英語の資格についての話

現実的には厳しいのですが、もし海外留学ができたらしたいと思っているので、先日そのために必要なIELTSの対策本を買いました。2500円もしたのでとりあえず頑張ってみることにします。

ところで海外留学に必要な英語の能力を示す資格として用いられるのは主にTOEFL iBTかIELTSです。一方日本国内で就職する際に英語の能力を示す資格といえばTOEICです。英検でもどうにかなることもあると思います。私はTOEICを受けたことがない(問題は見たことあります)ので何とも言えませんが、どうして日本ではこんなにもTOEICが重宝されるのかよくわかりません。どう考えてもTOEFL iBTやIELTSの方がちゃんと英語力を示せるはずだと思うのです。

TOEICの良いところは受験料が安いことかもしれません。確か5000円くらいです。英検でも準1級になれば7000円は下らないし、1級はもっと高いはずです。そしてTOEFL iBTやIELTSの受験料は25000円くらいします(TOEFL iBTは235米ドルなので変動します)。確かに受けやすいとはいえないかもしれません。受けるにはかなりの覚悟と対策が必要になると思います。

しかし私が思うTOEICの最大の問題点は、リスニングとリーディングしか行われないテストが主流なことです。今や文部科学省ですらリスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能の総合力を重視する的なこと言っているのに(その結果としての共通テストがうまくいっていないことにはここでは言及しないことにします)、本当に2技能測るだけでいいんですか?と聞きたいです。
リスニングもリーディングも、相手の発言・主張を読み取るいわば受け身的な能力です。もちろんこれらの能力も重要であるとは思いますが、ただ理解するだけでは何も進みません。自分の意見を発信するのに必要なのがライティングとスピーキングの能力です。さすがにある程度聞けて読める人が一文字も書けないとか一言も話せないとかいうことはないですが、すべての能力が同じくらいとも限りません。私自身英検を受けたときにスピーキング以外は余裕で合格だったのにスピーキングだけ合格点スレスレだったことがあります。TOEICで英語の総合力を測ろうとするのは無茶な話です。まあ、相手の言っていることを理解だけする人材が欲しいならTOEICを就活で使う価値もあるのかもしれませんが。

TOEFL iBTやIELTSは4技能すべての試験があります。英検でも上の方の級では4技能とも測れますが、級を選んで受けて合格か不合格か判定されるシステムのため、スコアでより正確に英語力を示せるTOEFL iBTやIELTSと比べるとどうしても曖昧になってしまいます。また、TOEFL iBTやIELTSの方がよりアカデミックな文章を多く課してくるので難易度が上がるので、英検1級よりもハイレベルなところまで測ることができます。確かに少なくともIELTSは留学や移住のための英語力証明が主な目的であり、ビジネスに使うのはあまり想定されていないのかもしれません。
しかし外国で暮らすだけのスキルがあればビジネスでも大きな問題はないと思うし、そもそも海外赴任になあれば外国で暮らすだけのスキルが必要になるはずです。グローバル化という言葉ももはや聞き飽きたこの時代、企業側は採用する段階で海外で暮らせるレベルの人間か見ておいて損はないと思います。だったらIELTSでもTOEFL iBTでもいい、むしろその方が都合がいい、そうはならないのでしょうか。

私は今2回生で、院進せずに就職するつもりでいます。私が就職するまでにTOEIC一強の流れが変わることは期待できないので、きっと就活を始めるまでにTOEICを受けることになります。でも、そのうち4技能すべてを測る試験が就職でも重視されるようになると信じています。そうならないことには、本当に英語が使える人材かどうかわからず、少なくともビジネスにおいて日本人は英語が使えないというイメージが拭い去れないでしょう。

そのときのために、たとえ留学しないとしても、先日買ったIELTS対策本で英語力を鍛えておこうと思います。2500円無駄にしたくないので…

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