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祝・サービスローンチ!不動産テック「エアドア」のSPROUND徹底活用術。【スタートアップコミュニティSPROUND 利用企業インタビュー airdoor CEO 鬼頭 史到さん】

「知の還流」がコンセプトのインキュベーションオフィス「SPROUND」をご利用の企業、通称SPROUNDERの入居者インタビュー第6弾。今回は、株式会社エアドアの代表取締役CEO鬼頭 史到(きとう ふみゆき)さんにお話を伺います。

今年2月にサービスをローンチしたばかりのエアドア。エアドアが提供するサービスについてと、SPROUNDを利用してみた感想を伺いました。


airdoorについて

日高:今回は、SPROUNDご利用企業株式会社エアドアの代表取締役CEO鬼頭さんに、サービス「airdoor」の魅力と、SPROUNDの魅力を伺いたいと思います。ではまず、エアドアさんが現在提供しているサービス「airdoor」の説明など、会社説明をお願いします。

鬼頭:私たちの提供しているサービス「airdoor」は不動産業界に特化したマーケットプレイスです。一般に、お部屋探しをするときに見るSUUMOやHOME'Sなど大手ポータルサイトに載っている物件は、物件の持ち主である大家さん(オーナー)から管理会社、仲介会社へと渡ってからポータルサイトに掲載されている情報。そのような過程を経てようやくユーザーに届く物件の情報は、二次情報や三次情報で鮮度が落ち、その結果ポータルサイトには「おとり物件(掲載されているがすでに成約済みの物件)」も掲載されていました。そこでairdoorは、一次情報を持つ管理会社と直接システムを繋ぐことで、一次情報をユーザーに解放するサービスを考えました。airdoorには、基本的にはSUUMOやHOME'Sよりも正しい情報が出てきます。わざわざ店舗に行かなくても、現地の内見だけ行って、営業行為も受けずに帰れる。行きたい物件だけ行けばいい。ユーザーがお部屋探しの大変さを軽減できるようになると思います。ホテルはネットで調べて予約ができますよね。ネット上で予約したけど、現地に行ったら空いていないなんてことがあったら、最悪じゃないですか。でも、不動産業界では、まさにこういうことが起こっているんです。airdoorはそういう不動産業界の「負」を解消したい。
また、仲介手数料って大体家賃1ヶ月分ほどかかりますが、それって高いじゃないですか。このハードルを下げたい。そこでairdoorは仲介手数料を0円 or 2万円とし、従来と比べて大幅に下げました。
おとり物件や「一度店舗に来てください」という慣習、高額な初期費用など、今までの賃貸サービスに対する課題感と疑問から、「不動産業界とユーザーにおける情報の非対称性をなくし、お部屋さがし・契約の新しいスタンダードを作る。」という想いのもと、airdoorは、ネット上で物件を見て申し込みまで自分たちのペースでできる、かつ手数料も安いというサービスを作りました。

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鬼頭 史到 / Fumiyuki Kito
株式会社エアドア Founder / CEO
立教大学在学中にストリートダンススクールの立上げメンバーとして活動。 2010年、不動産業界特化型SaaSの株式会社いい生活へ新卒で入社。 新規事業及び営業部門の部門長を歴任。新規事業の一環として入居者アプリを立上げ、プロダクトオーナーを務める。 2019年にインド発のホテルスタートアップOYOへ入社し、初年度年間トップセールス。 2020年に退社し、起業準備。2020年9月28日、株式会社エアドアを創業。https://airdoor.jp

