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将来どうなりたいのか、その逆算で今が決まる【実践!スポーツビジネス道場#09】

←第8話

ポッドキャスト番組「実践!スポーツビジネス道場」の文字起こし記事です。
「実践!スポーツビジネス道場」は一般社団法人スポーツビジネスアカデミ(SBA)の公式オンラインサロン「THE BASE」が毎週木曜日に配信しているポッドキャスト番組です。
スポーツビジネス界で奮闘する若手ビジネスパーソン、酒井翼さん(東京都社会人リーグ2部所属のサッカークラブ「TOKYO.CITY.FC」でスポンサー営業を担当)が日ごろの業務での葛藤や悩み、アイディアをスポーツビジネス界の第一線で活躍し、SBA代表理事を務める荒木重雄さんに壁打ちし、成長していく様子をお届けしています。


荒木)さっき(7話)の人を巻き込む話と一緒で、翼自身が今後3年後5年後にTOKYO.CITY.FCのどのポジションで何をやっているかの目標が明確化というところがスタートライン。
それが将来、マーケティングのスペシャリストとしてなのか、あるいはその上のポジションでTOKYO.CITY.FCの事業責任者としてやっているのか、そこってどっちのイメージ?

酒井)どちらも選択肢に入れつつ決めてはいないですね。

荒木)現時点で目標がはっきりしていないのが悩んでいる原因かもしれないと思うね。例えば事業全体を見るポジションになったとき、理想的には自分がマネジメントとしてセールスのスペシャリストとマーケティングのスペシャリストの優秀な人下にいて自分がその上に立って回していくというスタイルってなんの違和感もないじゃない?自分が上に行くとしたら。
そうじゃなくてマーケティングでやっていこうと思ったときに、大きい会社じゃないからイスが一個しかないから不安になるわけですよ。こっちやっている間に他の人が来ちゃったらどうしよう…という。
それって上に行くか(マーケティングの)イスを取りに行くかの近未来的なイメージがぼんやりしているから悩んでいるという状態だと思う。だけど一番健全じゃないなと思うのは、もしセールスにすごい優秀な人がいたら、マーケティングに優秀な人が入ってきたらというのは、会社単位で考えたらそこで悩むって全く経営視点じゃなくて。普通は限られたバジェットの中でどれだけ優秀なセールス、マーケティングの優秀な人間を引っ張ってこれるかというところが一番の目的だし、成長するために必要なことだと思う。
それが自分にとって不利だと思っているっていうことは、まだ経営者というか経営の視点に立てていないという事の証だと思うのね。まだまだ若いし、後5年は完全なスペシャリストとして確固たるポジションを築いていきたい!ということであればもうそれは当然のごとくマーケティングの方をやらせてくださいって言うことが一つの選択肢だよね。そうは言ってもスポンサーシップやらないと食っていけないんだということが現状だとしたら選択肢としてはあきらめるかっていう話になっちゃうんだよね。
だけどそうじゃなくてこのチームを本当の意味で大きくして、Jリーグに入って経営もしっかりやっていくことを考えて、いずれ自分がトップマネジメントの1人、創業者の1人としてやっていくんだっていうことの気持ちがないなら今すでにいないと思うんだよね。いずれにしても時間の問題で絶対的にそこを目指すべきだし、だとしたら今はとにかくやるべきことを優先してやりたいことができる環境を自分で作るということ。それによって両方やっていくことができる。
…例えばもし翼がTOKYO.CITY.FCのヘッドコーチだったとしよう。

酒井)現場の監督ということですか?

荒木)そうそう。プレイングマネージャーだったとしよう。本当は専従の監督になりたいと思っているけど、でも選手がいない、自分が出た方がうまいから試合に出ている状態。その時に「もっとうまい人が来たらどうしよう…」「レギュラー取られちゃう!」って思わないでしょ。

酒井)全く思わないですね。むしろ自分よりうまい人が来てほしいと思いますね。

荒木)そうだよね。なぜかって将来監督になりたい自分がいるから。絶対的に自分よりうまい人に早く来てほしいわけ。そのことによって自分が監督に専従できるわけよ。だけど今は監督になるのか、あと5年選手をやりたいのかどうしようかなって言う感覚だよね。

