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脳の調整とは?


1.脳は刺激が欲しい

 脳は良くも悪くも刺激を求めています。何も無い空間で過ごす事を想像してみてください。「何もしない」「何もすることがない」ということは想像以上に辛く、刺激が少ないと気力は低下し、体はだるくなります。

 筋肉を例に挙げれば、筋力トレーニングで刺激することで、筋力が向上し、筋機能はアップしますが、なにもせずにゴロゴロしていれば筋力は当然衰えます。これは脳も同様で、刺激の少ない環境は脳の働きが低下し、神経系の機能が低下すれば、身体全体の機能低下へとつながります。

 だからといって刺激が強ければ良いというものではありません。身体への刺激が強すぎると身体に負担が加わり、身体への過剰な刺激は脳への過剰な負荷ともなります。そのため、マッサージ、整体などの施術が強すぎると痛みが生まれ、身体に対する痛み(不快な刺激)は脳に対してもマイナスに作用しやすいので注意が必要です。

2.刺激の良し悪しとその影響

(1)脳の状態を見極める

 人によって心地よい刺激、脳のために良い刺激や施術は年齢、性別、体格、体質などで変わり、季節やその日の体調によっても変化します。そのため、施術の際にはしっかりとカウンセリングや検査を行い、お客様の状態を見極めてからアプローチすることが重要です。

(2)強い施術は・・・

 一定数の方は痛いぐらいの強さの施術を好みます。その場合はどんなに難しいテクニック(技術)で施術を行っても、極端に言えば何も変化が生まれないケースもあります。特に「強くしないと変わらない」「強くしないと改善しない」というような考えが強いと、それ以外の刺激や施術では改善せず、施術の説明をしても理解を得られる事は少ないと経験上言えます。

(3)荷重バランスの例

足裏への荷重が偏る →いわゆる「身体の癖」
 少し視点を変え、荷重バランスを例にして説明します。ヒトが立っている時や歩いている時には、足裏に体重が加わるのは当然ですよね。しかし、左右均等に体重が加わっているかとなると話は別で、左右均等に足裏へ荷重できている方は非常にすくないと思われます。それは、分かりやすく言えば人それぞれが持っている「身体の癖」のようなものです。

 「身体の癖」によって左足裏への荷重が少ない方は、左脚の特定の筋肉の活動量が減り、筋力低下などの筋機能低下が生じます。その状態が長く続けば、人によっては痛みが出るようになり、痛みによって動きが少なくなり、さらに筋機能が低下するという悪循環に陥りやすく、この悪循環は高齢になるほど起きやすいです。また、無理を重ねている運動選手でも起こりやすいと考えられ、繰り返される怪我や運動パフォーマンス低下の要因にもなります。

荷重の偏り → 脳に伝わる刺激の偏り → 身体の不調が・・・
 
歩くことは移動手段の多くを占め、歩くときの足裏への刺激(荷重)が左右で違う場合、脳に伝わる刺激(情報)のバランスが悪くなり、脳の働きやバランスに狂い(エラー)が生じやすくなります。

 比較的、若い場合は良いかもしれませんが、ある程度の年齢になると脳を中心とした神経系の修正や補う力が弱くなり、脳のバランスの悪さは身体機能の低下や不具合を引き起こし、痛みやシビレなどの症状が出るようになります。

(3)脳と自律神経の関係

 また、脳と自律神経は密接な関係にあるため、脳の機能低下が自律神経の乱れを引き起こし、呼吸機能、循環機能、内分泌機能などが低下します。そうなると肩こり・頭痛・腰痛などのよくある症状から不眠、高血圧、頻脈、原因の良くわからない症状、難治性の疾患の要因にもなり得ます。

 これまで荷重バランスの偏りが、足裏から脳へ伝わる刺激(情報)の偏りを生み、さまざまな影響を引き起こすことを説明してきましたが、人の身体と脳に加わる多くの刺激や環境で同じことが言えます。例えば、常に同じ姿勢で仕事するという事は、必ず偏った動き、偏った動作となりやすく、偏った身体の使い方になります。

 そして、ある程度リカバリーできる、リセットできるような日常であれば、それほど問題にならないと考えられますが、長時間の仕事や多大なストレス、元々の性格や体質などによっては、辛い症状や身体の不調につながる可能性が高まるのです。

3.脳のバランスが悪くなる要因

~最も大きい要因はストレス~

 先ほどの荷重バランスの話の視点を変えます。そもそも、どうして荷重バランスが偏ってしまうのか?という疑問が出ませんか?仕事やスポーツなどで同じ動作を繰り返し行うことで脳の働きやバランスの偏りが出る事は分かりやすいと思いますが、実はそれ以上に大きな要因として挙げられるのがストレスです。

