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古民家再生はじめました ~解体中に出てきた手描き図面~

ベタ基礎工事が始まるかと思いきや、次の作業に移る前に市役所のチェックを受けなければならないとのことで、しばし待機。無事OKをもらえたので、本日「鋤取り」という作業が始まった。役所がどんなことをチェックするのか教えてもらったので、少し説明しておきたい。

まず解体工事で躯体が露わになったところで、行政担当者は古い柱や束石などの傷み具合を再確認する。事前チェックを行っていても、床や壁板をはがしてみないと見えないことがたくさんあるからだ。例えば、腐食や白蟻被害をうけた柱などのダメージ確認は大切だそうだ。当該の伝統的建築物を保存していくための構造補強が必要と判断されれば、もちろん新しい材に取り換えることが許可される。しかし、ある程度しっかりしていて「このままいける」と判断されれば、古い材の保存が優先される。そうなると勝手に撤去することは許されない。他にも、柱に残る古いほぞ穴などから建設当時の構造を確認し、もし改変が見られたら「元の姿」に戻すよう指示がでるそうだ。

伝統的建築物保存のためには当然だけれど、事前に建てた計画が覆されることも多々あるわけで、建築士さん曰く「思うようにいかないのが普通と思っていなければやってられない」らしい。ここは施主としても、フレキシビリティーというか動じない胆力が求められるような気がする。

前置きが長くなったが、今日の最大トピックは、解体作業中に見つかった手描きの設計図面(タイトル写真)だ。すこし見難いけれど、薄い木板に墨で描かれている。解体屋さんが作業中に見つけて、とっておいてくれたそうだ。なんと有難いことよ。

古ぼけてはいるけれど、木板に描かれた図面は、この物件を購入する前に見たものとほぼ同じ。しかし旧持主が売却を決意された時、図面は存在していなかったそうだ。古い物件ではよくあることらしいが、販売活動には必須なので、不動産業者が一級建築士に作成依頼したというわけだ。それはCADで出力されたキレイな図面だった。一方、木板に描かれていたのは、どう見ても手書き。・・・昔の人って、凄すぎる。

この建物が建てられたのは100年前だ。当時は大工さんが図面も書いていたのかしら。それとも既に建築士という職業が存在したのかな。建築の歴史というものに、俄然興味がわいてきたぞ!



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