#03 TV中継について考える

スポーツに触れる瞬間は多々ありますね。
実際にプレイしたり、見に行ったり、、など。
その中でも、より簡単で誰でも触れる機会を持てるのが、TV中継ではないでしょうか。
現在はCSや、ネット配信など、自分で見るものを選ぶ時代になっていますが、それでも、やはりTVというものが、もっともハードルの低いものではあります。

スポーツが文化になるために、様々なことが必要とされますが、その中でもメディアのレベルが上がる事が非常に重要です。
メディアの成長なしにスポーツ文化はありえない。とは言い過ぎかもしれませんが、ここ最近、TVメディアに感じることなどを交え、TVメディアの理想や未来について考えてみます。
今回は半分愚痴のようなものですが。。


スポーツを伝えるという意識

では、メディアの何のレベルが必要か、ということですが、私は、「スポーツをスポーツとして伝えるという意識」のレベルだと思っています。

例えば実況。
スポーツ観戦スタイルの中でも、現場にいくという行為より先にまず体験するのがTV観戦でしょう。それだけに大事なのが実況です。
中には本当に素晴らしい実況をされる方もいます。プレイの邪魔はせずに、必要な情報を的確に伝え、会場のシズル感を絶妙なフレーズで表現する。
いわば、実況さえも、その試合の一部として記憶されるような名実況試合を私も何度か体験しています。

スパサカでもその昔特集していました。

一方で、絶えられず音声を消してしまいたくなるような実況も存在します。
そんなクソ実況の特徴として、

●選手の名前を平気で間違える
例】その昔、日本代表の試合をみていたら、三都主と坪井を間違えていたのです。
当時、三都主はサイドバック、坪井はセンターバック。
ポジション的にも間違えるはずはないのに。
唯一、2人の共通点は、坊主だったこと。

●試合に直接関係ない話ばかりする
例】よく高校年代の試合で聞く実況スタイルです。この選手は先日家族が亡くなりました。みたいな。全く関係ないですよね。これを聞かされてどう思えというのか。当の選手は、それを胸に頑張ってるでしょうが、そこで評価されたくはないでしょう。

●知ったかをする
例】私の愛するクラブの試合を実況したアナが、「このチームは今こういう実況で、こうだから、今日は絶対負けられないのです。」と言い切りました。実際、そんなことないのに。よく知らないなら黙っとけ、です。

●そもそも、状況やルールを知らない
論外。実況する資格なし、です。

というように、あまりスポーツに詳しくなかったり興味がないと気がつかないかもしれませんが、本当にスポーツの良さを伝えようとしているのか疑問な実況があふれています。
これがCS放映などになると、まともな方が増えるので、やはり、金を払わないとまともな実況は聞けないのでしょうか。


どう捉えて中継するのか

先にも書いたように、大事なのは、「スポーツをスポーツとして伝える意識」だと思っています。
淡々と伝えるスタイル、絶叫スタイル、応援スタイル、色々なスタイルがあって良いし、そこに対しての好き嫌いは個人で決めればいいと思います。
それが「スポーツを伝える」という意識の中での表現であれば問題ないと。

問題なのは、それって関係なくね?という情報にたいして、誇張しまくること。

例えばですが、
ルーキーの選手が初ホームランを打ったとします。
「ホームラン!亡き父の想いを乗せたボールはライトスタンドへ!プロ初ホームランは、父への最高のプレゼント〜!」
なんて絶叫して、
これ、感動するかもしれないですけど、彼の努力とか、ドラフト何位の選手とか、高校ではどうだったか、とか、全然わからないです。
もちろん本人は父のため、という想いはあって当然です。でもそこに一番のスポットを当てるというのは、何か芸能ネタのようだし、彼自身へのスポットではない気がするのです。彼はプロ野球選手であって、今は試合中。彼の野球選手としての魅力はもっとあるはずです。彼のプロ初ホームランがこんかカタチで伝えられたら本当に可哀想です。
まぁ、これは例え話ですが。

別に家族ネタに触れたらダメというわけではないのです。言いたいのは、そこばかり誇張し、あたかもお涙頂戴的な実況はスポーツを正しく伝えるのには、不必要であると思う、ということです。スポーツをスポーツとして伝える意識が低い、と。

ある監督は、自分の母親が亡くなったことを一部のスタッフにしか伝えず、その日の試合に臨みました。選手やメディアが、事実を知ったのは試合後。その監督は、もし事実が知れたら、そこにスポットがあたってしまい、選手に影響が出るかもしれない、と思い、試合後まで黙っていたそうです。
つまりは、現場はそこまでして闘っているのです。

そういった現場の熱量を、うまく伝えていただきたいですね。


空気を伝える仕事

とまぁ、愚痴混じりにまくし立ててしまいましたが、スポーツ実況とは、現場の空気を伝える、重要な仕事です。
スポーツの素晴らしさは、生の現場にこそ、あふれています。
それを正しく、そして、より魅力的に伝えてこそ、スポーツ中継の意義がある、と思うのです。
試合以外では色々な情報が飛び交っても、仕方ないところもあります。選手もプロ。話題も大事です。
しかし、試合中は、余分な事は必要ないと思うし、彼らが一番輝く瞬間を正しく切り取って伝えてあげることが、最高のプロモーションになるのではないでしょうか。

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