脚式ロボットの全身運動制御

球技において競技者は二本の足で立ち、走り、ボールを投げたり、打ったりします。人間はこれらの運動を難なくこなします。対して、ロボットにこのような運動を行わせるのは非常に難しいことです。

理由の一つとして、脚で移動するロボットは、倒れないように姿勢を制御するだけでも大変であることが挙げられます。姿勢を制御しつつ、腕で作業するための研究が、現在でも進められています。

走るロボットについては過去に紹介しました。ロボットを走らせるために、足の運びに加えて姿勢を制御することについて以前紹介しました。今回は、姿勢の制御に作業が加わります。

全身リーチング

ロボットアームが、何か作業する時、置かれた物体に手を伸ばします。この手を伸ばす動きをリーチングと呼びます。ヒト型ロボットは立っているので、手を伸ばしつつ、倒れないように制御する必要があります。そのような制御について様々な研究が行われています。

移動してリーチングする制御方法も提案されています。

重量物の投擲(とうてき)

四本脚のロボットが、足踏みしながら重い物体を投げる方法が提案されています。身体の物理モデルを利用して、遠くに投げるためのモータへの指令を最適化しています。

ヒト型ロボットの打撃

すばやく腕を動かすと、反動で胴体が揺らぎます。このため、ヒト型ロボットがボールを打つ時には、すばやい腕の振りを考慮して制御します。

卓球ロボットは、以前紹介したものです。

まとめ

脚式ロボットが姿勢を制御しながら腕を動かす制御について、リーチング、投擲、打撃を紹介しました。

速度が大きくなるほど、動きが大きくなるほど制御は難しくなり、未だ人間のようには動けていませんが、紹介した基礎技術の積み重ねの先に、人間のような全身運動が達成されるように思います。