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弁当界の新しい目玉に目玉焼き弁当を推す!

我が家では基本的に自分のお弁当は自分で作ることになっている。

これはもともとは僕が病気をしたことが原因で、元々は妻が自分の分の弁当を作るのと同時に、「THE愛妻弁当」を作ってくれていたのだけれど、体調が安定しなかった僕は、昼飯を食べれないことも多く、だんだんと作ってもらうこと自体が申し訳なくなってしまった。

とはいえやはりランチ代というのは月々でいうと結構な負担だ。
どんだけ安くしようとしても、大体一か月に宝塚のS席一枚からSS席一枚くらいの値段がランチで使われると考えると、これを極力抑えてもっと趣味に使いたいというのが人情というもの。

というわけで僕は僕で弁当を作って持って行くことにした。これなら万が一食べられなくても、妻への申し訳なさを感じることはなくなる。

当初は前の日の晩御飯の残りとかを詰めたりとかした弁当を作っていた。僕が晩御飯を作ることも多いので、晩御飯をちょっと多めに作ったりして詰めるだけらっくちーん!と思っていた。

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(全体的に茶色い自分弁当)

けれど、途中から僕の弁当ライフはある一点に集中することになる。

それが、目玉焼き弁当だ。

目玉焼き弁当はその名の通り、ご飯に目玉焼きをのせることで完成する、この上なく簡単な弁当だ。

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原価だってご飯と目玉焼きだけで考えれば50円もしない。さらにハムとかウィンナーをのせても100円行くことはないだろう。けれど結構これでボリューミーであり、エネルギーも取れるので中々に優秀な弁当、ということになる。

作るのも、ご飯を詰めた弁当箱に目玉焼きをのせ、調味料をかけるだけでいいのだから簡単である。

けれど、この数か月「弁当=玉焼き弁当」の生活をしていると、自然と目玉焼き弁当に関するスキルが上がっていたことに気づいてしまった。

好きこそものの上手なれ、必要は発明の母。まさにこんな言葉がぴったりなのだ。

ここで、初期の目玉焼き弁当をご覧いただきたい。

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個人的に初期の傑作と言われる
「ダブルベーコンエッグ弁当」
である。
ベーコンエッグを二つ作り、豪快にご飯の上にドーン。そしてマヨネーズと七味で味付けという、完膚なきまでにパーフェクトな味を約束する目玉焼き弁当だ。

けれど、初期の作品故の荒々しさもここには含まれている。
それは、マヨネーズである。
どうしても見た目的にマヨネーズをかけてしまうのだけれど、弁当は必然的に蓋をしなくてはならない。
そして蓋をするということは、その蓋にマヨネーズが「こんちは!」と濃厚接触してしまう可能性がある。

これはいただけない。
アイスの蓋の裏に着いたアイスは、それをスプーンでこそげることに多少の季節の風情を感じることが出来るけれど(夏の季語とかでありそう)、弁当の蓋の裏に着いたマヨネーズをこそげ取るのは、なんていうかイケナイ人である。

この蓋に着いたマヨネーズ問題に加え、目玉焼き丼の大きな問題点として挙げられていたのが、「目玉焼き丼半熟問題」であった。

半熟の目玉焼きは、料理界ではちやほやされがちだ。ハンバーグなんかについている目玉焼きは大抵半熟で、トロッと流れる黄身のシズル感こそハンバーグ必殺の瞬間!と考えられている。

ところが、弁当ということになると、この半熟卵はなかなかの懸念を含む。

半熟=火が通ってない=食中毒リスク。

という考え方だ。今はまだ冬だからいいかもしれないが、これから夏になっていくにつれて、このリスクはどんどんと高まることになる。

マヨネーズ問題と半熟問題。

目玉焼き弁当作成班はこの二つの問題に取り組むことになった。

焼かれる目玉焼き。
流れ落ちる黄身
量を加減してもふたにつくマヨネーズ

男は、悩んだ。
(ここら辺はやっぱりプロジェクトX風に読んでいただきたいですね)

そしていくつもの弁当を空にした(失敗しても目玉焼き弁当は美味しいのもいい)結果、完成したのが以下の弁当だ。

まず、目玉焼き。
これはもう、焼かない。半分蒸す。

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ベーコンを引いて、

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火が通ってきたところで卵をポトン。

そしてこの後、水を入れて蓋をする
熱されたフライパンでジュワ―っと蒸気化した水は、目玉焼きを「目玉蒸し」状態にする。
そして、しばらくしたら火を止め、蓋をしたまま放置する。
何もしない。すっかり目玉焼きのことは忘れて、一時間くらい好きなことをするくらいがちょうどいい。

この、放置が大事(な気がする)。
放置することで、フライパンはどんどんと冷めていく。
冷めていくついでにその熱はゆっくり、ゆっくりと目玉焼きに伝わっていき
中まで火が通り、けれどもぼそぼそにならない、弁当のおかずとして理想的な目玉焼きが完成するのだ。

これで、目玉焼き丼のメインたる目玉焼きは完全に仕上がった。
そして、いよいよ目玉焼き丼を組み立てていく。

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ご飯を敷いて

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カツオブシをかける(ゆかりでも美味しい)
そして!
ここに!

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マヨネーズ!

く~~っ!コペルニクス!コロンブスの卵!

目玉焼きの上にかけると蓋についてしまって困るなら、目玉焼きの下に載せてしまえばいい!天才か私!目玉焼き弁当界のナポレオンか!

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そして最後に完成した目玉焼きをドーン!

これによって、味・見た目ともに最高点をマークする目玉焼き丼が完成!蓋をしても何も蓋にくっつかない!洗いやすい!最高!

この作り方をマスターしてからというものの、僕はますます目玉焼き弁当作りにいそしんだ。

挙句の果てには

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二つ目玉焼きを焼いて

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妻の分まで目玉焼き弁当!

万物の流転と言わんばかりに、いつの間にか僕が妻の弁当を作ることさえ出てきたのである。これも簡単便利な目玉焼き弁当のおかげと言わざるを得ない。

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あくる日も目玉焼き弁当。夫婦を繋ぐ目玉の幸せ。

ちなみにこの時は妻の方の目玉焼きだけセルクルという調理器具で真円状に焼いてみた。


スマホの「最近の項目」も目玉焼き弁当であふれるようになった。

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(右下のレモンは広島から取り寄せました。美味しいです)

こうなると考えてしまうのがバリエーションである。

例えばある日は豪華にトマトと鶏肉も一緒に焼いてみた。

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(焼いたトマトってイタリアだよね。)

が、結果としては何とも見た目が酷い目玉焼き弁当になってしまった。

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(味は最高でした)

またある日は半分に敷いたご飯に

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目玉焼きをのせ

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その上にまたごはんと目玉焼きをのせるという「ご飯の中にまた目玉焼きが!」という、うな丼によくありがちな弁当を作ってみた。

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(これが本当の隠し玉ってね!)

結果としては「目玉焼きはウナギにはなれない」という当たり前だけどしみじみと納得できる結論を得るだけに終わった(載せるなら全部上に載せた方がいい)

結局目玉焼き弁当として最強なのは

目玉焼き
ハムかベーコンかウィンナー
ご飯

という組み合わせのようだ。

けれどもそこは無限に広がる食材の宇宙。

まだまだ僕の知らない目玉焼き丼があると思うと、胸がわくわくしてくるのである。

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(現状最強の目玉焼き弁当候補。)

シンプルにして最強、飽きずに食べられるお弁当である目玉焼き丼。
一日50円の幸せとして、僕はこれからも目玉焼き丼を作っていきたい。

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