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AI時代に生き残るには

よく巷間では「AI時代が来たら、人間の仕事がなくなる」とか言われていますよね。

講演会などで話しても、若い子を中心に「これから、どう生き残っていけば良いのでしょう。どんなスキルを身に着けたら良いのでしょう」という質問が結構な頻度で来ます

さぁ、皆さんだったらどう答えますか?

機械も人も、向き、不向きがある

仕事がAI化されるぞ!と言っても、果たして、ありとあらゆる仕事を置き換えることができるでしょうか?

すべてを機械が得意なことと、人間が得意なことに分けるのが最良の手段である。

「人のふりをした悪魔」と恐れられた、天才科学者フォン・ノイマンの言として知られるフレーズですね。

当時のコンピュータが1秒間に2千回しか計算ができなかったとはいえ、それを上回る速度で暗算できる天才の言ですが、彼は徹底した超合理主義者でした。人も機械も、互いに得意なものをやれば良い、ということなのですが、我々はとかく不得意なことを克服しようとしがちです。

向いてないことを努力して、果たしてAIに勝てるのでしょうか?

不得意の克服はコスパが悪い

学校のテストにおいては、どんなに得意でも最大で100点までしか取れませんから、苦手科目の克服は、非常に有効な手段です。しかしながら、社会に出た瞬間に、同じ野球でも草野球とメジャーリーグほどに差が開き、得点の上限値はなくなります。

苦手なジャンルを頑張っても、せいぜい人並みレベルに到達するのが関の山ですが、そのために投下されるコストは非常に膨大なものになります。

マルコム・グラッドウェルの著書で有名になった、「1万時間の法則」っていうのが流行ったのを覚えている方も多いかもしれません。あるスキルに熟達するには、1万時間のトレーニングを積む必要がある、というものです。

ところがミシガン州立大学の研究によると、個々人が一定以上の水準になるための練習時間には、多くの領域で3倍以上の開きがあった、という事実が報告されています。甚だしい例だと、チェスのグランドマスターたちの練習時間は、確かに平均すると1万時間程度でしたが、最も少ない人で800時間であったのに対して、多い人では2万5千時間にも及んでいました。

好きで得意な分野でも、これです。嫌いで不得意なジャンルでは、どれほどの努力が必要になるのか。投下した時間に対しての投資対効果は、良くないであろうことは、想像に難くありませんね。

得意なことをやり尽くせ

機械が人を置き換えるには、一つ明確な法則があります。それは、機械が人より総保有コストが安価になったとき、なのです。
食堂の券売機は従業員がやるより安価だからであるし、工場の生産ラインにロボットを導入するのも、人を雇うよりも正確だし早いからに他なりません。AIも同じです

フォン・ノイマンが言ったように、人も機械も、お互いが得意なことを受け持つのが理に適ったやり方です。組織の存在意義は、互いの強みを活かし、弱みを打ち消すことにあります。AIと人間は、社会という組織を構成するチームです。お互いの得手不得手を補完するのが、理想的な姿です。

我々が進むべきは、まさにこれです。

自分の得意なことをやり尽くし、機械には不得意なことをやりまくることが、AI時代に行き残れる道なのです

さぁ、未来をはじめよう。






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