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「脳リハビリ」と「スプラウト」の由来


1.脳リハビリという名称

(1)聞かれることが多くあり・・・ 

 サービス付き高齢者住宅などの施設や居宅支援事業所、地域包括支援センターへの挨拶(営業)の際に、何度か耳にしたのが「脳リハビリってどんなものですか?」というようなお言葉。普段から注意しているのですが、どうしても施術者&理学療法士の目線で物事を考えてしまう傾向にあります。

 自己紹介の記事でも書いてますが、僕は理学療法士としての仕事がまさに「天職」と思えるほど楽しく、整形外科クリニックで働き始めてからの数年は、休日もリハビリや治療(施術)の事が頭から離れず、仕事とプライベートの境目がないような状態で、ついには体が壊れてしまうほどでした。

 なので、理学療法士として経験を積んでいく中で、僕の中で理学療法士という存在の危うさや保険制度内での立ち位置の不安定さなどが増えてきたのは事実でしたが、リハビリという仕事の素晴らしさも十分に実感していたのも大きく、「リハビリ」という名称は取り入れたいと考えていました。

(2)多くの治療テクニックを学んでも・・・

 整形外科クリニックから経験を積み始めた事もあって、最初のうちは関節に特化した技術を中心に学び、気がつけば、大阪、福岡などに頻繁に通うようになり、柔道整復師、鍼灸師、整体師などの治療家が集まる「明日から使えるテクニック」的な実践的で治療に特化したセミナーに多く参加していました。

 しかし、治療テクニックをいくら学んでも、ある程度のところで頭打ちとなり、限界や壁にぶつかります。それは、本当の意味で身体のシステムを理解していなければ、根本改善には繋がらないという事なのですが、徐々にそうしたことに気づき始め、紆余曲折(自分の体調不良やあるゴッドハンド的な先生との出会いなど)があって、神経学を中心とした基礎医学をイチから学ぶことになりました。

(3)脳に対する「プログラミング」

 整形外科クリニック時代に、脳を中心に考えたリハビリを模索し始めた時を今でも鮮明に覚えています。試行錯誤を繰り返しながら施術を行っていると、まるで「スイッチ」を押したかのように急に関節可動域や筋力が向上するのです。また、同時に痛みや不調も緩和されることも多く、施術による改善が目に見えて実感できるのです。

 それは、驚きと共にこれまでの治療テクニックや概念に対する考え方が変わっていく出来事でもありました。しばらくすると、臨床現場で見ているものや考えている事が全く変わってしまうのですが、リハビリの効果や結果は目に見えて向上していきました。

 この段階になると、整形外科クリニックで勤務していながら、「整形外科」という枠組みで患者さんを見る感覚が少なくなり、整形外科的なテストや理学療法評価は必要最小限となっていました。そして、神経系の状態を把握するための神経学的テストを重視するようになります。

 それは、神経系の機能を調整することは身体全体のシステムを調整することになり、結果的に筋肉、関節などの機能が調整されるからです。関節や筋肉に対する繊細な技術はもちろん必要ですが、場合によっては反応のあるポイントをトントンと叩くだけで、筋力(正確には筋出力)が向上したりします。いわば、患者さんの身体に触れることはパソコンのキーボードを叩くことに例えられ、患者さんに触れる刺激が脳(コンピューター)に対するプログラミングとなるのです。

 「脳のプログラミング」のようなリハビリは一般的なリハビリテーションでは想像がつかないような効果を生み、患者さんと一緒に驚く機会が増えてきます。そして、患者さんの改善度が90%を越えた頃には、脳と自律神経の調整を中心としたアプローチを得意とするようになり、整形外科以外の症状に対するリハビリや施術が増えてくるのです。

2.リハビリと表記している意味

(1)脳と自律神経に特化したアプローチ

 理学療法士やリハビリの存在意義を忘れないためにリハビリという言葉を取り入れ、「脳リハビリ高知 スプラウト」としていますが、実際の施術は一般的なリハビリとはだいぶ違い、「機能改善に特化した施術」「脳と自律神経に特化したアプローチ」なのです。それはリハビリ、整体、オステオパシーなどの徒手療法の技術や理論(徒手医学)を組み合わせたアプロ―チであり、すべては「脳のプログラミング」を最終目標としています。

 先日、テレビの情熱大陸機能神経外科医山本一徹先生が紹介されていたのですが、大変興味深く見させていただきました。「外科医」なので、当然のことながら手術や超音波などの直接的な治療になるのですが、脳リハビリは徒手療法や運動療法などの刺激によって、間接的に脳の働きやバランスを整えると考えてもらえれば分かりやすいかと思います。

(2)脳に対するリハビリは基礎医学がベース

 つまり、脳リハビリという名称を取り入れたのは、理学療法士としての経験や現在の立ち位置、理学療法に対するリスペクトを込めたかったからです。結局のところ、リハビリ、整体、ストレッチ、オステオパシー、カイロプラクティック、ピラティスなどの身体の改善を目的としたアプローチは
数多くありますが、要は使い方次第なので、基礎医学を元にした考え方で施術を組み立てれば、どんなアプローチも活かせることが可能です、

 逆に基礎がしっかりしていないと、どんなに優れたテクニックでも限界があり、基礎医学をおろそかにした施術は時にリスクも生じます。基礎を学び、人の身体のシステムに対する理解が深まると、安易に施術を行うことの怖さが分かるようになります。そして、この怖さを分かった上で施術することは大事で、僕は常に現状より悪くしない事を頭に置きながら検査や施術を行います。

3.スプラウトの由来

(1)ブロッコリー? 

 最後に「スプラウト」という名称にした理由を言いますね。ここでのスプラウトは英語では「Sprout」のことを指し、意味は「発芽する」「新芽」「芽」などで、一般的にはブロッコリーなどの「発芽野菜」の事をスプラウトと呼ぶことが多いと思います。

(2)神経の発芽

 リハビリ、特に脳梗塞後のリハビリにおいては、「神経の発芽」が重要な意味を持ち、いかに神経の発芽を促すかが機能回復の鍵となります。また、子供の成長に関しても神経の発芽は非常に重要で、脳の神経回路を形成するために不可欠なプロセスとなります。

 そして、脳リハビリ高知 スプラトのアプローチは「神経の発芽」や脳の神経回路の新たな形成を特に重要としており、脳が常に良い状態を保てるように施術を行っていきます。脳の機能が改善すれば、自律神経などの神経系の機能が改善し、神経系の機能が改善することで、結果的に筋機能、心肺機能、循環機能、内臓機能なども改善へと向かうことになるので、身体全体のシステムが向上し、さまざまな症状や悩みの解消へと近づきます。

 こういった理由で、スプラウトという名称を使っているのですが、スプラウト→発芽→神経発芽という連想をしていると、改めてスプラウトという言葉は、私たちが提供しているアプローチを象徴してると思います。

(3)ボーダーレスな世の中だからこそ

 長くなってしまい、話も多少なり脱線してしまいましたが、起業に際して「脳リハビリ高知 スプラウト」の名称とした理由がお分かりになっていただけたでしょうか?現在、人の身体に関わる仕事を生業とされている方は多く、その職域は線引きがあいまいでどんどん「ボーダーレス」な状態になっていると思います。

 なにが真実で、正しいかが分かりにくい世の中ですが、脳リハビリ高知 スプラウトが確かな存在として知ってもらえるように、今後も定期的に記事を投稿していきたいとおもいます。

🔷脳リハビリ高知 スプラウトのホームページはこちらから

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