「読まない人を、読む人に」 マーケティング手法としてのマンガの可能性をひろげる新事業(レポート)
突然ですが、マンガはお好きですか?
子どもの頃から今の今まで、好きなマンガの話で盛り上がったことがある方も多いんじゃないでしょうか。
今回の「Spready Collaboration Live!!」では、そんな馴染みある「マンガ」をマーケティング手法として提供し、「マンガ家の方々がマンガを描くことに集中できる環境をつくりたい」と語る株式会社まんがたりの代表・前田さんをお招きし、そのビジネスの内情を語っていただきました。
「まんがたり」という生き方を選んだ経営者、前田さんのお話
まずはゲストを紹介します。2020年1月創業の「株式会社まんがたり」代表の前田雄太さんです。
まんがたりさんについて
まんがたりさんは創業間もないベンチャー企業で、「マンガ家芸能プロダクション」として、マンガを用いたマーケティング支援を中心に活動しています。
主には広告としてのマンガ作成、マーケティング・営業支援ツールとしてマンガを駆使し、営業リード獲得、売上の向上に努めています。また、会社の雰囲気や大事にしている価値観を理解しやすくするためのPR活動、採用ブランディングにも利用いただく顧客もあるそうです。
YouTubeのマンガ動画でBtoBスタートアップ・ベンチャーを対象としたものも得意としています。
Spreadyに掲載されているまんがたりさんのプロジェクトはこちら
創業までの葛藤
もともとはエンジニアとして大手企業でERPパッケージソフトの開発をおこなっていた前田さん。
当時の社長から受けた「30歳になったら社会課題を解決するために起業しなさい」という教えがずっと心に残っていたそうです。
この頃、偶然マンガ家の卵という方とお会いし、マンガで食べていけるのは数多くのマンガ家のトップ3パーセントという厳しい実態を聞かされたとのこと。
初耳でしたが、「自分なりに何かできることはないかと考え、今のまんがたりを起業するきっかけが生まれましたね。」と前田さんは語ります。
その後転職を挟み、新規事業立ち上げの責任者としてスタートアップで働く中で、週末起業というかたちでまんがたりさんの種が生まれたそうです。
この頃何のコネも情報も持たない前田さんは、Facebokで知り合いにマンガ家がいるという方を紹介いただくなどして、1年で200名以上のマンガ家と会ったそうです!
このときの前田さんの決意をマンガで残したものがこちらです。
広告マンガ事業の先に見るもの
まず、まんがたりさんの主力サービス「広告マンガ」とはどんなものでしょうか。SNSマーケティングの一環でマンガを用いてサービス紹介をおこなったケースを教えてもらいました。
広告マンガ事業について
家電レンタル事業を提供するクライアントの例では、あまり身近とはいえない事業をマンガで伝えることで、「これまで関心を持っていただけなかった」「サラッと読んだけどよく理解できなかった」「感情移入できなかった」という人にも訴えかけることを狙いとしました。
結果的に勧誘率、クリック数の改善が見られたというものです。
このように商業用に利用いただくマンガを「広告マンガ」と呼んでいます。
広告マンガ vs. アートマンガ
一方でマンガ家が「描きたいもの・表現したいもの」を描くとなるとこの商業とアートのせめぎ合いが発生します。
ここをまんがたりさんはしっかり線を引いていて、広告マンガはマンガ家が稼げる方法論であると位置づけているそうです。
だからこそマンガ家にもクライアントワークであることを理解してもらうことを非常に大切にしているとのこと。
連載マンガのように自分が描きたいマンガで稼ぐ世界はある種アートの世界。
まんがたりさんが仕事を共にするマンガ家さんはここを深く理解して、広告マンガを通じて企業の研究や取材力向上、締め切りがある中で打席に立ってマンガを仕上げることが、アートマンガを描く上でのスキルアップにもつながる。
ここを理解、納得したうえで楽しんで取り組める人と組んでいるそうです。そのうえでマンガ家にマンガで食べていける環境を提供したいと考えているそうです。
マンガ家芸能プロダクションとしての「まんがたり」
前田さんはマンガ好きが高じて起業したところもあり、最終的には面白いマンガを読みたい、マンガ好きな仲間とワイワイ語りたいという想いで「まんがたり」を運営しています。
実際にマンガ家を続けていくかどうかを家族とも話し合って悩んでいたマンガ家さんもいて、収入ゼロから少しずつ稼げるようになり、今は家族に胸を張ってマンガを描き続けられるようになったという方もいるとか。
これは本当に嬉しかったと前田さんは語ります。
こうした取り組みが従来の広告マンガを手がける企業と異なる「マンガ家芸能プロダクション」たる所以です。
「伝えたいことが読み手に伝わる」マーケティング手法としてのマンガの効果
ではなぜ、マーケターの方々にマンガが選ばれるようになってきたのでしょうか?
