ChatGPTを利用していて感じる、無機質かつ虚無感・喪失感のようなものの正体は何か?
Note.comの読者の皆さまはもうChatGPTを体験したことがありますか?
近年、人工知能(AI)の進化は私たちの日常生活に大きな影響を与えています。その中でも、OpenAIが開発したChatGPTは、AIとの対話を通じて新たなコミュニケーション体験を提供する技術です。ChatGPTは、語学力や豊富な知識、柔軟性を備えた言語モデルであり、企業や個人が様々な目的に活用することができます。
すでに個人アカウントでChatGPTを利用されたことのある読者の皆様ならご存じのように、こちらの入力した質問に対して驚くほど滑らかな日本語表現で、瞬時に返信が始まるその様は、まさに新時代AIの幕が開けたんだなと実感した瞬間ではないでしょうか?
ただ一方で、ChatGPTから返ってくる生成文章に、無機質なある種の虚無感を覚える方も少なくないはずです。ChatGPTのようなAIとの対話を通じて感じる虚無感や喪失感の正体は、いくつかの要素が絡み合っていることが考えられます。
AIは人間のような主体性や自己意識を持っていない
まず第一に、ChatGPTは情報処理のためのツールであり、感情や意識を持っていないということです。AIは人間のような主体性や自己意識を持っていないため、対話の中での存在感や共感を感じにくいことがあります。そのため、AIが返す文章は技術的に洗練されていても、感情や共感を欠いていると感じられることがあります。
予測可能性や一貫性の高さ
また、AIは学習データに基づいて文章を生成するため、既存の文章パターンや傾向を反映することがあります。その結果、同じような表現や回答が繰り返されることがあり、対話の中での個別性や独自性を感じにくくなるかもしれません。この予測可能性や一貫性の高さも、虚無感を引き起こす要因となるかもしれません。
ChatGPTは人間の表情や反応、声のトーンを判断しない
さらに、AIとの対話は人間同士のコミュニケーションとは異なる点もあります。人間同士の対話では、相手の反応や表情、声のトーンなどから多くの情報を受け取り、コミュニケーションが深まりますが、AIとの対話ではそれらの要素が欠落しています。そのため、対話が単調であると感じたり、相手への理解や関心が欠けているように感じることもあります。
人間の得意分野や仕事が奪われる可能性
また、AIが人間の役割を一部代替することによって、人間の存在意義やアイデンティティに関する不安や喪失感を感じることもあるでしょう。AIの能力の拡大によって、人間の得意分野や仕事が奪われる可能性があるという懸念や脅威を抱くこともあります。このような社会的な文脈も、虚無感や喪失感を引き起こす要因となるかもしれません。
家庭教師に変わることはできないのではないか?
ChatGPTは、自然言語処理(NLP)の最先端技術を活用しています。訓練データには、多岐にわたるインターネット上の文章や情報が使用されており、その結果、ChatGPTは幅広いトピックに関して的確な回答や対話を提供することができます。AIは特定の教育目的において一定の役割を果たすことができますが、これまで考察したような内容から、完全に家庭教師を置き換えることは難しいと考えられます。
家庭教師は人間の教育者であり、生徒との対話や個別の指導を通じて学習のサポートや指導を行います。家庭教師は生徒のニーズや学習スタイルに合わせて教材やアプローチを選択し、質問に対して適切なフィードバックや解説を提供することができます。また、生徒の進捗状況や理解度を把握し、必要な調整や補強を行うこともできます。
一方、ChatGPTは大量のデータやアルゴリズムに基づいて情報を処理し、特定のタスクにおいて高度な処理能力を持つことが特徴です。ChatGPTは教育分野でも活用され、オンライン学習プラットフォームや教育アプリなどで学習支援や教材提供などの役割をすでに果たしています。ChatGPTは個別の学習ニーズに合わせたカリキュラムの提案や、学習データの分析を通じた個別のフィードバックも行うことができます。
しかし、ChatGPTにはいくつかの制約が存在します。先ほどから述べているようにChatGPTは感情や経験は持っておらず、人間のような共感や洞察力を提供することは難しいです。また、柔軟な発想や創造性、実際の教室でのコミュニケーションや対話の中での教育効果も期待できません。あくまでツールやサポートの一環として活用されるべきであり、家庭教師の代替というよりは補完的な存在として捉えるべきです。
したがって、AIは教育現場での役割を果たすことができますが、家庭教師の持つ人間の特性や個別指導の利点を完全に置き換えることはできないと言えます。個々の生徒のニーズに応じて、AIと家庭教師を組み合わせて最適な学習環境を構築することが望ましいでしょう。
まとめ
ということで、現状のChatGPTでは人間対人間のようなコミュニケーションは得られず、何かしらの回答について書面が提示されるイメージということになります。重要なことは、ChatGPTで得られた回答をもとに、さらに人対ひとのコミュニケーションのステージでその回答をブラッシュアップしたり、その回答を元にさらに詳細な回答へ落とし込んでいくような、リアルコミュニケーションを形成していくことが重要ではないかと感じています。
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