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アク抜きの手間を省きたいとき試すこと

■ひとつまみのスパイスで

「アクは取らないんですか?」勤め先のインド料理教室でたまに質問されます。

取りません。インド料理ではアクも味のうちなのだと、自分が生徒の時には教わりました。手抜きではないのです。「スパイスが入ると確かに気になりませんねー」と、できあがったものを召し上がって皆さんおっしゃいます。

野菜のアクなら、ほんのひとつまみのスパイスで対処できることもあります。べつに、元の味を消すほどスパイスまみれにする必要はないのです。そんなインドの台所の知恵を参考に、手ごわい食材のレシピを書きました。

さつま芋のつる、いわゆる「芋づる」。戦時中に食糧難で食べたけれどまずくて、という話しか聞いたことがなく、レシピを書く仕事をいただいて初めて料理しました。
正直、おいしいとは思いませんでしたが、楽天レシピで検索すると、こんなに?!ってほどレシピが出てくるので驚きました。なんでなの?!?笑

■アフリカでは愛され野菜?!

もうひとつ驚いたことに、どうやら世界のあちこちでサツマイモの葉やツルを野菜として食べているようなのです。

なかでも、アフリカ南部の内陸国ザンビアでは「カレンブラ」というかわいい名前で呼ばれ、青菜として愛されているらしい。
トマトや玉ねぎなどと炒めるレシピが、郷土料理としてたくさん紹介されているのでした。

写真で見る限り、葉っぱの形も違うし、ツルも日本の芋づるよりずっと柔らかそうなので、品種も味わいも違うのかもしれませんが、育ててる皆さんどうですかね?

アフリカだから、芋づるでもご馳走なんじゃない?と思った人いるでしょ。いやいやいや、ザンビアは水も豊富で土地も肥沃な農業国だそうですよ。詳しくは大使館HPで。

そういえば、昔、夫がザンビアに出張したとき、勤務先で毎日作ってくださったランチがおいしかったからと、現地の主食である「ンシマ」というトウモロコシの粉をお土産に抱えて帰ってきたことがあるのです。

トマトで煮込んだ鶏肉をかけて食べるんだというから、調べてそれも作ったら「なんで写真で見ただけで再現できるの?!」と、むっちゃ驚いてたけれど。鶏肉とトマトは世界のどこで煮ても同じ味になると思うんだな。笑

カレンブラ(サツマイモの葉)の炒めものも、もちろんンシマに添えて食べるのです。ザンビアに駐在されていた方のお食事風景にもンシマと鶏の煮込み、そして、サツマイモの葉かどうかはわかりませんが何か青菜が盛り付けてありますね。

アフリカ以外でも、世界各地でどんなふうに料理しているか興味があれば "sweet potato greens recipe"  でGoogle画像検索するといろいろ出てきます。

■下ごしらえゼロを目指して

さて、日本の芋づるに話を戻しましょう。

実物が届いた日。事前に、こちら↓↓のブログで、ツルにも食べない部分があると学んでいたので、まずは可食部を切り取っていきました。(3枚目の写真がとてもわかりやすいです)

皮をむいて下茹でしないと食べられないのかー。とりあえず生でひとくちかじって、あ゛ー。確かに繊維が口に残る。
むかずに繊維を噛み切りやすくするには?だって細いしさ、たっくさんあるんだよ。
考えて、多目の油で揚げ炒めすることにしました。戦時中にはあり得ない、贅沢な調理法にて、とりあえず皮むき作業を回避。

そして問題のアクですね…
炒めたあとでも残るこの渋みを受け止めてくれるのはどのスパイスか?

当たりをつけて、ナツメグをひとつまみ、ハラハラ。もうひとつまみ。
よ~し、消えました。負けないもんね!下茹でなんかしないで食べてやる。どうだ!笑

■青臭いのも消せます

ツルムラサキを煮込んだカレー、そのままだと青臭いのを、芋づるとはまた違うスパイスを足して解決したのがこちらのレシピ↓↓です。

味の、ノイズキャンセリングみたいなこと。スパイスの得意技です。慣れれば、その苦味や渋みには、どのスパイスが効くか分かるようになるよ!

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