「だってみんな好きでしょ、マンガ」
そう言ってしまうのは簡単ですが、前田さんに聞くマンガがコミュニケーション手段として優れているところは以下のとおりです。
マーケティングツールとしてのマンガの有用性
1. 時間あたりに認識する情報量が多い
「見る」行為の情報処理量は「読む」の2倍
2. 共感性、記憶定着しやすい
あるプロジェクトではモデルやアイドル、インフルエンサーと比較して
10倍以上リツイートされたことも
3. 離脱率が低い
離脱率60%の記事をマンガ化したところ、離脱率が10%になった事例も
一般的にに動画より離脱率が低く、興味のない人でも見てくれる可能性が高く、比較的低コストで汎用性が非常に高いというのも、広告マンガが選ばれる要因だそうです。
マンガにすると…たしかにこれは見ちゃいます。
まんがたりさんの「いま、会いたいひと」
そんなまんがたりさんですが、まだまだ始まったばかりのスタートアップです。
もっと事例を増やしていきたい段階で、今求めている出会いは「BtoBビジネスを提供する企業のマーケティングに携わる方々」との出会いです。
ここまで読んでくださった皆さん、まわりにBtoBマーケターの方はいらっしゃいませんか?下記ページより、ぜひふるって「応援する」をクリックのうえ、ご紹介をお願いできたら嬉しいです。
次回予告 - メンヘラテクノロジー編 -
さて、次回はZ世代/ミレニアル世代の女性向けマーケティングを支援するスタートアップ「株式会社メンヘラテクノロジー」の代表、高桑 蘭佳さんをお招きします。これまた面白くなることうけあいです。
<こんな方におすすめ>
・Z世代/ミレニアル世代に興味がある方!
・新規事業や新企画に取り組んでいる方or取り組みたい方!
・広報・PRなどブランディングに携わるご担当者の方
・BtoC 20代(特に女性)のマーケティングに携わるご担当者の方
(WEB・リアル問わず)
【開催概要】
日 時:2020年9月23日(水)8:10~9:00(8:00オープン)
参加費:無料
定 員:20名
会 場:オンライン
こちらからお申し込みいただけます!
編集後記
いやー。まんがたりさん熱かったですね。
前田さんの「面白いマンガを読み続けたい」「でもマンガ家が苦しんでいる。何とかしなきゃ!」という自分ごとでピュアな想いをそのまま形にしたようなビジネス。これからも目が離せません。お知り合いにBtoBマーケターの方がいらっしゃいましたら、上記リンクよりぜひご紹介ください!
最後に、私たちSpreadyは、企業と人との新しいつながりを生み出すSNS「Spready(スプレディ)」を運営しています。多くの新規事業について「事業展開の相談をしたい」「当社のサービスを検討してほしい」というプロジェクトも掲載されています。ぜひ無料ユーザー登録をしてのぞいてみていただけると嬉しいです。
それではまた、水曜朝にお会いしましょう!!
本イベント「Spready Collaboration Live!!」は、Spready掲載企業様とSpreader(スプレッダー: Spready登録ユーザーの皆様)の交流の場です。掲載されているプロジェクトにおけるより良いつながりが生み出すことを目的としています。
前回の様子はこちらからご覧ください。
【産業再生を誓う新規事業】老舗の技術をアート業界へ
with アオイネオン様
https://note.com/kazmin119/n/n525e61286ede
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