文字を愉しむ

 僕たちが普段使っている言葉の中には、よく考えてみると語源を知らないものがたくさんあると思います。これはカタカナだけに限らず、例えば「寿司」なんかも酢飯を使うことから「酢し」が転じたと言われています。
 ウイスキーはどうでしょうか。英語で表記してみるだけでも、whisky派とwhiskey派が居ますし、そもそもどういう意味なのか分かりません。これ実は語源を遡ると、まだ錬金術(卑金属から金を作り出す、化学的にはありえない術)が盛んに行われた時代にまで戻ります。まだ蒸留酒が無い時代に、錬金術の中で偶然アルコール度数の高い液体が生み出されたそうです。これを飲んだ人々は、経験したことのない舌触りに驚き、「金ではないが、聖水が出来ちまったッ!」と思い込みました。これがウイスキーそのものかつ言葉の元、「アクアヴィテ(命の水)」でした。時代と共にウシュクベーハ(Uisge Beatha)、ウスキー(Usky)と呼び名が転じていき現在に至ります。ウイスキーの綴りがまちまちなのは土地によって転じ方が違った為で、簡単に言うとアメリカ英語とイギリス英語、標準語と関西弁のような関係でしょう。
 どうでしょうか。まだ一滴もウイスキーを飲んで居ないのに、とても愉しいしなんだかウイスキーの味がしてきませんか?飲む前に是非、銘柄の由来やそこにある表記がwhiskyかwhiskeyのどっちか等、ラベルにある文字を愉しんでみてください。
 妖精は今日も飲んでいます。

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