インタビュー with 二宮理沙子様

 こんにちは。皆さんいかがお過ごしですか?


先日、幸運なことにLean In Tokyoの二宮さんにインタビューをさせていただく機会がありました。その様子をお伝えします!


Q現在Lean In Tokyoのメンバーとして活躍されている二宮さんですが、Lean Inに参加されたきっかけは何でしたか?

A そうですね。きっかけは、大学三年生で参加した授業の一環でシェリル・サンドバーグさんの著書「Lean In」を読んだことです。教育について大学で学び、そこから女性の雇用について調べていた時期でした。その後、日本にも「Lean In」の団体があると知り、参加しました。

また、家庭の様子も参加するきっかけに繋がったように感じています。家族の女性でフルタイムで働いている人はほとんどいませんが、男性陣はフルタイムで働いていました。そんな家族の様子を見ていたからか、一時は自分にとって専業主婦以外の働き方が見えませんでした。自分もこうなるのかなあ、と。同年代の仲間でもキャリアを真剣に捉えている人は多くなかった中で、「Lean In」を読む機会があった次第です。

教育学の授業で、母子家庭の子供の貧困率は父子家庭の子供の貧困率より高いことを知りました。ひとり親であることは一緒なのに、どうしてこんなに違うのと思い、調べると、賃金格差、雇用形体の違い、育休が取れないなど、政策の問題が次々と浮き彫りになってきて。こんな社会で女性として私も生きていかなければいけないのか、という課題感を持ちましたね。


Q Lean In Tokyoに参加していて、ジェンダーを意識した瞬間はどんな時でしたか?

A Lean Inで活動していたおかげで、どういう環境で働きたいかを考えることができました。明らかな賃金格差やセクハラを受けたことはないので、その点で私はとてもラッキーだと思います。それでも、多くの会社は取締役はほとんど男性、リーダー職も男性がまだ多いですし、進んだ考え方を持った会社でも、「無意識のバイアス(偏見)」で、ジェンダーに対するバイアスが働いていることに気づいていない人が多い印象です。


Q自分が女性で良かったな、と思ったことのある出来事や経験はありますか?

A 女性で良かったなと思ったことはないですね。この質問自体がジェンダー差別だと思うところもあります。男女という括りではなくて、「私」というアイデンティティーの中に女性という性が組み込まれている感じなので、女性だから良かったと思ったことは今のところないです。私でよかった!と思うことはあります!

それに、フェミニスト=女性だけに焦点をあてた活動、という概念はないほうがいいと思うし、女性活躍という言葉も無い方が本来はいいとは思っています。Lean In の活動をわかりやすくラベリングするために「女性活躍」という言葉を使っていますが、Lean Inの活動も最終的には必要ではなくなる社会を実現することの方が重要だと感じます。でも、現状では格差や差別がなくならないので、エンパワーをしていいます。女性だけではなく、最終的には個人がエンパワーされる活動になるといいと思います。


Qでは、女性であることをマイナスに捉えたことも無いですか?

Aデータを見ると問題だなと思うことはありますが、それで自分の性別が嫌だと思ったことはないです。前述の通り、私はとてもラッキーで、上司や同期、後輩、友人に恵まれており、ジェンダー差別を受けたと感じたことは特にありません。


Q今の世の中は、女性によって活躍しやすいものだと思いますか?

A昔は職場に女性が今以上に少なかったことや、男性が働いたほうが生産性が高いモデルが確立されていたことを見ると、今、一人、一人の意思が尊重されるような働き方を決める権利が育ってきたことは良いと思います。
その一方で、日常生活でうっと思うような発言も聞きますし、女性がセクハラ発言を受けることの多い業界もあるので、その点ではまだまだと思います。


Qでは、今の世の中は男性にとっては活躍しやすいものだと思いますか?


A男性が育休を取る必要はないという文化がまだありますし、働きたいと男性が求めたら(良くも悪くも)会社で働けてしまう機会は、女性よりもきっと多いですよね。でも、少しずつ男性含め私達の価値観も変わってきていて、活躍=会社で出世することに限定的ではなくなってきているのでは、と思います。

Q最後に、社会におけるジェンダーの捉え方がどのように変わったら良いと思いますか?

A Lean Inが男性にとったアンケートでは、規則や会社の制度が整うこと以上に、個人の働き方や生き方が尊重される文化の情勢が必要という回答が高かったです。

文化を作っているのは私たちだから、一人一人がアクションをとっていく必要があります。おかしいなと思う発言について考えて話してみたり、共感してくれそうな人、仲間を見つけてみることでもいいと思います。上司や先輩に相談するなどのアクションも必要です。

私は就活の時、友達と同じ方向に進んだほうがいいのか、自分がやりたい教育やジェンダーに関わり続けたほうがいいのか悩んだことがありました。やりたい方を選ぶには決断力が必要になってきます。ぜひ自分の決断力に自信を持って、正しいと思う方にアクションをとってほしいと思います。

一方で、一人だけでアクションを続けていても時間がかかるので、決断をするポジションにジェンダーも人種も多様な人を置く必要もあります。リーダーシップをとる立場に多様なアイデンティティーを持ってる人がいるからこそ、ディスカッションした際に、多様なアイディアを組み合わせて最適な対応を取ることができるのかもしれません。

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