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ヴァイキングの生活


北欧の海賊、ヴァイキングが乗っていた船を現代に蘇らせた、クレイジーな男がスウェーデンにいることを知っているだろうか。

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唐突にヴァイキングの話だが、私たちは今愛知のヨットマリーナに30年忘れ去られていたボートをみんなで直してヴァイキングシップのようにしようとしているので、ホットな話題だ。

ヴァイキングシップの復元船を日本風に言えば「北前船の復元プロジェクト」のようなものだろうか。ただし驚きなのは、そのスウェーデンのヴァイキングシップは、現役で動いていて毎夏スウェーデンの島々を回る旅をしていることだ。

その船を作った一人が、メンバーのカイさんがオーストラリアの帆船でクルーをしていた時、一緒に働いていたスウェーデン人の友人だ。彼はスウェーデンでヴァイキングシップを復元させるプロジェクトに取り掛かっていた。

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その時作っていたヴァイキングシップは、完成した暁には博物館に寄贈される予定だったそうだ。

だけど船が出来上がった時、彼は仲間とその船を一度海に出すことにした。博物館の中で誰にも乗られることがなくなる前に、どんな風にそのヴァイキングシップが帆を張ってはしるのか、昔のヴァイキングがどう船を操って海を渡っていたのか、試してみることにした。

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オールで漕いで出航してから8人がかりで一つの帆を上げ、船は予想を超えてよく海をはしった。

そして、なんと彼らは船を博物館に寄贈することをやめた。その代わりに毎年夏に、そのヴァイキングシップと航海に出ることにした。雪の冬は、船を陸に上げて整備をする。

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物語に出てきそうなこのヴァイキングシップは、この船を復元させた彼が船長を務めて今も島や湾を巡る旅をしている。

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船の料理は鍋で作るのだけど、鍋の足が長くて船上でも料理が出来るようになっているのを見ると、ヴァイキングもこんな風にしていたのかな...という気持ちになる。

この船では見ての通りシャワーはないので、その代わりに泳ぐ。塩分濃度が低いので意外とベタベタしない。

寝るときは船にオーニングを張りその中で眠る。

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昔のヴァイキングシップを自分たちで復元させた彼をみて、ちょっと話はそれるけど「欲しいものを自分で作る」「一見きれいじゃないものを直してみる」「自分の手で何かを作る」ことがもたらす貴重な作用を、携帯を眺める時間が増えるほど感じる。

船を整備しながら、「もし今何をしていいかわからない人がいたら、何か作ってみるのがいいよなあ」と思った。

ちょっと目玉焼き焼くのも、小さなプランターでも野菜まくのも、服の穴空いた場所縫ってみるのも、 自分で生活を作ると上手くいったり失敗してそこにいる実感が戻ってくる。

海を渡るのは生活の連続だから、自分がやろうとしていることと生(せい)の実感が強い。


話は戻り、

愛知で直している船を、帆も張れてオールで漕げる格好いい船に絶賛修復中の私たちは、ついにこのヴァイキングシップに乗りに行くことにした。

偶然今年の6月はスウェーデンの1年で最も大切な夏至を祝う日で、日照時間が一番長く21時でもまだ明るいらしい。その日に行くのだけれど、スウェーデンの人は夏至を大いに祝っているそう。

ストックホルムには、約300年間海底に沈んでいた船を引き上げて展示しているミュージアムと、大きな帆船を改装したホステルがあるので、ヴァイキングの歴史と船をめぐってきます。



エリ


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