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バドミントンはなぜ強力なサーブを打たないのか

先日、女子バレーボールW杯が開催されていましたが、
バレーでは強力なジャンプサーブや不規則な変化を見せるフローターサーブなど、
サーブで相手を崩すこと、さらにはサーブで点を取ることは勝つために重要な要素かと思います。

バレーボールの漫画でもサーブに着目した
「ハリガネサービス」という漫画があります。
主人公は狙ってネットインのサーブを打つことができます。
興味を抱いた方はぜひ読んでみてください!

バレーボールを題材にした漫画と言えばもう一つ「ハイキュー」もありますが、この漫画を読んでもサーブが重要なことがわかります。


また、テニスにおいてもサーブが強力なことは大きな武器となります。
人気漫画「テニスの王子様」の主人公もサーブを一つの武器にしていますよね。


全ての攻撃の起点となるサーブはどのスポーツでも重要視されています。

しかし、バドミントンの試合を見ると
強力なサーブを叩き込むことやシャトルが変化するようなサーブを打つことはありません。

素人目には相手が打ちやすいようにフワーッとシャトルを飛ばしているように見えます。

なぜ、バドミントンでは他のスポーツのように
サーブを打たないのでしょうか?

それは…

ラリーが続くようにするためです!!

バドミントンにはサーブについて、いろいろルールがありますが、その中から2点紹介します。

まず1つ目、

もし何ものにも妨げられなかったならば、シャトルは、レシーバーのサービスコートの内(境界線の上または内)に落ちるようにネットの上をとおり、サーバーのラケットから上向きに飛行しなけれはならない。

J Sports より

シャトルを上向きに飛ばさなければならないというルールです。

そのため、テニスのように上から打ちおろすようなサーブはできません。

バドミントンは最速のスポーツとしてギネスブックに認定されており、
最速で初速565km/hを記録します!!

サーブでそこまでのスピードは出ないかもしれませんが、やっとの思いで高速サーブを返しても
サーブ側がずっと優位にラリーを続ける展開になる可能性があります。

テニスでも強力なサーブでエースをとることがありますが、
テニスは1ゲームごとにサーブ権が移ります。

一方で、バトミントンは点を取っている側がサーブを打つことになります。
強力なサーブを打っていい場合、先にサーブ権を獲得した方がそのゲームを制する可能性が高くなるかと考えられます。

この点はバレーボールと共通しますが、
バレーボールの場合は球の大きさ、コートの広さ、コート上の人数、人の配置、
さらには、一回で相手コートへ返す必要がないことからサービスエースを取れる可能性は高くないのではないでしょうか。

実際、Vリーグでのサーブ賞受賞者でもサーブ効果率は約15%前後となっており、
すごいサーブを打ってもそれだけで勝てる競技ではないかと考えられます。

サーブ効果率とは、そのサーブで相手の攻撃が 良い形で行われるのをどれくらい防いだかを数値 化して表したものである。

サーブ効果率は次の式で計算されます。
サーブ効果率=(サービスエース×100+サーブ効果×25-サーブ失点×25)/サーブ打数


【サービスエース】サーブが直接相手コートに落ちた場合や、レシーバー・レシーブチームの一連のプレー中のミスで得点になり、その原因がサーブにあったもの
【サーブ効果】相手チームのサーブレシーブを崩し、サーブレシーブ失敗と判定されたサーブ

【サーブ失点】打ったサーブがネットを越えなかった場合や、アウト判定になった場合などサーブによる失点

VリーグHPより



もう一つ、

サーバーがサービスをしようとしてシャトルを打ちそこなってはならない。

J Sports より

これはわざと羽の部分を打って不規則な変化をつけることを禁止するルールになります。

その他にも細かなルールが定められていますが、

バドミントンはサーブだけで点をとれないようなルールを作っています。
(反則により、相手に点が与えられることはありますが)

つまり、バドミントンはラリーで戦うことを推奨しているということです!

サーブだけで終わってしまうなんてつまらない、
時にはスマッシュでガツンとかます、
時にフェイントで相手の意表をつく
前後左右どこに振られてもなんとかくらいつく
こんなラリー戦が面白いでしょう

という発想のもとサーブには厳しいルールが定められているのではないかなと思います。


P.S.
バレーボールもテニスも漫画を紹介したので、
バドミントンを題材にした漫画「アオのハコ」を紹介します。
"アオ"てついていることからお察しかと思いますが、バドミントンの漫画というよりはそっちよりです。

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