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未来型読書法・ABDをやってみた

ABDってなに?

 昨年末に初めて知った単語がある。それが、タイトルにもあるABDだ。ABDとは、アクティブ・ブック・ダイアローグの略で、未来型読書法とも呼ばれている。簡単にいうと、1冊の本を数人で読むスタイルだ。章ごとなどで担当を割り振り、自分のパートを読み込む。その内容をコピー用紙5枚程度にまとめ(パワーポイントのスライドのような感覚で)、3分間で発表しあう。ひと通り発表を聞いたあとに『ダイアローグ』のステップに進み、聞いた内容の疑問点などについて議論を行う。つまり、本といっても小説でない方が適当で、ビジネス書や専門書などを読み解く際に使うのが良いだろう。

ABDで読んだ本

 今回のABDで私たち(課外活動のメンバー)が読んだ本はこちらだ。

 仲山さんは、勤怠自由、仕事内容自由、副業・兼業自由、評価なしの正社員である。人呼んで、「日本一自由な働き方をしている会社員」だ。そんな彼が「今の時代に必要な働き方」をまとめた本がこちらである。去年の夏にとある出会いがあり、「生きること」「働くこと」について考えはじめた私にぴったりの本である。この本は働き方のステージに合わせて、大きく4章に別れている。今回はこの4章をさらに前半後半の2つに分けて、計8人で読み込んだ。

<4章の内訳>
加(+)ステージ:できることを増やす、苦手なことをやる、量稽古。仕事の報酬は仕事
減(-)ステージ:好みでない作業を減らして、強みに集中する。仕事の報酬は強み
乗(×)ステージ:磨き上げた強みに、別の強みを掛け合わせる。仕事の報酬は仲間
除(÷)ステージ:因数分解して、ひとつの作業をしていると複数の仕事が進むようにする。仕事の報酬は自由
(『組織にいながら、自由に働く』引用)

 ちなみにこの本は、ABDのためにゲラ配布を行っている。ABDを行うときは、参加者が全員題材の本を手元に揃えるか、ひとりが買ってきた本を破り分けるかのどちらかしかない。前者は費用がかかり、後者は本好きにはなかなか耐えられない選択だろう。そのためのゲラ配布だ(ABD用にゲラ配布をしている本は、日本ではいまのところ、3冊しかないそうだ)。

ABDの進め方

 題材の本と参加者が決まったら、みんなで集まって本を読み込む流れとなる。こんな感じに。

1.オープニング
⑴「チェックイン」(1人1分程度)
集まった参加者で小グループに分かれ、それぞれの今の気持ちを共有する。
ex,参加の理由、ABDに期待すること、題材の本についてなど。
⑵「オリエンテーション」(3分程度)
ABD自体の紹介、全体の流れの共有。

2.メイン
⑴「コ・サマライズ」(40分程度)
本を持ち寄る or 1冊の本を裁断。パートの割り振りを行う。各自のパートを読み、要約文をつくる(コピー用紙5枚分)
⑵「リレー・プレゼン」(1パート3分程度)
要約文を書いたコピー用紙を張り出し、各パートをリレー形式で担当者がプレゼンしていく。
⑶「ダイアログ」(30〜1時間)
感想の共有、疑問の深掘りを行う。
この日は、要約文の中で、下記に該当するものにマークをつけていき、ダイアローグ(対話)しやすくした。
共感できたもの:「☆(いいね!)」
理解できなかったもの:「?(わからない!)」
実践が難しそうなもの:「🌀(モヤモヤ)」

3.エンディング
⑴「チェックアウト」(1人1分程度)全体の感想を共有し、会を閉じる。

ABD公式サイトから流れの骨格を引用、昨日の自分の流れに落とし込んだ)

 時間配分は題材の本の難易度によっても変わってくるので、見極めが大切になってきそう。

ABDの感想

 「この読書法、大学生の時に知りたかった〜!」と思った。ゼミとかでこの読書法を取り入れたら、爆速でたくさんの本が読めそう。つまり爆速で知識量が増えていくことになる。1冊の本をひとりで読み切るのだって結構大変じゃないですか。だったらみんなで読めばいい。ひとつのパートに集中して深掘りすると意味がよく取れるし、各自が高次元の理解度で吸収したものを共有できれば、かなり精度の高い読書体験になりそう。

 あとは単純に、要約力やプレゼン力も上がるだろう。要約文をいかに相手にわかりやすくすばやく理解させるかを考えていくと、図式化なども得意になりそう。いいことづくめではないか。あぁ、ABDいいなぁ、定期的にいろんな人とやりたい。

本の感想

 私は「減」ステージの前半を読んだ。加のステージで身につけた自分の強みをより磨いていくために、自分にとって不要なものは捨てろ!というパートだった(この本はステージをクリアできないと次のステージに進めないことになっているので、本来であれば「加」ステージをクリアできないと情報を入れてはいけない)。自分のパートで印象的だったのは、「上司の許可を捨てろ」というところであった。仕事を行う上で、上司の許可を取ることは大切になってくるが、「許可待ち=ロス時間」でもあるし、そもそも「許可されない=やってはいけない」になる。許可なんて待たずにとりあえず行動して、失敗したら謝罪する、その方が仕事の進みが早いというのだ。あぁもうこれめっちゃわかる、「上司の許可」、めっちゃ捨てたい、いますぐ捨てたいことはこれですよ、と私は思った。現在仕事をやっていく上でいちばんストレスになっていることがまさにこれなのだ。

 ただ、他の人の発表を聞いていると、私はまだ「加」ステージもクリアできていないので、まずはそこから取り組んでみようと思う。ABD、おもしろいよ。みなさんもぜひ。特に学生さんは、ぜひ!


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