日高:airdoorは、最近プロダクトリリースしたばかりですよね。それまでの変遷を詳しく教えてください。

鬼頭:私は新卒以来不動産のSaaS企業にいて、B2Bのビジネスに関わってきました。ある程度サービスを作って営業し、契約さえ取れれば毎月収益を得られるサブスクリプション型のビジネスです。一方、マーケットプレイス・ポータルサイトのサービスは、所謂「リボン型」と言われて、「物件の出し手」と「ユーザーの獲得」の両方を構築しなくてはなりません。どちらからやるかは戦略。さらに、エンジニア、マーケティング、サポート、営業、お金、そして人も必要で、「無謀なチャレンジ」と思われがちです。しかし、だからこそSUUMO一強で業界構造が変わらなかったし、これではこれからも変わらないまま。この改革を、意志の強い人がやるべきだと思い、仲間で話し合って立ち上げました。最初の「仲間集め」が上手くいくと、次は「資金」が必要になりました。何もない状態では資金は集まらないので、不動産会社を回ってヒアリングし、協力してくれる会社を数社見つけて、出資にまで辿り着きました。出資してくれる企業がいくつか見つかって、仲間集めを再開。一旦そこまできて、「これはユーザーにとっていいサービスになる。ユーザーがついてくれることは確実だ。」と思えました。続いていよいよ、「リボン型」のどちらを優先するか戦略を練りました。ユーザーがアクセスしてくれた時に取り扱う物件数が少なければ、いくら良いサービスでも使えない。そこで、取り扱う物件数を増やすことに注力しようと考え、「物件の出し手」の獲得を優先することに決め、この一年間はひたすら物件を出してくれる管理会社さんを集めるべく、ひたすら営業活動をしました。


日高:会社の規模感は、今どれくらいでやられているのですか?

鬼頭:社員は2名ですが、携わってくれているメンバーは12人。エンジニアが5名、ビジネスサイド5名、プロダクトチーム7名。この12人で今は回っています。シードスタートアップにとってフルコミットで人を増やさないといけないというセオリーもありますが、我々はメンバーとの関係性も良いし、フルコミットかどうかを問わず、まずはユーザーに使ってもらって、「どのタイプのユーザーに刺さるか」を見つけることに注力しています。
ユーザーが欲しいものをしっかり見極めて開発し、物件数を確保して使ってもらい、必要なところに次の開発を進めていきたいと考えています。「色んなユーザー」ではなく、「どのユーザー」か、コアターゲットを検証することが必要だと思っています。

SPROUNDを利用して

日高:鬼頭さんが、土日もSPROUNDにきてお仕事をされている姿を拝見しました。鬼頭さんは、SPROUNDご利用者のなかでも、頻度的にも使い方的にもよくSPROUNDを利用してくださっている印象があります。SPROUNDを利用してみての感想をお聞かせ願いたいです。

鬼頭:色々あるのですが…。大きく分けて、「施設としての良さ」と、「コミュニティとしての良さ」の二点あります。

日高:では、「施設としての良さ」の方からお願いします。

鬼頭:SPROUNDの施設の良さも色々あります。まず、アクセスがめちゃくちゃいい。品川駅から近いですし、SPROUNDが入っているビル「インターシティ」って不動産業界の中で強いんです。「よくインターシティ入れていますね」と言われます。金額に関しても、もっと安いコワーキングスペースはありますが、ここまで広くて設備もしっかりしているというコストパフォーマンスを考えると、すごくいいです。特に、400坪の広さは最高ですよね。こんなに広いオフィスはなかなかないですから。働いていて開放感がありデザイン性も良くて、気持ちいいです。閉塞感があると仕事しにくい。仕事のときに息がつまるのは好きじゃなくって。以前入っていた他のワークスペースは、閉塞感あるしトイレは壊れるし、冷蔵庫は臭かったです(笑)。今では集中したい時には週末でもSPROUNDを利用させてもらっています。

日高:ありがとうございます。開放的で気持ちよく仕事ができるのって、大事ですよね。
では、「コミュニティとしての良さ」の方もお話いただけますか?

