見出し画像

中国人と妻

プロフィール等にも書いてますが、うちの妻は元中国人です(↑で写真とってるやつ。数年前に帰化してます)。中国嫁日記という漫画をご存知の方は話が早いですが、あれに出てくる嫁は妻と同じ瀋陽出身で、夫に比べて年下なので似たような感じです。また、仕事やプライベートで、日本で暮らす中国人を何人か知っています。本投稿では、妻の紹介をしながら中国人とはこんな人々であるということをお伝えしようと思います。

中国人は日本人に比べると語学が得意なイメージがありますが、突進力があるだけで、みんな最初から日本語がうまいわけじゃありません。妻は社会人になると同時に日本の企業で働き始めました。大学時代にソフトウェアと日本語を専攻したので知識はありましたが、来日当初は全然話せなかったそうです。でもテレビを見るときに、日本語の字幕を出す機能をONにして、ずっと見ていたら慣れたと言っています。

ともあれそんなわけで、妻の生きた日本語は企業で働く中で培われました。また、日本で使われている漢字は中国で繁体字と言われるもので(今でも台湾などで使われています)、メインで使われる簡体字とは違うものの意味が分かるようです。そのため、業務用語かつ漢字で構成される言葉に滅法強く、複数の言い方ができる場合にはだいたいそちらを選びます。

例えば、「取り出す」を「抽出する」と言います(仕事でデータを抽出していたんでしょう)。プライベートの待ち合わせで、各自集合といいます。先日など、妻が手作りしてるベビーベッドはどこまで進んだ?と聞いたら、あまり進捗はないと答えました(いつも失笑を堪えきれません・・・家庭で進捗うんぬん言ってる妻って世にどれくらいいるでしょうかw)。

このように、漢字2文字で表せる言葉がどんどん選択されます。妻に限らず、言いやすい言葉が選択されるわけです。るろうに剣心の斎藤一で言えば、牙突みたいなもんです(すいません、わかりませんね)。1つ通じる言葉を持っていれば、何種類も言い換えを覚える必要がなく、少なくとも最初のうちは相手に通じる確信を持てるものを揃えていったほうがいいと、そういうことなのだと思います。

知り合いの中国人は、いつも同じ言い間違いをします。でも、通じることが分かっているので直しません。確立した単語リストの基盤を崩すことが怖いのです。ここは分かってあげる必要があると思います。おそらく自分が外国で暮らすような場合にも、自分が発音しやすくて、通じた経験が多い単語や言い回しにすがるでしょう。だから言い間違いはある程度流します。

妻は一人っ子政策の影響を受けて、一人っ子です。年の近い親戚も、当然同じです。だからか、いとこ同士が本当の兄弟のような関係になっています。一方で、我や主張が強いです(まぁこれは親戚の話を聞く限り、個性っぽいですが・・・)。中国で日本人のように主張を遠慮していたら生きていけないと言っています。それは何となく、そうなんでしょうね。

さほど語学が得意でない外国人の特徴として、一方的にしゃべるか、会話したがらないかのどちらかになります。いずれにしても日本人の、レパートリー豊富な日本語を聞かなくて済むからです。だから、そのような外国人とちゃんと対話しようと思ったら、自分の日本語のレパートリーを狭めることが重要です。

グロービッシュという言葉があるくらいだから、日本人ばかりで構成される集団においてさえ、簡易な表現をする努力は必要ですが、日本人とだけ生活していると全て通じるものと思ってしまいがちですね。それに気づいたら、個人的にも言葉遣いが変わったように思います。文の長さを短くするようになったし、言葉を選ぶのがラクになって、話す内容の全体構成に気を回す余裕ができました。

これまで妻とは10カ国以上、旅行に出かけていますが、外国に行くほど日本の良さが分かるようになります。外国より日本のほうが良いということではなく、どこもそれなりの課題を持っていることが分かるという意味です。また、どの国の人々も普通に暮らしています。どの行動も、日本人がしている行動と同じです。物理法則が国によって違うことはなく、生物として体の構成もほぼ同じで、同じ地球や経済空間を共有しているのだから、考えてみれば当たり前ですね。

私はこれまで一度も転職したことがありませんが、異動したり外から人が入ってきたりで、視点を相対化してくれるものには事欠きませんでした。だから飽きずにやってこれたのだと思います。どこもある意味で同じなので、課題もそれなりに普遍性があります。つまり、今自分がいるところの課題を放っておいて他所へ移っても、似たような課題が再現した時にノウハウがなくてやられます。

日本にも色々課題があって、人によっては日本はもうダメだとさえ主張します。しかし、日本が経験することは他の国も経験することです。だから今は日本の課題を味わっておけばいい。色々もがいて、もう本当にダメになったら中国か、今まで旅した中で気に入った国にでも行こうかな。その時のために外国人のことはよく知っておきたいけど、外国人はそのへんにいて日本語も話してくれるから、まずはそこから。

私はそういう考え方の人間です。心理学の区分で言えば情緒安定型で、のんびりしています。慌て者がやるような過ちを犯しません。一方の妻は情緒不安定型で、すぐやばいやばいと騒ぎます。慌て者の過ちがある代わりに、のんびり者がやるような過ちを犯しません。つまり、正常性バイアスを回避したり(例えば感染症の流行に危機感を持つとか)、チャレンジの好機を逃さないといったことです。

このような形で、私と妻はバランスしています。最初の頃は特に、無茶苦茶な人だなこの人と思ったこともありましたが(苦笑)、どうせ長年暮らしていたら2人とも丸くなっていくんだから、両方のいいところを失わないように、尖った部分を意識的に丸くしすぎないようにしようと思っている今日この頃です。

ちょび丸(1歳)の応援をよろしくお願い致します~😉