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オムライス(ドラマ「ランチの女王」)

オムライスの卵は皮なのか具なのか命題を考えるようになったのは、あの「たんぽぽ」に出て来るオムライスに出会ってから。皮かな?具なのかな?どちらにも見えるのです。ただ美味しそうなことこの上なく、自分は具の道を選ぶことにしたのです。そう、子連れ狼に出て来る赤子の大五郎が、手毬よりも同田貫、つまり剣の道を選んだかのように(ほぼ関係ないけれど)。上記はその成果の、ケチャップライスの上にスクランブルエッグが搭載されているだけの、我が家直伝のオムライスなのです。形はいびつでも中身で勝負。

竹内結子さんのウエイトレス姿は、鮮明に覚えています。脚がすらりとして、スタイル抜群、きりりとしたメイク。少し男前に見えるけれど女性らしさもあるというエキセントリックな雰囲気。独特な女優さんでした。彼女の「ストロベリーナイト」の刑事役も好きでした。「コンフィデンシャルマン」の役なんて、ドはまり役でした。もっとお芝居に出る姿を見ていたかったのです。

この作品に出て来るオムライスは、いくつかありまして、主人公が子どもの頃に食べたお店のオムライスに、彼女が舞い込んだ「キッチンマカロニ」のオムライス。作る人が違っても、概ね美味になるという不思議なレシピ、それがオムライスなのです。そしてランチにこだわる彼女。それも頷けます。このお話はラブコメディなのですけれど、美味しい食事は人の荒ぶる心をおさめる効力があるのです。それは最終回のお楽しみなのですけれど。

自分もランチは、この東京砂漠を仕事で放浪していて、本当に美味しい昼食に出会うと、まるでオアシスを見つけたかのように生き返るのです。ただ美味しいだけじゃなく、コスパがいいだけじゃなく。場所、そこにいる人、空気。流れる時間。エピソード。全てが満点というお店に出会うのは滅多にありません。主人公が所持していたランチの記録の手帳を見て、「ああーわかるわかる」と妙に納得。自分も手帳にスケッチ残します。写真じゃないんです。このテの感動はテクノロジーで残すものじゃなくて、打ち震える筋肉で残すのです。食事処を探す漫画に「孤独のグルメ」がありますけれど、そういうアグレッシブさじゃなく。1人でも訪れることの出来て、そこにいるだけである時は空腹を満たし、ある時は傷を癒し、心も体もリカバリーできる。プライバシーも詮索されない。隠れ家的な女子の休息地。女子、いや、みんなにそういう場所って必要。

ドラマでの竹内結子さんは、キッチンマカロニで働き、そこのまかないご飯も美味しく頂き、みんなに歓迎されて、彼女の居場所を見つけることが出来ました。果たしてプライヴェートでの彼女は、安住の地を見つけることが出来たのかな。天国が美味しいランチと安心して彼女らしく過ごせる場所だったらいいなと、哀悼の意を述べたいと存じます。



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