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Mn(マンガン)

カラダの様々な機能を調節するミネラル。
マンガンの基本的な役割と、スポーツシーンでの重要性についてお伝えします。


機能

マンガンは成人の体内に10〜20mg存在し、そのうちの25%が骨、残りは各組織にまんべんなく存在しています。
マンガンの吸収率は1〜5%とされ、鉄と似た経路で吸収されます。そのため、鉄が不足しているとマンガンの吸収率が増加するなど、鉄の栄養状態に影響を受けます。

・さまざまな酵素の材料となり、それらの酵素を活性化する
・骨の形成を促進する
・糖質や脂質の代謝を助ける
・抗酸化作用

体内に存在する量はわずかなミネラルですが、スポーツにおいても重要な代謝や成長に働くミネラルです。


マンガンの食事摂取基準【目安量(mg/日)】

6〜7歳      男性:2.0   女性:2.0
8〜9歳      男性:2.5   女性:2.5
10〜11歳    男性:3.0   女性:3.0
12〜14歳    男性:4.0   女性:4.0
15〜17歳    男性:4.5   女性:3.5
18歳以上     男性:3.0   女性:4.0


スポーツシーンでの重要性

<欠乏による影響>
マンガンは野菜や豆類、穀類、種実類、海藻などの植物性の食品に広く含まれているため、普通の食生活で不足することはありません。
マンガン欠乏の症状としては、子どもが長期間完全栄養静脈栄養両方下にあった場合に、成長抑制や骨の代謝異常が起きてしまう可能性が高いと考えられています。かなり限定的な場合ですので特に心配する必要はないでしょう。

<過剰による影響>
食事から摂取した場合ではありませんが、完全静脈栄養を行っている患者に、誤った投与法でマンガンを投与すると中枢神経の障害が起きてしまいます。サプリメントの過剰摂取や厳密な菜食などの食習慣の場合に過剰摂取が生じてしまう可能性があるため、耐容上限量が設定されています。


マンガンを多く含む食品

モロヘイヤ、あしたば、大豆、油揚げ、生揚げ、茹でひよこ豆、くるみ、くり、ヘーゼルナッツ、玄米、しじみ、あゆ             など


一般的な食生活をしていれば不足も過剰も心配のない栄養素です。
しかし、過剰摂取にはリスクがあるとされ、耐容上限量が定められています。そして、過剰になってしまう原因としてサプリメントの不適切な摂取や厳密な菜食などが示されています。サプリメントの利用も食事法もさまざまな栄養素のバランスを考慮することが大切です。


この記事を書いたのは
公認スポーツ栄養士 乳井優生
Twitter:優生(ゆうき)/健幸ごはん
Instagram:管理栄養士 優生
YouTube:優生の健幸ごはん



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