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Zn(亜鉛)

カラダの様々な機能を調節するミネラル。
亜鉛の基本的な役割と、スポーツシーンでの重要性についてお伝えします。


機能

亜鉛は体内に約2,000mg存在し、骨格筋や骨、皮膚、肝臓、脳、腎臓などに存在し、たんぱく質と結合してカラダの様々な機能に関与しています。
多くの補酵素の成分になっていて、新陳代謝には欠かせません。

・新しい細胞を作ることを促進する  傷の修復を促す
・成長期の子どもの発育、成長を促進する
・生殖に関わるホルモンの合成や分泌
・正常な味覚を維持する

体内に存在する量はわずかですが、コンディショニング にもカラダ作りにも関わる大切な栄養素です。


亜鉛の食事摂取基準【推奨量(mg/日)】

6〜7歳      男性:5    女性:4
8〜9歳      男性:6    女性:5
10〜11歳    男性:7    女性:6
12〜14歳    男性:10   女性:8
15〜17歳    男性:12   女性:8
18〜74歳    男性:11   女性:8


スポーツシーンでの重要性

<欠乏による影響>
亜鉛の欠乏による症状には皮膚炎や味覚障害、慢性下痢、免疫機能障害、成長遅延、性腺発育障害などがあります。
パフォーマンスの向上、コンディショニング のために日々多くのエネルギーと様々な栄養素を食事から摂る必要があるアスリートにとって、味覚障害は非常に辛い症状です。また、成長期のジュニアアスリートにとっては十分な発達発育(成長)が今後の競技人生を左右することになります。
亜鉛は発汗によっても失われるため、練習やトレーニング、試合での発汗量が多い競技に関しては、特に不足させないように食事から十分に摂取する必要があります。
加工食品に頼った食生活や、減量のための食事制限により不足しやすいため、一人暮らしのアスリートや体重階級制の競技、審美系競技、陸上長距離など、体重管理が必要な競技選手は注意が必要です。

<過剰による影響>
亜鉛を過剰に摂取してしまうと、鉄や銅がうまう吸収されなくなってしまいます。鉄や銅の吸収が妨げられた結果として、貧血や免疫力低下、下痢、善玉コレステロール値の低下、抗酸化作用に働くスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の機能低下などを引き起こすことがあります。
特に、貧血や下痢はパフォーマンスに大きな影響を与えてしまいます。
吸収率も30%と低く、一般的には不足傾向の栄養素であり、普通の食生活では過剰の心配はありません。しかし、過剰による影響を考慮すると、サプリメントなどでの過剰摂取には注意が必要です。

亜鉛を多く含む食品

牡蠣、たらばがに、うなぎ、どじょう、するめいか、あさり水煮缶、
レバー、牛肉(赤身)、レンズ豆、そら豆、大豆、高野豆腐、納豆、
精白米、パルメザンチーズ、卵黄             など


亜鉛はビタミンCとともに摂取することで効率よく吸収することができます。一方で、玄米などに含まれるフィチン酸は亜鉛の吸収を疎外します。
うな重や牡蠣ごはんは精白米のごはんで食べるのがおすすめです。


この記事を書いたのは
公認スポーツ栄養士 乳井優生
Twitter:優生(ゆうき)/健幸ごはん
Instagram:管理栄養士 優生
YouTube:優生の健幸ごはん



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