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多様性と課題発見

クロスダイバーシティ。今更だけど、互いの違いを認め合えることや、当たり前に見過ごされてきた課題を見つけることは大切だ。一つの組織に長く属していると、知らず知らずのうちに同質環境に慣れてしまうから、できるだけ多くの異なる視点に触れたいなと思う。

今回は、この頃よく見るようになったWeeklyOchiaiからの気づき。

コミュニケーションの場づくりって、実にムズカシイ。人を集めるだけでは機能しないからだ。誰をあつめるか、どうファシリテートするか、あるいはしないか。対話から何かを生み出すために仕掛けるのだけれど、おおかたは迷走する。迷走する対話をいかに具体的なアウトプットにつなげるか。

対談の中で指摘されていたとおり、肝心なのは、多様な課題を正しく理解した上で抽象化して、一般事例で使える形で社会実装していくこと。

例えば、病気で休業しているドラマーの方の話。病名はフォーカルジストニアといって「いつもできていた動きが突然出来なり、その後も日常生活では問題ないのにある状況においてその動きだけが出来なくなってしまう状態」になる。はっきりとした原因がまだ解明されていない病気で、とくに正確で繊細な動きと感性が必要とされる音楽家は起こる頻度が高いそう。

彼が一番望んでいることは何かというと、まず自分の状況が正しく理解されること。今まで出来ていたことができなくなったことが周囲には分かってもらえないために「さぼっている」と思われて、人間関係まで崩壊してしまう。それがとてもつらいので、まず事実を知ってほしいと。

これは、鬱とか適応障害とかも同じ。脳の回路の一部が動かなくなる症状からきている状態だということが周囲に理解されないから、やる気がないとか言われてしまい、本人はとてもつらい思いをする。

そこではっとしたのは、そういう課題にきちんと気づくことが、クロスダイバーシティなのだ、ということ。病気を治すのには医学的アプローチが必要だけれど、様々な病気に苦しむ人たちの具体的な困りごとの共通点、例えば「理解されない」に着目すれば、AIやロボティクスなどの技術で解決できることがたくさんある。症状を体感するための装置を作ることで健常者とのコミュニケーションをサポートするとか、も可能だ。

下記は、落合さんの示した社会実装までのプロセス。なんとか自分が関わっている領域で実践できないものかと、いろいろ考え始めている。

1:実課題/課題発見
2:ワークショップでのデザインとの会話:UIデザイナーが主導
3:コラボレーション開発:ハード開発チームが主導
4:知能化・データ管理・学習モデルの継続開発:機械学習チームが主導
5:場/各自の使用現場での活用


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