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恐怖の先にあるもの

人を統率するって、マジで難しいよな。
時には優しく、時には厳しくって言うけど、そう簡単にコントロールなんて出来ない。

特に自分の意見を通したり、従わせたりする時っていうのが、また難しい。
「黙って俺について来い!」「はい!!」みたいな世界は、軍隊か、ドラマの青春ものの中くらい。
だから、リーダーと言われる人たちは、あの手この手と作戦をねるわけだけど、とりわけ、この国のリーダーは歴代、そこが超絶下手くそ。頭はいいはずなのにな。

だけど、恐怖でなんとかしよう、と思ってないだけまだマシかもな。
恐怖で統率するってさ、何も残らないからな。
「怖いから従う」ってのには限界がある。

結局、怖くなくなれば従わないし、
ましてや憎しみに変われば、最悪、戦争になるわけで。

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小4の息子。

毎日楽しく登校している。

勉強は苦手(うそ。嫌い)だけど、
ま、毎日楽しくやってるようで親としても安心している。

しかし、唯一の彼の悩み。

それは、


担任の先生が怖いと言うこと。


4年生になるまでは、比較的優しい先生にあたっていたが、
今回は、少しばかり厳しい先生にあたったようだ。


ここで、まずは誤解なきよう、
先生に対して全力フォローを入れておこう。

この担任の先生は、
まず暴力を振るうとかいう、いわゆるクソ教師では全くない。断じて、ない。
むしろ、子供の事を真剣に考えてくれる良い先生。
それは日々の宿題へのコメントや、
実際に個人面談で話した結果(話したのはカミさんだが)からも、よくわかる。

つまり、とっても真面目な先生なの。
というかキチっとしてる感じ。

だらか、大人から見たら、
怒るときは怒る、というだけの話なんだろうけど、
まぁ、そこはね、子供たちにはどう映ってるのかってのはわからない。

息子に言わせると、
「超こえー」らしく、その印象は息子だけではなく、他のクラスメイトも共通の印象らしい。


そんなある日。


息子「どうしよー」

事件の予感。

「なに?どうした?」

息子「社会の教科書が無いんだよ

事情聴取の結果はこうだ。

社会の教科書は間違いなく家に持って帰ってきた。

で、宿題のために一度ランドセルから出した。

宿題が終わり、これまた間違いなくランドセルへ。

次の日、学校から帰ろうとしたら、ない。

家にあるかと思い、一旦帰宅し、大捜査。

しかし見つからない。

息子の言ってることがホントなら、
これはあとは教室のどこかにあるか、しかない。

「ってことは教室のどっかにあんじゃねーの?」

息子「んー」

「友達が間違って持ってるとか、さ」

息子「んー」

「あとは、心当たりないのか?」

息子「なんか先生の机に教科書が積んである場所があるんだけど」

「じゃ、そこに間違って入ってるかもじゃん」

息子「そうかもしんないけど、、、」

「明日さ、学校行ったら先生に聞いてみな」

息子「なんて?」

「いや、だからさ、社会の教科書ないんだけど、ここ調べてもいいすか?って」

息子「あー」

「へ?何で?」

息子「いやー」

「何!!?」

息子「怖え〜んだよー」


!?

ん〜

これは、どうなのか。

もちろん、先にも書いたとおり、
とっても良い先生です。(何をもって良い先生なのか、という議論もあるが)

少なくとも子供たちのことをよく考えてくれている。

真剣に頑張って向き合ってくれているのは、わかる。

わかるけど。

教科書ないから、探していいですか?の一言が言えないくらいビビらせるってのは、やはりどうなのだろうか。

これでは全てが、「怖いから」という理由になってしまう。

怖いから宿題やる

怖いから静かにする

怖いから言うことを聞く

先生本人も、もちろんこんな結果を望んではいないだろう。

それでも知らず知らずに恐怖で押さえつけてしまっている現実。

よかれと思い、厳しくしたことが、
結果、恐怖政治を生んでいる現実。

中々、難しいけど、
でもやっぱり、話が気軽にできない関係性って、よくない。

「怖くなんかねーよ、そんなの。普通のことじゃん、聞いてこいよ」

息子「いやでもマジで怖いんだよ、パパは知らないからなぁ」

「いや、おまえ、俺に散々怒られてるでしょ?俺の方が怖いでしょーよ」

あ、いや、何、どっちが怖い勝負してんだ、俺は。。。

息子「いやパパより怖いよ」

「へ?!俺より怖いの?」

息子「あれは怖いよ、うん、パパより怖い」

「え〜じゃ、相当怖いんだな・・」

息子「あれはヤバいね」

「なるほど。どれくらい怖いの?」

息子「鬼」


お、お、鬼。。。!


その後、勇気を出して鬼に話かけた結果、
「ここ、探してみな」と普通に言われ、
探した結果、無事、社会の教科書を救出。

鬼も話してみれば、人間だった、ということがわかり、
息子の恐怖は少しやわらいだと。

そう、みんな人間なんだから。

ただね、そう思わせてしまうってことも大人は知っておかなきゃいけない。

でも鬼だって、話してくれたら嬉しいと思うぞ。

頑張れ!息子よ!

鬼退治だ!(いや退治ではないか)


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