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定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—

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『定本版 李箱全集』を日本で出版すべく、その重要過程である定本作業を記録するマガジン。
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2024年9月の記事一覧

定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第六十一回〉

定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第六十一回〉

二〇二四年九月一五日

 生活が慌ただしい。図書館で借りた本を読み、ノートに書き写したり、帰国の挨拶をしたり、友達に会ったり、作業の遅さや自分の将来に頭を抱えたりしながら、自分自身の生活をする。大変だ。 
 そして作業も進めている。現在は、雑誌「朝鮮と建築」(1932年)に掲載された《建築無限六面角体》のテキストデータを作成している。いまさっき、九割五分終わった。コツコツやれば作業は終わるというも

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定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第六十回〉

定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第六十回〉

二〇二四年九月一〇日

 日本に帰ってきた。帰ってきたのは8月13日午後18時だった。

 8月13日の韓国も暑かった。7時くらいに起きて荷造りのラストスパート。捨てたくないものも多少捨てて、韓国に来た時のスーツケースよりは少し軽くなった。大好きなマムズタッチのラストディナーは昨日終えた。もう満たされた状態で帰れる。下宿先に知り合いはいたが、私のことを不快にさせる天才なので挨拶もせずにでた。日本に

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定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第五十九回〉

定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第五十九回〉

二〇二四年八月九日

 今日は9時に起きて、ムンク展を見にいった。
3時間ほどかけてみて回った。正直、初期〜中期作品が面白かった。
美術館を出て、銀行へ。300万ウォンまでしか引き出せないポンコツコースの利用者なので、また月曜日に銀行に来て全額引き下ろさなくてはいけないらしい。
そして、よりによってウォン安が進んでいて腹立たしい。金が増えると思って勤労したというのに…減ることがないのを祈って月曜日

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