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【Doctor Tのスポーツ医学】タンパク質を摂ろう!

 こんにちは。Doctor Tです。今回は運動に関する栄養の話をします。タンパク質についてです。筋肉をつけるにはタンパク質が必要ですね!

生活習慣病と食事
 運動と食事の改善・見直しは、糖尿病や脂質異常症(コレステロールや中性脂肪が高い)の患者さんに対して一番に行うことです。糖尿病や脂質異常の方は肥満やそれに近い状態になっていることが多いので、食べる量を抑えて運動を増やすのは効果的だと言えます。ただ、中には痩せていても血糖やコレステロールが高い人がいます。

たんぱく質は減らすべからず
 すでに痩せている方が「その食事内容に関わらず、食べる『量』を減らしてしまう」と、栄養不足になり、よくありません。病気を治しながらも丈夫なからだは保ちたいですよね。そこで減らしてはならないものの一つがタンパク質です。(腎臓が悪い人は主治医の指示に従ってください)

 もちろん病気を抱えている人だけでなく、健康な人、特に運動をしている人も、たんぱく質を摂ったほうがいいですね。運動によって筋力を強化したり、筋肉を大きくするには、その材料となるタンパク質が必要だからです。

筋肉は常に生まれ変わっている
 実は筋肉はつけたらそのままでいてくれるわけではなく、常に壊れては再生されるを繰り返しています。なんと約2ヶ月で腕の筋肉は全て入れ替わってると言われています!

運動によって壊され、新たに作られる
 筋肉は、下図のように運動をすると壊されます(波打っている「点線」)。これを「分解」といいます。同時に運動は筋肉の「合成」を刺激するため、新しい筋肉づくりが始まります(赤矢印)。「合成>分解」となって筋肉は大きくなります。
 逆にたんぱく質不足、運動不足で「分解>合成」になると筋肉が小さくなります。

 ある論文では、筋肉量が減ってくる「サルコペニア」は40−50代で始まるとあります。

年を取るとたんぱく質を摂っても筋肉になりにくくなる
 若い人の方が、たんぱく質を摂った際それを筋肉にする反応がよいのです。つまり少量のたんぱく質を取るだけで効率よく筋肉が作られます。

 下の図を見て下さい。10gのたんぱく質を摂った時、若者の筋肉は100%近く合成されるのに対して、高齢者は30%しか合成されません。しかし、高齢者も多くのたんぱく質を摂ると、若者の筋肉合成量に追いついてきます。

高齢者は若者の1.6倍たんぱく質を摂ろう
 ある研究によると、筋肉合成を刺激するのに必要なたんぱく質の量は、若い人が0.24g/kgだったのに対して、高齢者は0.40g/kg必要でした。あなたが高齢者でないとしても、年齢とともに必要なたんぱく質はかなり増えることがわかりますね。

 ここまでで、年を取るほどたくさんのたんぱく質をとらなければならないことがわかりましたね。ではどのように摂るのがよいのでしょうか?

一気食いではなくわけて摂ろう
 たんぱく質は一気に食べるより、1日を通して小分けに摂るほうがいいと言われています。確かに夕食はステーキなどメインでたくさんのたんぱく質を摂ることができますが、だからといって朝昼のたんぱく質の量を減らしても大丈夫というわけではないのです。

【まとめ】
・生活習慣病であってもたんぱく質はしっかり摂ろう。
・筋肉は常に分解と合成を繰り返している。
・運動によって筋肉は壊され同時に再生が刺激される。
・年を取ったら若い時よりたくさんのたんぱく質が必要。
・たんぱく質は1日を通して小分けに摂るのがよい。

 少し難しい説明になってしまいましたが、たんぱく質は減らすべき栄養ではなく、年を取るほど多く摂るのが望ましいということです。

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