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0613母校のやつらなんかぬるいんだわ

幼馴染に、父親から継いだ企業を経営しているやつがいる。
学年は違ったが幼稚園からずっと一緒で、高校の頃「全員死ね」と思っていた私には珍しく好意をもって接して仲がいいほうだった。
向こうも「全員死ね」と思ってるタイプで、話したくないやつとは絶対に話さなかったので、私のことは好いていてくれたのだと思う。

人は最後に出会ったタイミングや、一番仲良くしていたタイミングでなんとなく年齢が止まるので、企業の社長といえど話すと高校生の気持ちになる。
ちなみにこいつはクズだ(人のことは言えないのだが)。
高校の頃から何も変わらないのだが、そこだけが全然違う。
凄まじいストレスと金を得て何かネジが飛んでったんだろうな。

最近車を2台買っていた。
車種は書けないが、日本で手に入れるのはめちゃくちゃ困難らしい。
そんなものをぽんと買うのだから、相当うまくいっているのだろう。

ただ、財力の背景には絶対に苦労がある。
父親のやり方に疑問を感じでテコ入れして従業員数を3倍以上にしたんだって。
やつの業種は私のITとは程遠く現場系だ。
それなのに私の仕事の話を熱心に聞いてきた。
なるべく効率と生産性あげたいからツールは積極導入したいそうだ。
すごいと思うよ。

そんなやつは某協会の理事長をしている。
協会内では相当の若手のはずだ。
昭和離れできないジジイどもを相手して、はっきりと意見をしていたら、周りの他の若手に「君はテロリストのようだ」と言われたそうだ。
学校が同じなのでやつも欧米教育を受けているのだが「その教育が祟ってテロリストとか言われちゃうのかな。たまに悩むんだよね」と言っていた。
私達は一生この葛藤と共に生きていくんだろう。
母国では当然異端児、かといって欧米に行ったところで結局異端児。
異端児属性といかにうまく付き合っていい意味での適応をしていくかなんだろうな。

やつのクズの部分の話を聞いていると、変わっちゃったなと少しさみしくなる。
でもビジネスの考え方とかはすごく尊敬しているし、むしろやつのその頭のよさが当時から好意的に思えた部分なので話していてほっとする。
やつもそんな話をフラットにできる相手は減ってきたのではないだろうか。

やつには妹がいる。
学年が離れていたのでそこまで近い関係はなかったが、一貫校でずっと一緒だったので私もよく知っている。
妹には今子供がいて、甥っ子がかわいくて仕方がないんだって。
待ち受けを甥っ子にしているくらい溺愛していた。
そういうのも見ていると安心する。

やつの妹は兄のクズっぷりに反して信じられないくらいいい子だ。
昔からずっとそうだった。
きっとお兄ちゃんがずっと守ってきたんだと思う。
学校でも高校生エリアに当時中学生の彼女が「お兄ちゃーん」とやってくることがあった。
やつはいつも少しそっけなく対応していたが、そんな風に妹が来る時点で絶対に仲良しなのだ。
今でもその関係が健在なのをみたら、先日自分で書いた記事を思い出した。

私と一緒で、きっとやつは成功するタイプで、妹は幸せになるタイプなのだろう。
妹の話を聞いたら私も嬉しかったし、ほっとした。
他人の私が言うのはおかしいけど、お前はそうやって妹を守ってくれと思う。
私も弟を守り続けたいと思っている。

私は一貫校だったので、友人のほとんどが幼馴染だったのだが、今はほとんど交流がなくなっている。
大人になって気付いたのだが、あれは友達ではなく他に選択肢がないから消去法で話せる相手となんとなくいたんだなと思う。
結局連絡をとる数少ない幼馴染はほとんど別の学年だ。
多分学年を超えて「仲良くしたい」と思って友好関係を築いたからなのだろうと思っている。
だから今でも連絡がとりあえる相手は奇跡に近いと思っている。

なので大事にしたい。
嫌いになりたくない。
しかしクズの矛先が私に向きかねない瞬間があり、ヒヤヒヤするので、嫌いにならないために距離を置こうと思う。

さて、私も唯一の取り柄である仕事をしようかね。

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