ナカジMAXについての考察

※この記事は、トムブラウンの漫才である「ナカジMAX」のネタバレが含まれています。




同じものをいくつ集めても、同じものにしかならない。


例えば、バナナを5つ集めたところで、それが「バナナ以上」になることはない。もちろん、「バナナ以下」になることもない。ただバナナがそこに5つ存在しているだけだ。



同じように、サザエさんの中島君を5人集めたところで、それが「中島君以上」になることはない。しかし、彼は絶対に「ナカジMAX」を作ると断言している。実際に、漫才の最後には「ナカジMAX」ができている。彼は中島君を5人集め、「中島君以上のモノ」を作った。つまり、彼は物理的な常識を変えることができるという事だ。しかし、彼はただの人間だ。何か特別な力や技術を持っているとは考えにくい。ではなぜ、彼は「中島君」を「ナカジMAX」まで押し上げることに成功したのだろう。それは、合体の過程で、特別な操作をしているからだ。

それの操作とは一体何か。

これはナカジMAXができる過程を見れば分かる。彼は、「ナカジMAXを絶対に作る」と言ったにもかかわらず、直後に中島君4人集め、中島みゆき1人集めて合体させる。その後「中島みゆき」「倖田來未」「アユ」「前田敦子」「西野カナ」を集めて合体させる。さらに「木村拓哉」「布袋寅泰」「ホテジマ拓哉」など、非常に多くの事象を合体させ、最終的に「花沢さん」が生成される。ここまで見た人々は、「あまりにも荒唐無稽だ」とか、「論理が破綻している」と思うだろう。だが、その「花沢さん」が中島君を5人呼び寄せた時、これら一連の行為の意味が初めて分かる。

私は前半で、「ただ中島君を5人集めたところで、中島君を超えた存在であるナカジMAXにはならない。そこにはある操作が必要だ」と言った。その操作と言うのが、花沢さんなのである。彼女が介入することにより、中島ナカジMAXへと昇華されるのだ。

そうすると、中島みゆきを含む多くの著名人を合体させた理由もおのずと見えてくる。彼らは花沢さんを生成するために合体させられたのだ。

これが真相だ。多くの人がこれに気づかないのは、長髪の功績であると言わざるを得ない。彼がナカジMAXを作ると言い出した後の行動は、花沢さんが出てくるまで意図が分からない。そういう支離滅裂な発言をしている人が、頭をたたかれていれば、聴衆は共感を得るだろう。「この人は罰を受けている。その理由は、ナカジMAXを作らずに支離滅裂なことをしているからだ」と。彼は「頭をたたいている=罰を受けている=間違えている」という錯覚を、私たちに植え付ける役割を担っているのだ。その一連の行動は、巧みに私たちをミスリードへといざなう。

なぜ彼らはここまでカモフラージュを行って、表舞台にこれを発信したのだろうか。それは彼らからのSOSだ。同じものを集めてある操作を行い、それを超越したものができる。その技術がもし国や政府に渡れば、流れるはずの無い血が流れるのは明白だ。だが彼らは伝えたかったのだ。中島君ナカジMAXにする方法を。そこにはおそらく、数多くのドラマがあっただろうから。




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