冷静と情熱の間
人に何かを伝えるって結構難しいよな。
要点だけ抜き出し、なるべくわかりやすく伝えてるつもりなんだけど、なんかクドクドしく話してる時があったりする。そこに感情や想いが乗っかってくるとさらにタチが悪い。
理想は、要点は完結に。そして、その上で、気持ちを乗せる。
まさに冷静と情熱の間。
でもそれがまた難しいのね。話しているうちに情熱が勝ってしまって論点がずれたり。かといって冷静に淡々と説明だけしてると、なんか感情が伝わりきれなかったりして。
伝える内容にもよるんだろうけど、理想は、冷静と情熱の間にある。
その間になにがあるのか。
俺にはいまだに、さっぱりわからん。
——
とある日。
ピンポーン、といつものようにチャイム。
息子「ただいまー」
今日も元気に帰宅。
ドアを開けると、何やら小さい段ボールの箱を持っている。
両手でしっかりフタの部分を抑えて。
「何、それ?」
息子「これはね!」
息子は興奮気味に説明してくる。
(本当の!)内容はこうだ。
学校から帰宅途中。
家の近くで顔見知りのおじさんにあった。
その人は何度も会った人で、俺も知っている。
そのおじさんに、
「おう!虫、好きか!?』
と、聞かれたらしい。
で、
息子「好きです!」
そう答えると、
「よし!じゃ、これをあげよう。」
とダンボールの箱を渡される。
「その中に、大きいカブトムシが入ってるからな!」
息子「うひょー!まじで!」
「フタの部分をしっかり抑えて家まで帰るんだよ」
息子「わかった!」
「それから、これが大事なことなんだけど」
息子「何?」
「おうちの人には、<2号棟の●●さんにもらった>って言うんだぞ。
怪しい人からもらったんじゃないって言うんだ。
2号棟の●●さんっていえば、おうちの人も安心するかな」
息子「わかった!必ず言うよ!!ありがとう!」
という、なんとも微笑ましいエピソード。
近所の大人との交流は子供にとって大事だと思ってるし、
何よりも、そうやってちゃんと伝えてくれることに感謝です。
しかし、そんな素晴らしいストーリーも、
ヤツにかかると、ミステリーになる。
--
では、シーンを再び玄関先に戻します。
以下、息子の説明(リアル版)
※上記の(本当の!)内容を俺は知らない状態で、聞いてます。
「何、それ?」
息子「これはね!」
息子「怪しくないよ!」
「は!??」
息子「絶対怪しくないから!」
「いや、怪しいよ、その段ボール。何だよそれ!」
息子「だから!怪しくはないのよ!」
「なんで」
息子「2号棟の●●さんだから」
「2号棟の●●さんがなんで怪しくないの?」
息子「これは、2号棟の●●さんだから!」
「、、、!その段ボールに2号棟の●●さんが入ってんの。。。?」
息子「違うよ!これはカブトムシ!」
「カ、カブトムシ!!??」
息子「そう!これはカブトムシ!」
「2号棟の●●さんってのは??」
息子「だーかーらー!2号棟の●●さんからもらったの!」
「あーそういうことね!」
息子「2号棟の●●さんは怪しくないよ!」
、、、。
言い方によっちゃ、逆に怪しく聞こえるぞ、それは。。
と、まぁ、ちゃんと伝えなきゃいけないという気持ちが先走って、
「怪しくない」がまず口から出てしまったという。
その後、興奮気味に話してるうち、迷走したっていう。
それだけ、嬉しかったんだろうな。
それは、良い事だけど。
ということで、この場を借りて。
2号棟の●●さん、本当にありがとうございました!!!
全然、怪しくないです!!
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