見出し画像

W116SC作業日記①

U10BiCはひと休み。
調律も調整も枠の中に入ったので、1週間位エージングしてあらを出す。
打鍵機があればいいけど、あんなのうちの工房で使ったら、即クレーム来るだろうな…

そんなわけで、先日入荷したW116SCに手を付ける。
まずは調律してピアノを感じる。
ピッチは50セント以上低い。
緩んだ状態に慣れたピアノに、急に負荷をかけないように、433でやった。
今後少しずつピッチを上げて、あと2〜3回でこのピアノは440に落ち着けよう。

高さ116センチの小型なピアノだけど、出る音はゆったりと遅めで、私は好き。
まだピッチが低いのも影響してるかも。
控えめで柔らかくて小型なピアノだから、子ども部屋に適してるかな…なんて考えながら調律した。

アクション外して、鍵盤外して恒例の儀式。
鍵盤の掃除。固く絞ったタオルで鍵盤全体を綺麗に拭く。

画像1

ブッシングやホール、爪の傷などもチェックしながら。
ブッシング貼り替えることにする。

次に本体の掃除。
まずは弦をベンジンで拭く。
私はスチールウールなどで、弦をピカピカにはしない派。
弦に傷は付けたくないし…

弦はくすんで表面に汚れが付着してたけど、ベンジンで磨いてウエスの滑りが良くなった。

画像2

次は下回り。
隅々まで手が届くように、ペダルや天秤などを全部外す。
そして外した部品も綺麗にする。

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7

手が届かない長駒と短駒の上も、色々工夫して綺麗にできた。
成せばなるものだ。

次は鍵盤のピン周り。
今回は緑青ふいてないから、ピンは交換不要。でも変色してるから磨かないと。
クロスを取って、古いペーパーは汚いから全部捨てて、木部を汚さないようにマスキングで養生して、後は磨く。

画像8

画像9

クロスはベンジンで洗浄して、また使う。

画像10

ベンジンはすぐに揮発する。
だけど完全に乾くまでフロントピンを磨く。こちらも古いペーパーは捨てて新しいのにする。

画像11

画像12

画像13

バランスのクロスを戻して今日はここまでにする。

画像14

この子は手がかかるぞ…
わくわくする。楽しくなってきた。

こつこつ進めて行こう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?