「わ」 それでいいのさ、わさビーフ
目の前にお肉があって、ジュウジュウと焼かれている場面を想像してください。美味しそうな牛肉です。ジュウジュウプチプチ言ってます。食べごろです。
さて、それを何で食べようかという時に、塩コショウに加えて「ワサビ」を出されたら、
「お、この食べ方はなかなか高級感あるな」って思いませんか。
お肉とワサビを一緒に食べるシチュエーションは結構ステーキとかである。ワサビの甘味と辛み、そしてどことなくさっぱりした味が、肉のこってり感をうまい具合に中和して、いくらでも食べられまっせ、と思えるような味になる。
けれど、本来僕らはワサビを「刺身」や「すし」等、魚でなおかつ高級な料理に使うことが多い。
だからか、ワサビでお肉を食べるという行為には、まるでお肉を刺身で食べているかのような高級感を感じる。気がする。
これで「ワサビと肉一緒に食べると高級感わーい!」となるかと言えば、そうはいかない。
まずですね、お近くのスーパーかコンビニに行ってください。あれです、成城石井とか、カルディとか、ナチュラルローソンとかにはいかなくていいです。セブンイレブンとかイオンに行ってください。
そうするとですね、スナック菓子のコーナーに、この内容をそのままお菓子にしたものがあるんです。「わさビーフ」っていうお菓子です。もうそのまんま、ワサビとビーフの味をポテトチップスに加えた商品で、HPを見ると1987年から売っているロングセラーらしい。
大体150円くらいでかえると思うのですが、このわさビーフ、美味しいんですよ。
ビーフ味としてのこってり系の味と、ワサビのフレーバーが見事にマッチしていて、他のポテトチップスとはまた違う味を出している。ポテトチップスってバリバリ食うのが美味しいと思うのですが、このわさビーフの場合はワサビの辛さのおかげか、ちまちまと食べながらビールをぐびぐびと飲むのにピッタリだ。
けれど当然ながら、この場合の肉とワサビの組み合わせに高級感というものはない。むしろB級感が漂っている。
けれど、ポテトチップスとしての在り方を考えれば、それで百点満点だったりもする。わさビーフはもしも色気を出して「松坂牛と伊豆の本わさびを使ったプレミアムわさビーフ、一袋1500円!」とかを販売したら、たぶん売れない。だから、わさビーフはこのままでいいのだと僕は思う。
しかし、世の中には「それじゃあわさビーフがあまりにも無念じゃないですか先生!」と涙を流しながら訴える人もいるかもしれない。牛肉とワサビはあれだけ夜の銀座でちやほやされているのに(イメージです)、わさビーフは他のチップスと一緒にイオンでひっそりと並ぶしかできないなんて、おやつというポジションのせいで食卓に並ぶことすらできないなんて、と言ってくる愛好家の人もいるかもしれない。
そこでわたくし考えました。わさビーフを食卓に出す方法。
程よく焼いた牛肉に細かくしたわさビーフをぱらぱらとまぶして食べる。
案外おいしい気がするんですけど、どうですかね
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