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27歳のジンクスの話

 27歳のジンクスという物を知っているだろうか?

 僕はずっと昔それを信じていた。

 スターは皆27歳で死ぬ。
 だからもし自分もその歳に死ねたのならスターの仲間入りだ。自分は天才なのだ。と。
 僕を馬鹿にしてきたお前よ、ほらどうだ!と。
 だから、とりあえずその歳までは生きてみよう。
 どんなに辛くてもその歳までは。

 そう中学生ぐらいの自分が思った事をつい最近思い出した。

 浅はかな考えだ。
 そして気が付けば、そんな27も終わり28、29、30になってしまった。
 どうやら自分は天才でもスターでもない。

 今の僕を見て、あの頃の僕はそう思うだろう。
 今の自分でさえそう思うのだから。

 やはり浅はかだ。
 あの頃から何も変わっていない。
 相も変わらず、僕は浅はかに生きている。
 これからも。死ぬまでは浅はかに生きていこうと思う。
 ほんの少しの楽しい事と野心と復讐心を生き甲斐に。浅はかなまま。ずっとずっと。

 それはそうと「浅はか」という言葉を使っていたら浅漬けが食べたくなってきた。酒の肴が決まったのでこの辺で。

浅はかなお話。
ありがとうございました。


#創作大賞2023 #エッセイ部門

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