鬼頭:はい、SPROUNDは「コミュニティ」も、いろんな意味で本当に良いです。まずSPROUNDにいる人はみんな人柄がめちゃくちゃ良いんですよ。自分はSPROUND以外でもいろんなコミュニティに参加していますが、もちろん、コミュニティにおいて、みんなの性格が良いとは限らない。でもSPROUNDにいる人はみんな本当にいい人。全員が良い人なコミュニティというのは本当に魅力ですね。

また、情報や知見を共有ができるという意味でも良いコミュニティです。スタートアップ経営者の先輩もいるし、同じようなフェーズにいる仲間もいる。苦しみを共感し合えるResilireの津田さんやヤモリの藤澤さんと情報交換したり。
SPROUNDは、違うコミュニティにいる人たちとも気軽にコミュニケーションを取れるコミュニティ。創業者をやっていて思うが、メンバーには言えない悩みとか、色々とあるわけです。ここでは、全く違う業種だけど「創業者」としての仲間と話ができますし、加えてDNXの投資家ともミーティングしたい時にここですぐにできるのも魅力です。SPROUNDの隣に、DNXのオフィスが同居しているのは、最高ですよね。

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(写真/左:鬼頭さん 右:Resilire 代表取締役 津田 裕大さん)

知見の共有のところで言うと、SPROUNDが、自社だけだとなかなか設けるのが難しい「インプットやアウトプットの場」を設けてくれるのも嬉しいです。インプットの場となるワークショップのイベントには、なるべく参加しています。企業勤めだったら研修があるかもしれませんが、私の場合、誰も教えてくれない環境で営業をしなくてはならず、インプットは外部のセミナーにいくなど自分で探して足を運ばないといけなくて。SPROUNDでは、ワークショップとして、そういうセミナーみたいなのも無料で用意してくれます。とてもありがたいし、勉強になるものばかりです。
さらに、Quartelry SPROUND(四半期に一度、SPROUNDご利用企業が各社3ヶ月を振り返り、成果・反省を発表するイベント)というアウトプットとなる場があるのはすごくいいなと思います。

日高:実際にSPROUNDのコミュニティで得た知見で実際に何か活きた事例はありますか?

鬼頭:サービス自体に直接組み込んでいるという事例はまだありませんが、SPROUNDで「OKR」の話を聞き、導入を検討してみたり(まだ導入するにはタイミングが早すぎるねと一旦見送ることにしたが)、顧客開発のワークショップの内容もすぐに取り入れて実践しています。会社を経営していると一点にばかりに目がいってしまいがちですが、社外の人とも関われる、自分たちの事業から少し目線を外すいい機会になっています。

他社さんとの関わりで言うと、CLEARNOTEの白石さんがTo C領域に強い方を紹介してくれました。あと、Resilireさんの採用ページを少し真似させてもらって、airdoorで使わせてもらったことも(笑)。
私も、そのお返しに、Resilireさんの採用候補者が自分の前職の関係で繋がりを持てる方だったので、事前にレファレンスをとって共有しました。お互いに知見を共有しあって、協力できることはどんどんしたい、やってもらったら何か返そうと思っています。

あとは、SPROUNDのインターン生の林さんにサービスリリースのPR文章の最終誤字チェックをしてもらったりしましたね(笑) めちゃくちゃ細かい確認してもらえました。我々にとってもありがたいし、なかなかそんなヒリヒリ感あるインターンを大学一年で経験することはないのでは?なんて思ったりします。
SPROUNDの人って、会社は違いますが、同じオフィスで働く仲間という気持ちの方が強いんですよね。


日高:鬼頭さんの、「お互いに知見を共有しあって、協力できることはどんどんしたい、やってもらったら何か返そう」というマインドは、SPROUNDのコンセプト「知の還流」そのままです。実際にSPROUNDでの交流を通じて「知の還流」ができていること、コミュニティティマネージャーとしてそのようなお話が聞けて嬉しいです…!
今日はインタビューにご協力いただきありがとうございました!

airdoorのサイトはこちら↓

(文・聞き手:日高 くるみ / 編集:上野 なつみ)

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