大阪都構想結果のレビュー

デッドヒートを繰り広げている米国大統領選挙に先立ってデッドヒートレースを繰り広げた、先日の大阪都構想。
数日経ち、各データや評論なども出揃ってきたので、それらも踏まえておじさんも幾つかのテーマ項目ごとに、偏見混じりのレビューをしよう。

まず、出た結果をシンプル且つシビアにぶっちゃけると、5年経っても成果の積み上げはほぼ無しだった。いやむしろ、今回は公明党が賛成したのにもかかわらず、前回の接戦をひっくり返せなかったというのは、相対的に見れば今回の方が支持が下がったとも言えるかも知れない。

5年間では人の意思はほぼ変わらなかったし、5年間の実績を以ってしても変わらなかった。
それが何を意味するかをきちんと定義する事は重要である。データを分類して見ていくと、

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◯区ごとの賛否の分布
前回と全く変わらない。南北分断の賛成区の中で孤立した旭区が何とも、アルメリア・アゼルバイジャン紛争のナゴルノ=カラバフを彷彿とさせる🤣
南北地域紛争起こしたら取り込めるんじゃないか。笑
年齢毎分布で高齢層程反対している事と併せると、南北で属性の強い相反、特に経済力由来の分布なのではないか。そう仮定すると、経済力が世代間格差、地域格差と紐づいてる事になり、それが大阪市の大きな問題であると位置付けられる。
都構想の軋轢によって地域住民の感情的分断を招きかねない事態もケアしなければならない。

◯年齢ごとの賛否分布
高齢者ほど反対、逆に賛成は30代40代の現役世代が最も多い。30代40代は独立した現役世代であり子育て世代も多い筈だから、そういう属性の人達には支持され易い傾向。
しかし、東京一極集中の状況からすると、大胆な変化を望むような野心と行動力のある若い世代はそもそも大阪から出てしまい、残ってる人達は変化など望むわけもない実態の悪寒😅

特に10代や20代は大学進学や就職で相当数流出してるでしょー💦
スポーツ進学が象徴的だが、高校の野球やラグビーは関西が強い。でも大学〜就職で関東に人材がいく。優秀な人は更なる高みを目指し将来性のある良い環境で自分を磨きたいもの。八村塁のような逸材は日本すら飛び出し米国に進学するわけだ。
つまり、維新の政策と親和性のある人ほど、大阪市を出てしまっている疑惑である😂

◯性別毎の賛否分布
女性の反対票が賛成より多い。高齢者ほど反対票が多い事と併せて読み解くと、高齢女性の属性の割り出しが有用。
大阪府出身らしい著名ブロガーのちきりん氏も指摘してて笑えるほどうなづけるが、

高齢女性は消費税アップは嫌!で所得税法人税社会保険料アップはOK!

働く現役世代にとっては実質給料上がらねーぞ(´;ω;`)コノヤロー❗️案件なのだが、高齢世代の女性は時代的に、専業主婦キャリアが多いのである。

働いてもパート勤め。理由は所得税など税制上の控除がある為だが、それが当時の女性のスタンダードだった故、所得税や社会保険料の多寡など気にするきっかけがない。物価上がって所得上がるより、ものが安いかどうかが判断基準になるという事だ。
しかし現役世代で、旦那の扶養で専業主婦やってる人はどんだけいるか。共働きしないと出産育児など夢また夢、専業主婦キャリアなど今や希少種特権🤣
そんな高齢世代に「大阪市廃止!」とか、「住民サービス悪化!」とかいう文句はすこぶる効きそう。だが、将来どうなるかについては全く眼中になさげというのは寂しいもので、シルバー民主主義がもたらす長期経営力の限界を感じる。
つまり、高度成長期を経て来た専業主婦キャリアの人達の思想と維新の政策の属性はミスマッチになる。
確かに、維新は風土的に男子校体育会系感凄いし🤣、高齢主婦層の思想はともかく、現役世代女性のニーズをしっかりキャッチアップ出来ているか。超絶男社会故に女性目線がまだまだ足りてないのではないか。という事が今後の課題ではなかろうか。

◯戦略の大誤算、公明党
結果的に、維新の戦略の拙さを露呈した象徴で、今後の選挙でも司令塔の充実が課題ともいえる。
賛成のはずの公明党の支持者が離反して票が伸びなかった。
完全に見通しが甘かったと言わざるを得ない。
おじさんも、公明党は創価学会始め忠誠心と組織力が極めて高いというイメージだったが、ここまで党幹部の方針に末端の支持者が反旗を翻すとは。
もしくは、実は最初から賛成なんていうのはブラフで、本気で締めるつもりもなかったのかも知れないが、讀賣の報道では学会員が反対で中の引き締めをやっていたとか。投票データと付き合わせてみれば、学会員とか高齢者多そうだし、その層に対していきなり「(党は)賛成します!」言われて簡単になびくわけがなかったのである。池田先生が演説したらなびいたか😂

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というわけで、今後は看板である都構想から、新しい看板に脱却する必要があるだろう。これまで都構想に掛けて来たあらゆるリソースを考慮すれば、新しい理念の下で組織がまとまるかどうか不安だが、サンクコスト・コンコルド効果という言葉があるように、撤退のタイミングは中々難しい。だが、戦略的撤退が出来るかこそ重要である。まずは一度撤退して頭を冷やせ。

幸い、維新の看板である都構想がこれだけ否定されてるのに維新の政権自体は圧倒的に支持されている。これまでやってきた事を評価されているという事だし、逆に言うと橋本氏が知事に就くまでの大阪自民の政権がどんだけへっぽこだったのかという事の表れでもある🤣

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