酒井)あーそうですね。今すごく腑に落ちました。

荒木)もうちょっと選手やって本当は俺フォワードやりたいけどバックス任されてんだよね。本当は前でやりたいのに後ろ任されてるんだよっていう、前なのか後ろなのか監督なのみたいな。ぐちゃぐちゃな心理を持っているんじゃないかなって感じた。

酒井)すっきりしました、言語化していただいて。
だからそこの今おっしゃっていただいた3年後5年後自分がどうするのかの目標、つまり監督になるみたいな話、事業の責任者になるみたいな話が明確になれば逆算した時に今やるべきことって何だろうということが次第に決まっていくので迷うこともなくなっていく。

荒木)そうだし、これからクラブ大きくして経営陣の一人としてやっていくにはいろいろな経験をして、しかもセールスがわからないマネジメントなんて使いものにならないので、いずれにしてもその先があるんだとしたらとってもいい経験だし、キャリアがあと3年しかないとかなら別だけど、まだまだこれからの長い旅なので近視眼的な仕事だけを見るのではなく常に短期的なものも大事だけど中長期を見据えて自分の中のポジションのイメージをなるべく見える化、ビジブルなビジョンにして、その上で目標まで行くまでの途中っていう意識を持ちつつ急がすにキャリアを作っていくことが、今できることだと思うんだよね、そのためには一番最初に言ったどの視点なのかということ。一般社員とは違うわけだから、翼の場合はね。
一般の人たちは自分でどうにもできない立場なので必要なのは視野。英語で言うとビューポイント。自分の立場による視界。将来リーダー、経営者になる人は現状の立場で物を見てちゃダメなんだよ。なぜなら今の立場だけ見ていたら上の考えがわからないから。今も大事なんだけど常にリーダーを目指す以上、絶対に必要なのが視野だけじゃなく、高い視座を自分の軸にして物事を俯瞰してみる。スタンドポイントって言うんだけど視界の高さの事。どこのスタンドポイントで物を見るっていう訓練を今からしないとダメなんだよ。自分の視座で見るんじゃなく、高い視座で物を色々考えて経験していくっていうのがリーダーになるために持っておくべきかなと強く思います。

酒井)僕自身ももし優秀な人が入ってきたらと考えてしまうのが嫌だったんです。でも一方でどうしても考えてしまうし…。自分自身の視座を高めていかないといけないとと今まで考えてきた中でもあるなと感じたので、その答えが自分自身がもう少し時間軸を先に見た時の到達するところが明確になっていないから曖昧になってしまったりとか迷ったりとかがすごくあるんだなと感じたのでそこをより突き詰めて考えていきたいなと思いました。


≪第9話 終わり≫

■登場人物
➤荒木 重雄 Shigeo ARAKI

一般社団法人スポーツビジネスアカデミー(SBA)代表理事。
株式会社SPOLABo、株式会社スポカレ代表取締役。2005年に千葉ロッテ球団の執行役員・事業本部長、パシフィックリーグマーケティングの取締役執行役員を歴任。日本サッカー協会(JFA)の広報委員をはじめ、官公庁のスポーツ関連プロジェクトなどにも多数参画。
SBAオンラインサロン「THE BASE」公式サイトはコチラ

➤酒井 翼 Tsubasa SAKAI
J1から数えて8部に相当する、東京都社会人リーグ2部に所属するサッカークラブ「TOKYO CITY F.C.」にてスポンサー営業などを担当。
スポーツクラブで働きながら、1000万円プレイヤーになることを目指し、日々奮闘中。
TOKYO CITY F.C. 公式サイトはコチラ

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日米英に拠点を置き、スポーツビジネス界の第一線で活躍する理事4人が世界の最新スポーツビジネストピックスを発信する「理事会」や、スポーツビジネスの各専門分野に長けたゲストをお招きし、担当理事とのトークディスカッションをお届けする「サロン」など、スポビズパーソン注目のコンテンツを定期的に発信しています。昨今のコロナ禍を経て、オンラインでのコンテンツを強化し、直近のサロンはほぼアーカイブにて配信中!(いつでも何度でもご視聴可能!)
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