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他人の死は止められない

⚠️他人の自殺について私の持論を述べます!⚠️

⚠️この場合、他者の持つ死にたいという気持ちが、家庭環境や人間関係などの外的要因が直接的なものだった場合ではなく、自分自身からふと湧いてくる死にたさについて書きます⚠️





他人の死は他人には止められないと思う。


私の身の回りに自ら死を選んで実行した人はいないため、これはあくまで私の持論になるが、多分止められない。止めたいという気持ちはあるが。


よく自ら死を選んだ人に対して「こうしていれば」「あの時ああしていてば」という後悔を見かける。


気持ちは分かる。いや大事な人をそういう形で失ったことがないから本当の意味で分かることは出来ないかもしれないが、想像は出来る。辛いと思う。



でも多分、私たちに他人の死は止められない。

というか、止めようとすること自体が烏滸がましいんだと思う。


私たちはどれだけ距離を縮められたところで他人だ。


人が人のことを変えるのさえ出来ないというのに、生死についての選択、感情についてなんてより他人がどうにかできるものではない。


私たちに出来るのは、せめて「あ、もう少し生きてもいいかもな」と思ってくれるようなきっかけを作ることくらいだ。話を聞いたり一緒に遊んだり。


でもきっとそれも一時的な助けにしかならないんだと思う。死にたい人は気付いた時からずっと死にたい。その人自身も何で死にたいか分かっていないケースが多い。


根本原因が分からないものに対して他人が直接的に効果のあるアプローチが出来るなんて思えない。


私には親友と呼べる友人がいる。その子は私と出会う前からきっと死にたかった。


よく自殺未遂もする。定期的に遊んだり電話をしたりするのだが、

「この前ベランダから飛び降りようとしたら通行人に助けられちゃったんだよねえ」


なんてことを普通に言ってくる。こっちはどんな気持ちで聞けばいいんだ。


ちなみにその友人のマイブームは自殺企図らしい。勘弁してくれ。


この前会った時に書かせたプロフィール帳
「特技はミュージカル✨」な奴がマイブームに自殺企図なんて書くな


それを初めて聞いた当初は彼女を助けようとした。


彼女が生きるためだったら何だってしたかった。当時大学生だった私は大して金もなかったが、彼女が生きるためなら家も捨てて彼女が生きていたいと思えるまで彼女のやりたいことをさせてあげたいと思った。


でも多分、私が何しても彼女の死にたさは消えないんだと思う。


彼女が辛い時はいつだって電話に付き合った。夜が更けるまで話を聞いた。


でも思う。話す度に痛感する。


私は彼女の死にたさを無くすことは出来ない。



話はまた違うのだが、前の恋人にも死にたさを慢性的に患っている人がいた。


彼もだいぶ死にたい人だった。というか今でもじんわり死にたそうだ。


ふっと気付けば消えてしまいそうな感じがする。明日彼が亡くなったと聞いても「あ、ついに選んじゃったのか」という気持ちを持つと思う。


いや実際にそうなったらかなり落ち込むし、それこそ「何か出来なかったんだろうか」と思うんだろうけど。


でも「何か出来なかったんだろうか」なんて頭の中に死の選択肢が無い人のエゴにすぎない。死にたい人はいつだって死にたいんだ。


生きていて欲しいと思うことも、結局は彼らと一緒にいたいだけの私のエゴにすぎない。


私に彼らの辛さは分からない。彼らがどれだけ生ということに失望し、もう手放したいと思っている感情の深さも。


「生きていればいいこともあるよ」なんて何の助けにもならない。というか、きちんと死にたい人にそんな言葉をかけたら更に絶望を招くだろう。


その「いいこと」が起きず、それに願うことも耐えられないくらい死を欲しているというのに。


もう死にたいくらい自分を傷つけ続けているというのに。


死にたいくらい辛い人に「死」の選択肢を否定することは、その人の気持ちに寄り添わずこちらの希望を押し付けているようなものだ。


まあそんなことを書きつつ私も実際彼らが死にそうになったら何が何でも生かせようとするんだろうけど。自分勝手だなあとつくづく思う。


例え私が誰かの死を一瞬避けさせられることができたとしても、生きることに対する絶望や苦しみを完全に取ることは出来ない。やっぱり私は他人にしか過ぎない。


生きていて欲しいと強く願うものの、その気持ちで相手を苦しめたくないと思う。


だから私はせめて、「死にたい」と打ち明けてくれた人にはその気持ちに寄り添いたいと思っている。


死にたいね、死にたいくらい辛いよね、とただ隣で肯定し続けたい。


彼らが生きている上で唯一持ち続けている感情に寄り添える人でありたい。

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