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町田による山雅の攻略方法。 松本山雅FCvs FC町田ゼルビア レビュー【2021 J2 第17節】

・・・試合がくやしくて、ことばにできない・・・
・・・ラーラーラー、ララーララ、ことーばに、できなーい・・・

・・・今節は「明治安田生命ベストスタイルマッチ」だったこともあり、あの懐かしいCMソングが頭に浮かんでおります、すぴっちです。

そんな悔しい悔しい敗戦を、どうにかこうにか文章に落とし込みました。

1. 試合結果、スタメン

[試合結果]
1-5、負け・・・

[フォーメーション、スタメン]

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2. 試合の大筋の流れ

今節の大雑把な流れは以下の通り。

[前半]
・10:00:町田、得点(0-1)
・13:10:山雅、得点 (1-1)
・15:20:山雅、常田にレッドカード
     → 山雅、DF星を投入し「3-5-1」に。
・41:10:町田、追加点(1-2)

[後半]
・(松本・・・なんとか耐える)
・67:10:町田、追加点 (1-3)

・73:00:山雅、選手交代しシステム変更。「4-4-1」に。
・74:40: 町田、追加点 (1-4)
・80:10: 山雅、システム変更。「3-5-1」 に戻す。
・83:50:町田、追加点 (1-5)

レッドカードを受けてから、なんとか粘って粘ってカウンターorセットプレーで得点できればよかったですが・・・そうは問屋が卸さない。絶望の5失点で敗北。

3. 町田の”攻撃”の狙い

大量失点してしまった山雅。もちろん山雅の対応が良くなかった部分もありますが、町田さんの攻撃&対応が素晴らしかった。「どうやって山雅を崩すのか」「どうやって山雅から得点するのか」が、非常に考えられていたと思いました。

詳細を述べていきます。

 3-1. 前半: 「山雅がリトリートするならば、HVを縦に揺さぶりスペースを作ろう」

開始早々レッドカードを受けた山雅。
いつもの 5-3-2 から前線を1枚削った形、5-3-1で自陣内に引きこもります。狙いとしては、「ボールを持たれるのは許容する。どこかでボールを奪えたら、ルカオがキープしカウンター」といったところ。

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最終ライン5枚でスペースを埋めれば、なかなかに攻めづらいもの。しかし、町田さんは”明確な狙い”を持って崩しにきました。

38:47頃のシーンを2枚の画像で説明します。
準備段階のStep1。町田さんはまず、山雅右サイドに展開して中盤3枚を片側サイドに寄せます。そこから一気に、逆サイドの#8高江にパス。これにより、#8に時間とスペースを与えました。

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(※5-3-2において、中盤3枚のスライドが間に合わないため、絶対にこれを許してはいけない。しかし、前線が1枚少ないこともあり・・・防げなかった)

そして、Step2。町田さんは、あらかじめ前線に貼っていた SH#14の降りる動きで山雅のHVを釣り出すます。そしてそのスペースにCF#18が走り込み、#8からスルーパス・・・と。山雅のHVがタテの動きで揺さぶられ、守備陣形にどでかい穴を作られました。

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このシーンは得点には至りませんでしたが・・・決定機を作られ。そして、同じような形で町田2点目が生まれました(SHが降りる→HVを引き寄せる→CFが抜ける→GOAL)。

・・・リトリート時の山雅が粉砕されました。

 3-2. 後半:「山雅がプレスするならば、引き寄せてからひっくり返そう」

しかし、山雅だって黙ってやられるワケにはいかない。山雅は後半からメンバーを、そして守備の狙いを変えました。

ざっと説明すると、以下の図のような狙い。
  - 左サイド:#8からパスが出た瞬間に、村越くんが頑張って潰す。
 - 右サイド:サトカズ筆頭に、ハイプレス。ボールを奪いにいく。

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前半散々やられていた左サイドについては、「HVは容易に飛び出さず」「村越の走力で守る」といった対策かと。また前半は、常に受け身の状態で苦しい時間が続きました。それを防ぐために、特に右サイドは「ハイプレスで奪う」意識になっていました(左サイドも状況に応じてハイプレス)。

結果として、45分〜60分の時間帯は町田さんにボールを持たれながら「能動的に」守備をでき、徐々に山雅の展開になっていきました。

・・・なってはいきましたが、結局町田にひっくり返されました。

63:13頃のシーンを2枚の画像で説明します。
町田は、山雅の守備の狙いの変更(プレスの強度が高まった)を受け、ビルドアップの形を変更します。具体的には「最終ラインの枚数」を増やしました。前半は 2CB+CHの3枚でしたが、この時間帯ぐらいから 2CB + CH + SB の4枚に変更しました。

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狙いはとても単純。「山雅のプレスを引き寄せて、最終ラインを手薄にさせてから、ロングボールを狙う」こと。

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このシーンも得点にはなりませんでしたが・・・決定機を作られました。(山雅右サイドのハイプレスはかなり狙われていました。3失点目のシーンも、表原&大野が前に出て空いたスペースを使われて生まれたもの)

・・・プレス時の山雅も粉砕されました。

4. 山雅はどうすればよかったのか?

10vs11になってから、一体どうすれば”勝ち点”を取る可能性を上げられたのでしょうか。

2つ、妄想しました。

1.  河合を残して、最初からプレスメインで行くべきだったか?
 - 今年の山雅において、「リトリート」よりかは「プレス」の方が失点の可能性は低いと思われる。そのため、後半からの戦い方をもっと早くやるべきだったかと。
 - それをやるためには、運動量豊富な河合を残しておくべきだったか?

2.  プレスの強度をもう少し下げて、リスクヘッジすべきだったか?
 - プレスをするにしても、人数が1枚少ないため圧力をかけきれない場面は出てくる
 - 後半の守備において、右サイドのプレスの狙いどころを下げた方がよかったか?

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5. 次節に向けて

めっちゃめちゃにやられた山雅。
ある意味そのおかげで、早急に修正すべき点がより明確になったのかと思われます。

特に今節気になったのは、「右サイドのプレスの連携」

右WB表原、右HV大野、CB野々村の3人の部分。みんな本当に頑張っていました。頑張っていましたが・・・同じイメージを描けていなかったかと(選手にも改善点はあると思うし、監督の伝える力にも改善点はあると思う)

具体的には、以下の2つの問題が度々発生していました。

問題1:表原がプレス。大野がそのスペースのカバーに間に合わず。

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問題2:表原がプレス。大野がそのスペースを埋める。しかし、野々村のスライドが間に合わず。

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改善策としては、
A. 右WBのプレスのタイミングを遅くする
B. 最終ラインのスライドを早くする
の2つ。

今年のチームとして、「ハイプレス&ショートカウンター」を狙っています。そのため、絶対にBが必要となります。

怪我人が増えてきて、同じメンバーで試合を重ねられないことが増えてきています。CBもWBも度々変わっています。そうなると、なかなか連携も取りにくいかと思います。

監督と選手、また選手間でコミュニケーションをとり、少しずつ改善していって欲しいです。 

6. あとがき

[今日の大野くん]

複数失点が続いているせいか、本当に辛そうだった。・・・がんばれ・・・がんばれ。俺は、大野くんの笑顔を見たいんだ・・・。

[MVP:外山くん、村越くん]
・外山くん:失点を重ねていく中でも、手を叩き、声を出し、チームの鼓舞を高めようとしていたシーンが印象に残った。
・村越くん:なぜか分からないが、村越くんの走る姿、ドリブルで立ち向かう姿を見ると元気が出る。ありがとう。


今回のレビューは以上になります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

次は・・・天皇杯のプレビュー(orレビュー)で。