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【あなたの人生最期の食事は何にしますか?】

本日ご来店のお客様が帰り際のお会計時に、

『Spoonの冷凍スープを買って帰りたいのですがありますでしょうか?』

と言われました。実は今、冷凍スープが完売中でした。
私がご対応させて戴き、

「申し訳ありません、只今冷凍スープが完売しておりまして来週あたりになりますがこちらから発送させて戴いても宜しいでしょうか?」

『ぇえ、勿論急ぎませんのでお願いします。』

「承知しました。出来上がり次第発送させて戴きます!」

お客様は静かに頭に何かをよぎらせるように話出しました。

『実は……前回こちらの冷凍スープを大切な友人に贈らせて戴きました。その友人は末期の胃がんでした。胃がんで思うように食事が出来ない友人も、なめらかで温かいスープをならきっと喜んでくれると思って贈りました。
早速スープを飲んだ友人から電話があり、

"あんなに美味しいスープは初めて飲んだよ、本当に本当に美味しかったよ!ありがとう!"

と連絡もらいました。
その友人は数日後に残念ながら亡くなりましたが、本当に嬉しそうで元気な声が今でも忘れられません。そんな元気が出るスープを私も飲んでみたくなりました。急ぎませんので是非お願いします。』

※一部省略。

私達料理人いや飲食業界はうわべだけではない、もっと深いところを感じなければなりません。食は廃りません、食は人を心を豊かにします。反対に人を不快にもします。衛生を熟知し、素材を吟味し、技術を磨き、私達は真摯に料理にお客様に向き合います。

改めて帯を〆直すきっかけを戴いたお客様に心から感謝致します。9周年という節目を前に身の引き締まる思いです。

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