感想を1人でブツブツ呟きながら(怖いて)、テレビの前で純粋に曲を楽しんだ。
メンバーに対する意外性もあった。先程触れた長野くん・吉澤くん以外のメンバーで紹介すると、まずYouTubeではみんなのムードメーカー的で、喋りも上手くて頭の回転早いな〜と感じていた杢代和人くんが、最後のMCで涙を零していたこと。
後々、仮面ライダーの撮影期間グループ活動をお休みしていたことを知ったのだが、その期間を経ての初めてのアリーナツアー、よりメンバーやファンに対する想いが強いのだと思う。思わずそんな姿にもらい泣きをしてしまった。
YouTubeで人柄を見るにげんじぶの平和を担っているような2人だなという、情に熱くて、天然だけどもみんなのお兄ちゃん的包容力をもつ武藤潤くん、そして時にぶっ飛んだ発言やマイペースさでみんなを和ませる小泉光咲くんの、歌い方あちぃ〜〜そんな顔するんだ!?!?という瞬間。録画何回も巻き戻して見た。(それぞれ『Lion』のサビと、『Museum:0』のラスサビパート)
またグループの弟キャラで、実際に最年少の桜木雅哉くんはそのポジションを感じさせないくらいの肝の座り方と歌声の綺麗さにびっくりした。個人的には一番好きで、ずっと聞いていたくなる歌声だった。(のちのち知ったが、歌声同様喋り声も好きだ)
そしてもともとドラマでの可愛い役として認知していた大倉空人くんのドスの効いた低音ラップにはびっくりしたし、「期待通りじゃなくてなんかごめん」(『余白のための瘡蓋協奏曲』)、「そんな目でボクを見ないで」(『Lion』)というちょっとヒリっとするような歌詞に狂気とか憂いを宿しすぎて、とてもぶっ刺さってしまった。
そこからリアタイでの放送を終えたあとも興奮が冷めやらなくて、すぐに録画でまるまるもう1回ライブを見てしまった。(ところどころ、一時停止→巻き戻しを繰り返していたので、その日はかなり夜ふかしとなった)
あとから知ったが、同じようなタイミングでこの昨年のアリーナライブの円盤が発売になっていて、それを買うという選択肢もあったかもしれない。でも、少なくとも当時の私が先にたどり着いたのがこの放送予定だったし、「沼にハマるかも」という予備軍にとっては、このスピード感や金額はありがたかった。
かくして、曲、パフォーマンス、メンバーが良すぎる!と思ったのと、あらゆるギャップが重なり無事に沼落ちしたのだが、その原因の一端を担ったのがスカパー!でのライブ放送だったのだ。
1度ハマってしまうと、今度からライブを見る時はBlu-rayの購入になってしまうかもしれない。でも、人生いつどこで誰の沼にハマるか分からない。もしかしたら、またそんな時は「スカパー!で見れるじゃん!」と思う日が来るかもしれない。
そして沼には日常を少しでもキラキラさせたり、日々の仕事や家事のモチベーションをうむ力があることを知っているからこそ。
スカパー!が誰かにとっての沼の入口になっていたらいいなと思う。
(文=タンタン)
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