見出し画像

curry menu archive 0.0.0.0

はじめまして。
スパイスカレーizonという京都のカレー屋です。

週替わりで世界一周カレーやってます。
これまでのメニューを忘れないよう、noteにアーカイブを残すことにしました。
店主のヨシフジからヒアリングした内容を、有志のライターが頑張って記録していく予定です。

しばらくは狢が担当です。
よろしくお願いします。

関西にはスパイスカレーのお店がたくさんあり、様々なカレーが楽しめます。中には毎日食べ歩く人もいらっしゃるようです。

もちろん店によって提供するカレーは様々ですが、メニューの構成は”メイン+トッピング”という感じが多数派かと思います。

2022/6/22現在、spice curry izonでは、週替わりで世界一周カレー(どこかの国をテーマにしたおまかせワンプレート)を提供するという謎のスタイルに落ち着いています。

そのあたりの経緯や当時のメニューを思いついたきっかけなどを店主のヨシフジに聞いても「よく憶えていないなあ」「レシピもあまり思い出せない」とオーナーらしからぬ衝撃的な回答。

というのも、spice curry izonというカレー屋と並行してused clothing izonという古着屋も同時にオープンさせたものですから、必然的にスケジュールは殺人的になり、カレー脳と古着脳がごっちゃになった状態でその場の閃きだけを頼りになんとかここまでやってきた、というのが原因だと思われます。

そんな状態でまともなカレーが作れるのか?と疑ってしまうところですが、ちゃんとファンの方が居て、『来週はどこの国に連れてってくれるの?』と期待されていたりします。
とても不思議です。

変なメニューだなあ、コアなスパイスカレー屋ってのはこういうノリなのかなあ、と友人として外野から傍観していた狢でしたが、今回アーカイブを残すことになったのはこんなやりとりがあったからです。


狢:カレーのメニューなんか変わってる(変だよね、というニュアンス)けどどうやって考えてるの?
ヨ:水曜日までにその国の歴史とか食文化を自分なりに勉強して頭の中でワンプレート完成させてる。
狢:え?試作とかなしで?
ヨ:なし。
狢:じゃあ木曜はぶっつけ本番?
ヨ:そう。その場で味見ながら。
狢:即興のやつをそのまま出してるってことやんな。
ヨ:そうやね。
狢:すげえな。
ヨ:他の店の人たちもマジメに作ってるからなあ。
狢:でも歴史とか食文化からメニュー考えて即興で出す人はおれへんのちゃうの。
ヨ:さあ。
狢:お客さんにはその辺説明するの?
ヨ:あんまりせえへんかなあ。聞かれたら答えるけど。
狢:なんでそういうスタイルになったん?
ヨ:なんでやったっけ。よく憶えてないなあ。韓国のカレーが最初やったと思うけど。レシピもあんまり憶えてない。
狢:そういうもんですか。
ヨ:そういうもんちゃうかな。


絶対そういうもんではないと思ったので、インスタを見ながら思い出せるだけ解説してもらったらとても面白かったのです。

そのプロセスは特殊すぎました。

「アメリカ」という国を来週の世界旅行カレーのテーマとして採用したとします。
まずアメリカの文化や歴史を調べ始めます。
アメリカ大陸の植民地化が始まる頃——よりも更に前まで遡ります。先住民は何を食べていたのか、そこからどんな歴史を辿って現在のアメリカに至るのかをヨシフジなりに調べるのです。

当然それでアメリカの全てを網羅できる訳はありませんが、アメリカの歴史や文化から「ヨシフジから見たアメリカ」がエッセンスとして抽出されます。
そのエッセンスを、2~3種のカレーと3~5種の副菜を盛り付けるワンプレートのメニューへと落とし込みます。

アメリカカレーの場合、『アロスコンポヨ、エビのガンボ、ダルとホッケのペミカン、チキンスープ、コールスローライタ、ワイルドライスのサルサ、アボカドとマグロ、パクチー』となりました。
なぜこうなったのかは、またアメリカカレーの回に紹介します。

まず普通はありえないことだと思いますが、メニューの考案、盛り付けイメージ、味の想定、食べ方の設定、これらを試作なしにすべて頭の中でやってしまうのです。

水曜の店休日に頭の中で完成させたワンプレートを、木曜の朝に即興で具現化します。
信じられませんがぶっつけ本番です。

木曜にizonでカレーを食べる人は、それを食べているのです。
何も知らずに食べると”ちょっと変わったスパイスカレー”ですが、私たちが食べていたものは即興の芸術作品でした。

一週間営業してカレーの仕込みにも慣れて効率的に作れるようになってきた頃には、次のカレーに更新されるシステムになっていますし、同時に服の仕入れや什器の製作なんかもやっていた訳ですから、そりゃあ憶えてる暇はないかと納得しました。

カレーが完成するまでのプロセスを聞いて感動しましたので、是非アーカイブ化させてほしいと個人的に志願した次第です。
カレーに興味のない方にも読んでもらえるように頑張ります。
そして、これを読んで興味を持った方が実際にお店に行ってカレーを食べてくれることを願っています。

本人にも何か書いてもらう機会があるかもしれませんが、かなり忙しそうにしているので今のところ未定です。

アーカイブを作るにあたって、今の形態に辿り着くまでに関わりのあるカレーをピックアップすると23種類ありました。

毎週新しいカレーが追加されていきますので、リアルタイムに追いつくのがいつになるのかはわかりませんが、のんびり更新していこうと思っています。
興味のある方はお付き合いお願いします。

spice curry izon インスタグラム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?