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海を舞台に世界を旅する 6  NZ編

仕事を辞め、英語も話せず、大男が、情熱と好奇心で海を舞台に世界中を巡るノンフィクション青春ストーリー。 笑
思いっきり笑い、たくさん泣いて、仲間と共に世界の絶景に出会います。僕の大切な3年間にわたる冒険のお話

当時の書きためたノートや日記、メモをもとに書いていきます。
はじまりはじまり。


始まった帆船ライフ!

初日から目が回る。

英語がわからない。
生活スタイルがわからない。
トイレがどこにあって、いつ食事で、何がわからないのかわからない。

マホさんから大まかのことは聞くことができた。本当に助かる。
船長の名前はマーティー。
最初に声をかけてくれたのっぽの兄さんはマット。
なんとマット、一等航海士だった。

ま じ か。

こんな時はまづ落ち着いて、言われたこと指図されたことを素直に進めていこう。質問はあとだ。(カイ仕事の流儀より・・)
でもトイレ行きたいから、先にトイレだけ教えて。
え?船から200mくらい離れてんの?今すぐ行かせてよ。

仕事の流儀はどこへやら。トイレも済ましてスッキリしたらさっそく仕事が待ってた。

最初に言われたのは「ギャレー」(厨房)のお手伝い。どんな船も一番経験の浅い乗組員はここから始まる。いわゆる皿洗いだ。
船では乗組員が船に住んでいるので船のコックは朝昼晩とどんな状況でも食事を作り続けなければならないし、毎日休みがない。人手がいてでも足りてないのが船の厨房「ギャレー」だ。

日本の帆船でもギャレーに半年入っていたので、僕には自信がある。任せてくれ!

ロシア人のコック、タチアナに「よろしくお願いします!」とあいさつして、仕事をもらう。タチアナはデッキに積まれたレモンとライムの山を指をさし、身振り手振りで、半分に切り、絞り、果汁を鍋にためろと。

こんなに?スーパーの特売日のカゴそのまんま持って来たくらいありますが?

とりあえず切る、絞る、鍋にためるを永遠に繰り返した。

終わりかけの時、レモンの追加が来た。

指痛いわ 笑

作業を始めたのがもう夕方近くで、2時間ばかしやっただろうか、他の乗組員も手伝いに来てくれてみんなでレモンとライムを鍋にためた。

この大量の果汁、何に使うんだろうか・・と疑問が爆発しそうになったころ、僕の前で作業していたクルーの女の子が「今日乗船なんて、あなたラッキーよ」と笑顔で話しかけてくれた。

(ちなみに、何度も言いますが、僕のこのころの英語能力は壊滅的で、さっきのセリフも全て「多分こう言っているだろう・・」という僕の推測です。)

果汁貯めてる鍋はラーメン屋の寸胴ぐらいあるんで、なかなかたまらなくてもうなんなんだよこれーってなって来たところで、酒が来た。大量に。

鍋に酒が大量に注ぎ込まれる。

氷もいれて、なんかジュース?みたいなのもいれて。

気づけばデッキでみんなワイワイ大集合。

寸胴からその酒をすくい上げ、タチアナがクルー全員に配る。

今日は仕事がひと段落した飲み会だそうだ。

お酒好きの人はわかると思う。そう、僕はリアル「ソルティードック」を作っていたんだ。

「ソルティードック」って帆船のデッキを海水にまみれて働く船員のことなんです。

後から教えてもらったんですが、「本物のソルティードックはグラスに塩なんかつけないんだぜ。船乗りの唇なめたらもうしょっぱいはずだからね」とのこと。なるほどねーーー。


緊張してどれくらい飲んだか、どんなパーティーだったかは覚えていない。

続きまーす。



僕の今の仕事は帆船を使った研修やヨットのインンストラクター、子供達に海の体験を提供するインストラクターをやっています。人と直接関わる仕事で、しかもイベントが主体(笑)今年のお仕事はすべてキャンセルになりました。

最近ぜんぜん更新もできてなくて、これからどうしようか・・・なんてくよくよしてたんですが、海で僕が何を感じて、帆船でどんなことを体験して、海の魅力や自分の力で旅することの素晴らしさをみんなに知ってもらえるようにたくさん文章を書こうと思いました。

幸い時間はいっぱいあるし、かけるだけ書いていきます!

写真をアップするためにインスタも始めましたー!


みてみてね。


あなたのサポートのおかげで僕たちが修理している船のペンキ一缶、刷毛一つ、ロープ一巻きが買えます。ありがとう!!