 身体的なストレスに関しては、休息を取ることで回復しやすく、適度な負荷は筋骨格系、呼吸器系、循環器系などを刺激し、身体機能を維持または向上するために大切なのです。また、適度な運動は精神的ストレスの発散にも役立ち、運動による適度な刺激は脳にとっても有益です。

 問題になりやすいのは精神的ストレスで、強い精神的ストレスやストレスの蓄積は、自律神経の乱れを引き起こし、重大な体調不良や難治性の疾患を引き起こす原因となりかねません。逆に言えば、精神的に良好な状態であれば、多少の身体的ストレスはカバーできるのではと思われます。

 精神的ストレスは想像以上に脳の働きを低下させ、脳の機能低下と共に自律神経は乱れ、さまざまな不調を引き起こすことにつながりことを話してきました。個人的な意見にはなりますが、これまでの経験を振り返ると、大部分の不調の原因は精神的ストレスが多く関わっていると考えています。

 

4.脳を調整するアプローチとは

(1)神経系を中心に考えると

 さて、脳の働きが低下し、バランスが悪くなってしまった場合、脳を調整するアプローチが必要である事を多少なり理解してもらえたでしょうか?脳の働きやバランスを調整するという事は、自律神経などをはじめとした神経系の調整をするという事になり、脳の状態を考慮せずに施術やリハビリを行うことは非効率的で、施術による改善は得られにくくなります。

 怪我や事故などの外傷を除けば、多くの症状や不調は脳と自律神経の不調が要因として大きく、脳と自律神経に特化したアプローチを提供する脳リハビリ高知スプラウトとしては、整形外科、○○科、○○○科という感じで、区別して考える事は少なく、ヒトの身体を1つのシステムとして考えて、施術を行います。

 そのため、例えば膝が痛い場合は当然、膝の痛みを緩和する目的で施術を行いますが、結果的には他の症状である肩こりや腰痛なども、同時に改善することが多くなります。

(2)施術と検査は同時進行

 実際の施術は、事前のカウンセリングを元に「検査→施術→検査→施術→・・・」といった感じで進んでいきます。反応の良い方は施術中に適切な施術ポイントが変わるので、適宜、状態や反応に応じての検査が重要です。

 脳と自律神経を中心とした基礎医学や徒手医学をベースにして、リハビリ技術、整体、オステオパシーなどの徒手療法を組み合わせた施術でアプローチをしていきますが、重要なのは「強さ」と「ポイント」なので、そこを見極めながら施術を行います。

(3)脳に不足している刺激を与える

 分かりやすく説明すると、訴えや症状のある部位を施術すると同時に、脳に対して必要な刺激(=脳が欲しい情報)を送り、神経系を中心とした身体全体のバランスを整えるようにアプローチします。

 余談ですが、これまでの経験で言えることは、その場で改善を実感できることはもちろん喜ばしいことなのですが、翌日や数日後に改善(変化)をより実感できる場合の方が良いと結果につながりやすいです。つまり、それは根本的な改善に近づいていることを意味し、お客様の本来備わっていた「自己修正力」や「自然治癒力」にスイッチが入ったような感じです。

(4)不要な刺激を抑える

 脳に必要な刺激があれば、脳に不必要な刺激もあり、分かりやすいのは痛みです。痛みはいわば「警告信号」なので、「痛み=警告」を無視することは身体の組織を痛め、結果的に脳の働きやバランスを狂わせる原因となります。また、痛みは筋肉の緊張を生み、緊張が新たな痛みを生み出すこととなり、この悪循環を断ち切ることが重要で、痛みの緩和や疼痛コントロールを目的とした技術は必須です。

5.脳リハビリ高知 スプラウトの強み

 整形外科クリニックから始まり、リハビリ×リラクゼーションサロンBlue Garnetでの施術や介護保険施設でのリハビリを経験し、現在は脳リハビリ高知 スプラウトで施術を行っており、これまでさまざまな方のリハビリや施術を行ってきました。

 やはり、痛み、肩こり、シビレなどの症状や膝が曲がらない、腕が上がらない、指が曲がらないなどの整形外科領域に対する施術が多くなります。

 その一方で、脳と自律神経に対するアプローチに特化した施術は、めまい、耳鳴り、PMS、子宮内膜症、過敏性腸症候群、癌などにも対応できることが大きな強みであり、改善された方からはうれしいお声をいただいています。また、子供の発達の問題や認知症の改善にも力を発揮し、脳梗塞後遺症に対するリハビリでも一定の結果を出すことが出来ています。

 またまた長くなってしまいましたが、脳リハビリ高知 スプラウトのアプローチについて分かりやすく説明するのは難しく、どうしても長くなってしまいます。また、世の中に認知してもらうのに苦労しているのも事実ですが、根気よく、地道に今後も投稿していきたいと思っています。ここまで読み進んで頂いた方、ありがとうございました。

🔷脳リハビリ高知 スプラウトのホームページはこちらから

 



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