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レビューインフルエンサーの声を商品開発に。ローソン ウチカフェ トリコ! シリーズ共創型商品開発レポート

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プロジェクトの概要

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「生活者の声」を商品開発に活かすことの重要性

——実施に至った最初の経緯は何でしたか?

田宮:スパイスボックスでは様々なインフルエンサーと関わる中で、「レビュワー」と呼称している方たちとのネットワークを持っています。彼らは実際に商品を使用して、そのレビューをまとめた投稿を生活者目線で行っていますが、どういった切り取り方や表現をすれば、投稿に対して保存やいいね、コメントなどの反応が付きやすいのか熟知しています。そこで、彼らの知見を活かした商品開発や発信ができないかと考え、サービス化しました。

田宮 賢太朗(Social Data Lab. 室長)
自社ソリューション開発を担当。 趣味は読書とサウナ。

クライアントごとに商材の特徴やニーズが異なるため都度設計をしていますが、具体的にはどんなインフルエンサーと共創するといいのか、リサーチとご提案から、キャスティング、ワークショップやインタビューなど商品開発に至るまでのプロセス設計、商品発売後にインフルエンサーの発信サポートなどをスパイスボックスでは行っています。

安松:ローソン様の場合、商品開発に関しては既に様々な知見や実績をお持ちでしたが、より生活者の声やニーズを捉えた商品開発をしていきたいというご要望をお持ちだったため、SNS上にあるビッグデータから生活者インサイトを捉えることができるスパイスボックスの提供価値とマッチしました。

安松 信二(プロデューサー/ユニットリーダー)
新規開拓営業・プロデューサーとして様々な企業を担当。 金融系企業の新サービスローンチ認知施策や、家電、通信、食品等様々な企業のインフルエンサー施策などをプロデュース。
休日は2歳の子供と過ごすことが多い。千葉の九十九里海岸へサーフィンに行くことも。

インフルエンサーが持つ「生活者目線」に着目

——インフルエンサーの皆さんはどのように関わってくれたのでしょう?

安松:まず、スイーツの知見が豊富なインフルエンサーを選定しました。コンビニスイーツが好きな方もいれば、カフェに関する投稿をされている方、ご自身で作ったスイーツの投稿をされている方など、多様な視点が混ざるようにしました。インフルエンサーの投稿のクリエイティブやコピー、テキストなどを分析し、どういった目線でスイーツのレビューをしているのか、定性的な面も見て選定し、キャスティングしました。

そして「どんなスイーツが食べたいか?」「どんなスイーツがご自身の投稿でフォロワーから反応が得られやすいか?」などを教えてもらうワークショップを実行し、彼女たちの知見や意見と生活者のニーズをローソンへ提出し、それをもとにローソンが新商品コンセプトを開発しました。その商品コンセプトに対してもインフルエンサーからフィードバックをもらう機会を作りました。最終的には、「好きなものを好きなだけ」という1つのコンセプトにしぼり、商品を開発しました。

皆さんスイーツへの愛が強いこともあり、どの方もものすごく前向きに関わってくださったのでワークショップは和気あいあいとした雰囲気で行うことができました。

田宮:インフルエンサーの方に「今後やってみたいことは何ですか?」と聞くと、商品開発と答える方は半数くらいいます。今回のプロジェクトも、みなさん商品開発に携われることを楽しみながら取り組んでくださったので、その熱量をすごく感じました。

安松:他にも、ワークショップがスムーズに進行できるよう、皆さんには事前に宿題もお渡ししていました。普段多くの商品のレビューをされているので、より彼女たちの視点が発散できるように「ご自身の投稿の中で反応が良かった投稿ベスト5を教えて下さい」や「反応が良い投稿に共通することはありますか?」などご自身の強みや特徴を言語化できる状態にしてもらっていました。

田宮:生活者の代表として、生活者目線の意見を言ってくださる場面も多く勉強になりました。

安松:ワークショップ、フィードバック会、試食会と回を重ねるごとに、1つのチームになっていましたよね。インフルエンサーとクライアントが互いにリスペクトを持って進めていたのも印象的でした。


商品が実際に発売されて起きた現象

——世に出た商品を実際に見て感じたことはありますか?

安松:試食会で商品を目にしたときも感動したのですが、実際にローソン様の店舗に並んでいる様子を見たときには今までにないくらい感動しましたね。家族の分も買って帰りました。

田宮:今回の共創プロジェクトを経て商品を開発できたことは嬉しかったですね!

安松:協力いただいたインフルエンサーのフォロワーの皆様が「買いに行きました!」とストーリーで投稿してくださっていたみたいで、その報告を受けたとき、商品開発に携わってくださった熱量がしっかりとフォロワーの皆様にも伝わっていると分かり嬉しかったです。

田宮:インフルエンサーと共創すると、発売されたときの発信力にも期待できる点は強みですね。

安松:開発の段階からプロセスの発信ができれば、フォロワーさんたちも興味や期待を抱いてくださったり、「早く食べたい!」という気持ちになって、発売時にはすでに熟知されている状態を作ることもできますよね。
協力いただいたインフルエンサーをフォローしている集団と、していない集団に分け、態度変容率を比較することでインフルエンサー施策における効果も推計しましたが、インフルエンサーによる投稿は、認知拡大と好感スコアの伸長に寄与していることがわかっています。


企業とインフルエンサー各自が持つ強みを繋げていきたい

——今後はどのように取り組んでいきたいですか?

安松:今後も同じようにインフルエンサーと共創する形の商品開発に携われる機会は作っていきたいですね。

田宮:お掃除グッズや、文房具、お子さんに使える便利グッズの開発などもできたらおもしろそうですよね。そのカテゴリーに強いインフルエンサーもたくさんいますし、相性が良さそうです。

安松:スパイスボックスが商品そのものにテコ入れをすることで、事業を伸ばしてくということも、広告の支援に加えてご一緒していきたいですよね。

田宮:これまで、生活者の声を拾いたい場合は定性調査や、デプスインタビューが一般的でしたが、発信力を兼ね備えたインフルエンサー共創型の商品開発も1つの手として認識されると嬉しいですよね。「こんなものを作りたい」「商品開発に携わってみたい」というインフルエンサーの想いと、企業のアセットを繋げられることがスパイスボックスのプロデュース力の見せ所ですね!